教材の構成と授業設計について
〜教え方がうまく,これからの時代にふさわしい教師であるために〜

平成10年度高等学校及び特殊教育諸学校高等部初任者研修 教科研修3 
1998.10..27@宮城県教育研修センター


東北学院大学教授 鈴木 克明
E-mail: suzuki@izcc.tohoku-gakuin.ac.jp
URL: http://www.edutech.tohoku-gakuin.ac.jp/personal/suzuki
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講義を双方向にするための紙
集計結果(別ファイル)


1.授業を設計(デザイン)する目的は何か

   →現代的な課題に各教科で取り組む(情報,環境,国際理解,人権,生命etc.)
  (cf.「総合的な学習の時間」の新設;「情報科」の新設)
2.授業デザインの諸問題〜何を解決すればいいのか〜

3.授業デザイナーの視点〜問題点をどうやって発見し改善するか〜
 (1)失敗を次に生かす:システム的アプローチ
 (2)教師とメディアの3つの関係:授業の日常の再点検
 (3)学びのプロセスを助ける:ガニェの9教授事象
 (4)授業・教材を魅力あるものにする:ケラーのARCSモデル
 (5)生徒から学生になる準備を手助けする:自己選択と自己責任
         <参考文献>


鈴木克明・井口巌・鷲尾幸雄(1997)『独学を支援する教材設計入門—教えることの奥深さと糸口を知るために—』東北学院大学教育工学研究室(DTP出版) 1,111円
東北学院大学教職専門科目「教育方法」のために自作したテキスト。独学で独学用のプリント教材をつくるプロセスを体験的に学ぶことを支援する。あらゆる教材づくりの参考になる(と思う)。

鈴木克明(1995)『放送利用からの授業デザイナー入門—若い先生へのメッセージ—』(放送教育叢書23)日本放送教育協会 1,900円
キャロルの学校学習モデル(1章)、ガニェの9教授事象(2章)と学習成果の分類(3章)、ケラーのARCSモデル(5・6章)、ブランソンの情報技術型学校モデル(9章)、沼野の成功的教育観(11章)などをカバーしている授業設計入門書。主に小・中学校で学校放送番組を利用している先生を念頭に授業設計論を解説したものであるが、どの場合にも参考になる(と思う)。

赤堀侃司編著(1997)『高度情報社会の中の学校〜最先端の学校づくりを目指す〜』(学校変革実践シリーズ第3巻)ぎょうせい 2,600円。
これからの学校を展望した本。鈴木が書いた章「3章 マルチメディアと教育」が含まれている。

子安増生・山田冨美男編著『ニューメディア時代の子どもたち』有斐閣 1,900円
新しいメディアに囲まれた子どもたちの遊びと学びについて、心理学研究の各領域で活躍する研究者が中心になって先生と親に向けて書いた本。鈴木がARCSモデルについて紹介しながらメディア教育への動機づけについて書いた章(第8章)が含まれている。

水越敏行著(1990)『メディアを活かす先生』 図書文化 1,300円
視聴覚・放送教育で日本をリードする関西大学教授(日本教育工学会長)の入門書。教育におけるコンピュータ利用を考えるために,情報活用能力、メディアリテラシーなども扱っている。

佐伯胖著(1997)『新・コンピュータと教育』 岩波新書
認知科学、教育工学の論客、東京大学教授の著作。コンピュータを考えることで教育を考える、教育を考えることでコンピュータを理解するための本。じっくり読むと奥が深い。買って損はない必読書。旧版(黄332)は絶版で手に入りにくいが,あわせて読みたい。

沼野一男(1986)『情報化社会と教師の仕事』 国土社の教育選書8 1,200円
プログラム学習、フローチャート式指導案などの第一人者の著作。コンピュータ時代の教育に変わるもの、変わらないものは何かなどを問いかけ、教師はどうあったらよいか、何をしたらよいかを考えさせる本。鈴木が「師匠」として尊敬している人の入門書。

沼野一男・平沢茂編著(1989)『教育の方法・技術』 学文社 2,266円
一問一答式の教職課程用テキスト。授業設計を軸に広範囲の話題を扱い鈴木が分担執筆している。

池田 央(1992)『テストの科学』 日本文化科学社 2,000円
日本における教育評価研究の第一人者がテストづくりのイロハを解説する本。

 

     講義を双方向にするための紙(受講者→鈴木克明)    

集計結果(別ファイル)


0.あなたは? ○を3つ→(県内出身・県外出身)(県内大学・県外大学)(男・女)

1.お元気ですか? 次の各行には反対の言葉が左右にあります。今のあなたにあてはまるところに■のうち各行1ヵ所ずつ○をつけてください。
        (そう思う・どちらかといえば・そう思う)

       メリハリがある----■----■----■----■----平凡な毎日
         余裕がある----■----■----■----■----多忙である
         悩みがある----■----■----■----■----特にない
  最近の生活は充実している----■----■----■----■----しんどい
       生徒はかわいい----■----■----■----■----にくたらしい
先輩教師とはうまくやれている----■----■----■----■----いじめられている
    学校へ行くのが楽しい----■----■----■----■----休みが待ち遠しい
 授業の準備には時間がかかる----■----■----■----■----すぐに準備できる
 工夫した授業を心がけている----■----■----■----■----型通りに進めている
     夏休みは充分休めた----■----■----■----■----結構働いていた
   研修では学ぶことが多い----■----■----■----■----息抜きになってよい
        恋をしている----■----■----■----■----そんな暇はない
  趣味をエンジョイしている----■----■----■----■----そんな暇はない
    毎朝新聞を読んでいる----■----■----■----■----そんな暇はない

2.持ってますか? ○:持っている・△:近い将来持つつもり・×:持っていない
( ○)教員免許(教科:          )←記入
(  )教員専修免許状
(  )パソコン
(  )電子メールアドレス
(  )ホームページ
(  )名刺

3.授業に使ってますか? ○:よく使う・△:たまに使う・×:使ったことがない
(  )OHP
(  )自作プリント(補足資料)
(  )自作プリント(練習問題)
(  )テレビ・ビデオ
(  )パソコン
(  )インターネット
(  )新聞

 ※講義についてのコメント(感想・意見・質問など)は,裏に書いてください。
 ※質問について鈴木からの返事が欲しい場合は,連絡先と名前も裏に書いてください。


4.この言葉,聞いたことありますか
  ○:他人に説明できる・△:聞いたことはあるという程度・×:知らない
  (  )総合的な学習の時間  (  )視聴覚教育  (  )情報教育
  (  )教育工学  (  )「スクール五輪の書」(テレビ番組名)
  (  )「教育トゥデイ98」(テレビ番組名) (  )授業設計・授業デザイン
  (  )PDS(システム的アプローチ)  (  )メディアとしての教師
  (  )ガニェの9教授事象  (  )ケラーのARCSモデル
  (  )情報活用能力(自己教育力)  (  )キャロルの学校学習の時間モデル

5.あなたの経験,教師になった動機,あなたの授業について(△はなるべくつけないで)
  ○:そう思う・△:何ともいえない・×:そう思わない
  (  )自分が高校生のときの授業は楽しかった
  (  )自分が高校生のときは勉強ができる生徒だった
  (  )自分が教師になったのはいい先生との出会いがあったからである
  (  )自分が教師になったのは安定した職業だからである
  (  )自分が教師になったのは宮城県に残り/戻りたかったからである
  (  )自分の授業はわかりやすい
  (  )自分の授業は人気がある
  (  )自分の授業はだんだんうまくなっている
  (  )自分の授業を生徒がどう思っているかをよく知っている

6.授業の常識・非常識:どの意見を支持しますか(△はなるべくつけないで)
  ○:支持する(賛成)・△:何ともいえない・×:支持しない(反対)
  (  )部活動指導だけに熱心な教師がいてもいい(免許は教科ごとですが…)
  (  )授業は生徒の忍耐力を鍛える場である
  (  )大学受験塾のような高校があってもよい
  (  )「ここは試験に出るから覚えておけ」は禁句である
  (  )これまでと同じやり方で授業をすればいいという態度は無責任である
  (  )参考になる授業実践を見つけたら積極的に真似すべきである
  (  )授業では教師がなるべくわかりやすい解説を心がけるべきである
  (  )試験問題は授業をやる前につくっておくべきである
  (  )勉強に時間を使うかどうかは生徒一人ひとりが判断すべき問題である
  (  )勉強は生徒一人ひとりが自分でやるべきものである
  (  )勉強はテストで点数をとるためにやるものではない
  (  )教師は自分が教える教科のセールスマンになるべきである
  (  )「高校卒業」は自分で勉強ができるようになることを意味する
  (  )一人の新任高校教師の授業のやり方次第で救われる生徒はたくさんいる
  (  )一般に高校の生徒はもっと学びたがっている
  (  )一般に高校の教師は自分の授業をもっといい授業にしたいと思っている
  (  )授業で最も力をいれるべきところは導入である
  (  )自分が退職するころには高校の授業は今とは大きく変化している
  (  )社会の仕組みが変わらないと高校の授業も変わらない


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