コンピュータ教育とARCS動機づけモデル
1993.9.8.
ワークショップ１０：子どもとコンピュータ（３）
＠日本心理学会第５７回大会（早稲田大学所沢）
話題提供者：東北学院大学助教授
鈴木 克明
ARCSモデルとは何か？
- 発案：フロリダ州立大学John M. Keller教授、1983年に命名、公表
- 目的：動機づけ研究の統合と教材設計に利用可能なモデルの構築
- 構成：４つの動機づけカテゴリーと動機づけ設計手順を提案
４つのカテゴリーと方略集
- A(Attention)：注意「おもしろそうだな」
- R(Relevance)：関連性「やりがいがありそうだな」
- C(Confidence)：自信「やればなんとかできそうだな」
- S(Satisfaction)：満足感「やってよかったな」
動機づけ設計手順と留意点
- 学習者の分析
どの側面に動機づけ上の問題があるのかを見極め、必要な側面からの工夫を凝らす
- 方略の取捨選択
動機づけのための方略が多すぎて本来の学習を妨害するようでは教材の真の魅力は高まらない
- 効果の形成的評価（学習者検証）
教材を見れば動機づけ方略のタイプは指摘できるが、その効果は教材を対象者に使わせてみて反応を見るまではわからない
アークスモデルからみたコンピュータ教育とヤル気
- ヤル気を高める方略見本表（Keller & Suzuki, 1988）
- 「笛や太鼓の類」と「内実のある魅力」
- 情報活用能力の育成と教師とメディアの役割分担
添付資料
１）鈴木克明(1992)「課題研究：情意を育てるメディア−ＡＲＣＳ動機づけモデルを中心に−」 『 第29回日本視聴覚教育学会・第37回日本放送教育学会合同大会発表論文集』31-32
２）Keller, J.M. & Suzuki, K. (1988) Use of the ARCS motivation model in courseware design. In D.H. Jonassen (Ed.), Instructional designs for microcomputer courseware. Lawrence Erlbaum Associates, USA, 第16章 。 （表のみの邦訳）