ノースキャロライナ州訪問成果報告書

2000年5月

 

提出者

岩手県立大学教授 鈴木克明
ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp

 

提出先

デジタルコミュニティズ推進協議会設立準備事務局


訪問日程と訪問先一覧

聴取内容(1)ノースキャロライナ州教育局の取り組み

    (2)シャーロットウェブの現状

    (3)ニューハノーバ学区の実態

    (4)UNCWの取り組み

    (5)訪問の成果と課題

入手資料一覧

お礼状(電子メール)の写し


 

↑top

訪問日程と訪問先一覧

2000.4.25. ノースキャロライナ州教育局(ローリー)

◆ ジェリー・ソロモン女史(教材評価サービス部門次長) Gerry Solomon <gsolomon@dpi.state.nc.us>
◆ カレン・クリーチ女史(NC州教育委員会派遣教員) Karen Creech <kcreech@dpi.state.nc.us>
◆ マーサ・キャンベル女史(NC州教育委員会コンサルタント) Martha Campbell <mcampbel@dpi.state.nc.us>
◆ ゲリー・バッチェラ女史(NC州教育委員会通信スペシャリスト) Gerri Batchelor <>
◆ ダフ・コーバン氏(Learn NC) Duff Coburn <dcoburn@email.unc.edu>
◆ デボラ・ペダーソン女史(Learn NC) Deborah Pederson<deborahp@email.unc.edu>

2000.4.26. シャーロット

◆ スティーブ・スノウ氏(シャーロットウェブ元代表) Stephen Snow <shsnow@charweb.org>
  ※バーバラ・レビン女史 Barbara Levine <blevine@gov.state.nc. us>の紹介

2000.4.27. ニューハノーバ学区テクノロジー部門(ウイルミントン)

◆ ボニー・クンス女史(テクノロジ部門ディレクター) Vonnie Koonce <vkoonce@nhcs.k12.ne.us>
◆ シャロン・キルパトリック女史(教育工学専門官) Sharon Kilpatrick <Sharon_Kilpatrick@nhcs.k12.ne.us>
◆ リッツ・デイ女史(教育工学専門官:小学校担当) Lizette Day <Liz_Day@nhcs.k12.ne.us>
◆ ダーン・ブリンソン女史(教育工学専門官:中学校担当) Dawn Brinson Dawn_Brinson@nhcs.k12.ne.us

2000.4.27. ノースキャロライナ大学ウイルミントン校(UNCW)

◆ ジム・エドモンドソン教授(大学公開プログラムセンター長) Jim Edmundson <edmundsonj@uncwil.edu>
◆ スー・コーディ女史(大学図書館司書) Sue Cody <codys@uncwil.edu>
◆ ヨーコ・カノウ女史(UNCW講師;日本語担当) Yoko Kano <kanoy@uncwil.edu>
◆ ウッディ・サットン氏(地域サービス副センター長) Woody Sutton <suttonc@uncwil.edu>
◆ パトリース・タリッシ教授(卓越教授センター長) Patrice Turrisi <turrisip@uncwil.edu>
◆ カレル・ダットン教授(生涯学習センター長) Karel Dutton <>
◆ タミー・マンサー女史(コンピュータサービス・ヘルプデスク) Tammy Mansur <>


↑top

聴取内容

(1)ノースキャロライナ州教育局の取り組み

 ノースキャロライナ州教育局には、Kー12を対象にした教材の評価を専門に行ってきた部局がある。今回の訪問では、教材評価サービス部門次長ソロモン女史が各部門の担当者との会談を設定して出迎えてくれた。各部門担当者との面談により聴取した内容を以下にまとめる。

1)教材評価サービス

 ノースキャロライナ州では、南部17州と共同して、コンピュータソフトウェア、CD-ROMタイトル、書籍、ビデオ教材などの評価サービスを30年続けている。教材評価の専門家や教師の協力を得て各種教材を評価した結果は、すべての教師に無料で提供され、教師による教材の選択に役立てられている。その経験の中から、教材評価基準を抽出し、Web教材などの新しいメディアへの応用、あるいは、子ども用の教材だけでなく、教師向けの研修教材の評価なども手掛けている。1997年にはWebサイト評価基準を公表し、1999年には通信による教師用研修教材の評価基準を公表している(いずれも資料を入手)。

2)テクノロジーについての教員研修

 ノースキャロライナ州の教員は、5年サイクルで教員資格の更新が行われている。その中で、テクノロジー関連の研修が1996年3月以来、義務付けられている。NC州教員テクノロジースキル標準表(基礎・上級)が公開されており、基準表に準拠した研修プログラムとして認定された研修を、それぞれの学区が指定した時間数(30ー50時間の幅がある)受講することになっている。基準表は、パソコンの基本操作、パソコンのセットアップとメンテナンス、ワープロとDTP、表計算とグラフ、データベース、ネットワーク、通信、メディア利用、マルチメディア統合を扱う「基礎」と、カリキュラム、教科特有の知識、学習環境・資源のデザインと維持、子どもの発達と学習・多様性、社会的・法的・倫理的課題を扱う「上級」に分類され、それぞれの領域で達成すべきスキルが示されている。

3)情報教育関連のK-12標準カリキュラム

 ノースキャロライナ州では、情報教育関連の標準カリキュラムが2種類用意されている。ひとつは、K-12コンピュータ・テクノロジースキル教育課程であり、もうひとつは、K-12情報スキル教育課程である。いずれも連邦政府の提示するカリキュラムに準拠している。ダンス、国語、外国語としての英語、健康、算数・数学、社会、芸術などの教科カリキュラムとともに、詳細がWebで公開されている(http://www.learnnc.org/dpi/instserv.nsf)。

 K-12コンピュータ・テクノロジースキル教育課程は、1985年に制定され、1992年と1998年に改訂された。社会的課題、キーボードとワープロとDTP、データベース、表計算、通信、マルチメディアとプレゼンテーションの6領域からなり、最新の改訂では、マルチメディアとプレゼンテーションが新しく加わり、データベースと表計算がより低学年(2年生の算数)から導入された。標準カリキュラムは、幼稚園から8学年までは学年別に明示されている一方で、9学年以降(高等学校)では、教科ごとに示されている。

 2001年度の高校卒業要件の一つとしてコンピュータ・スキルテストが課せられることになり、テストの概要を紹介した生徒向けのハンドブックが発行されている。テストは、知識を問う多肢選択式の項目の他に、キーボード、ワープロ(編集)、データベース、表計算のスキルを問う実技テスト項目も含まれている。各学校は、これらのテストに向けての準備を、授業の中に取り入れる必要性に迫られている。

 一方の、K-12情報スキル教育課程は、1999年5月に改訂されたもので、従来の図書やメディア関連スキルの流れを組んでいる。目標スキルの領域として、情報の探索、利用、関連づけ、研究プロセス、発信の5つを掲げ、学年ごとの目標を示している。各学年で、多様な形態で提供される情報に触れ、多様なものの見方に接する機会が必要であることを強調し、読み書き視聴する力から、学習し決断し問題を解決するために情報を活用できる「研究遂行能力(情報リテラシー)」に発展させていく必要性を指摘している。

4)Learn NCの活動

 Learn NCは、州政府からの年間100万ドルの援助を得て、4年前にスタートした教員のためのネットワークサービスである。非営利の団体であるが、州政府の援助を受け、ノースキャロライナ大学チャペルヒル校に本部をおいているところから見ても、NPOというよりは、州政府の外郭団体という印象を受けた。

 Learn NCの活動では、教師向けのWebサイトを運営し、州政府公認の講習会(6時間分として認定されている)を開催している。Webサイトには、参加教員からの授業案などのアイディアが寄せられており、このデータベースを参照できることが利用を促している。活発な活動の様子は、Web(http://www.learnnc.org/)にて公開されている。

5)遠隔教育の実態

 学校の授業向けや教員研修向けに、各種の遠隔教育教材が準備され、活発に利用されている。教育テレビ番組は、UNCチャンネルの早朝4時から6時の時間帯を利用して、年間360時間分が配信されている(ビデオ利用を前提)。衛星では、スターネットとの提携により、第2外国語などの高校生向けプログラム1300人分(ひとり400ドル)が州政府の支出によって契約されているなど、5つの衛星プログラムが用意されている。NC州情報ハイウェーは147地点をカバーしており、ビデオ会議や遠隔講義などに使われている他、Web Academyなど高等学校向けの4つの遠隔授業プログラムと提携している。その他、研修用ビデオライブラリ、Webサイトを利用した研修教材など、教員研修用の素材も多く用意されている。

 とくに、デジタルデバイド対策としては、OWL(Online Windows of Learning)では、マルチメディア百科事典を購入し、すべての学校に無料公開しているとのことであった。

↑top

(2)シャーロットウェブの現状

 シャーロットウェブ(Charlotte Web)は、1993年に設立されて地域の情報化に貢献してきたNPOであったが、財政難などの理由で、1999年同市の新聞社にプロバイダ業務のみを引き継ぎ解散した。同団体は、1994年から2年間にわたり、連邦政府(通商省)からの補助を受け、地域の学校、短大などとの連携によるネットワークづくりに着手した。1996年には、NPOとして独立し、警察や刑務所、あるいは地域の各種団体からの依頼業務などにより資金を調達しながら、一方で貧困家庭へのネットワーク化を進めてきた。しかし、財政難が深刻になり、活動を継続できなくなったという。「理事会の役割は3つある。ポリシーを決めること、財政状況を監視すること、そして、基金を集めることだ。理事会が本来の機能を果たしていたら、まだシャーロットウェブの活動は続いていただろう。」と残念がっていた。

 元代表のスノウ氏は、現在、自営の地域ネットワークコンサルタントとして活動している。シャーロットに本部を置くコミュニティ・ネットワーキング協会(AFCN)を設立し、米国各地の地域ネットワーク促進団体のノウハウを共有する活動も展開している。テキサス州の遠隔地にある小さいコミュニティを無線リレーなどを活用してインターネットに接続するプロジェクトのコンサルタントとして仕事をしたり、あるいは、ヨーロッパのNPO(Eurescom;CCNs)に招かれたりしてこれまでの経験をもとに、情報格差解消への取り組みを展開している。

 シャーロットウェブでは、デジタルデバイド(情報格差)解消のために、貧困家庭へのネットワーク接続を推進していた。寄付を受けた中古パソコンなどを作動するように組み立て直し、必要な部品を揃えて無料で提供する活動を行った。地域住民のボランティアがその活動を支え、ノウハウを広げ、その結果として、ボランティア活動に参加したうちの少なくとも30人(あるいは50人)が、ネットワーク関連で身に付けた技能をいかして転職したという。また、中学校のクラブ活動と提携して協力した子どもも、人の役に立てることに喜びを見い出し、大きな活躍を見せた。この活動が、地域の貧困層ばかりではなく、ボランティア参加者のレベルアップにも大いに役立ったと総括している。

 この活動で最も重視したことのひとつに、利用者にネットワーク利用に必要なスキルを身につけさせることがあった。パソコンなどを無料配付する条件として、土曜日ごとの3時間の講習会を4回セットで無料提供し、配付されたパソコンを利用できるスキルを身に付けた参加者にのみ、機材を提供した。機材提供にあたっては、自宅の近隣家庭にも経験させる機会を与えることも条件とし、地域の拠点としての役割も期待した。2年半続いたこの講習会の参加者はおよそ150人であり、参加者の60%程度は継続的にネットワークを利用したという。

 合計12時間の講習会では、次の内容を提供していた。まず、クリック、ハードディスク、フロッピーディスクなどのパソコンの基本を説明し、秘密や不安を取り除くことを重点においた。(講習会終了後に自宅に持ち帰る)パソコンを分解・組み立て直す経験をさせ、単純なものであることを経験的に学ばせた。第2には、電子メールが打てるようになることを目標にしたタイピングの練習をさせた。この際、自慢の料理レシピを持ち寄ってそれを皆に紹介するといった課題を設定し、練習内容に意味を持たせる工夫をした。電子メールができると、行政に生活維持のための嘆願も可能になるなどの役立つ場面も紹介した。プリンタの使い方も、この段階で教えた。第3には、ホームページを見ることを教えた。生活に役立つ情報を紹介したり、芸能人のホームページなど身近な情報を知るために役立つことなどを強調した。検索機能もここで教えた。これらを経てから、シャーロットウェブのアカウントを発行し、その使い方を教えた。電話によるヘルプデスクの活用方法に熟達させるため、パソコンのトラブルを説明する練習も行った。

 スノウ氏は、インターネットが国際的ネットワークであると同時に、コミュニティの再生にも役立つメディアであることを強調していた。例えば、ピザ屋さんは、インターネットを使っても、遠隔地に自分が作ったピザを売ることはできない。自分が宅配できる範囲(2マイル圏内)に焦点を当てたインターネット利用という発想もあり得るのではないか、と語った。「やはり、地縁を基礎としたコミュニティの重要性は、インターネット時代にも変わらない。地域社会の中の孤立をなくす利用法法を考え続けていきたい」と力説する姿が印象的であった。

 (付記:スノウ氏との面会は、ノースキャロライナ州知事部局コネクトNC局長バーバラ・レビン女史の紹介で実現した。事前に予告はあったものの、当日訪問者からの突然の電話であったにもかかわらず、快く面会に応じていただき、昼食をともにし、郊外の公園にも案内いただいたことに感謝したい。レビン女史には、クリントン大統領がNC州を訪問する対応に追われる中で、訪問者からの電話での問い合わせに対してスノウ氏の連絡先を探していただき、ご迷惑をおかけした。)

↑top

(3)ニューハノーバ学区の実態

 ウイルミントン市を含むニューハノーバ学区には、23の小学校、6つの中学校、そして6つの高校がある。学区のテクノロジー部門は、30人で構成されており、授業への応用を促進するグループと電話回線やコピー機などの維持管理を担当する運営グループからなっている。台風が直撃した直後であったため、とくに危機管理チームを擁する運営グループは設備の復旧に忙しいとのことであった。

 IT研修は、1992年に開始され、1995年にはコンピュータ関連のテストが実施された。1994年から1996年にかけて、NC州のプロジェクトに先行する形で学区レベルで教員研修を義務付け、1996年にNC州のカリキュラムを採用、現在オンラインでテストが受けられるようなシステムを準備中とのことであった。メディア専門官を各学校に1人ずつ配置し、ワークショップを開催したり、教員とチームを組んでテクノロジー利用の促進にあたっている。学校の管理職レベルの研修も開始され、管理職は全員ラップトップパソコンを持ち、電子メールで諸連絡を取り合うようになった。

 教師用の参考資料として、「教師のためのテクノロジー生き残りガイド」がまとめられ、配付されている。100ページあまりからなるこの冊子には、ワークショップ提案書式、研修評価用紙、コンピュータ関連カリキュラムチェックリスト、各教科への情報教育の位置付け方、ネットワーク安全確保、利用規定、著作権、Webサイト評価表、貸し出し用教材一覧、教師による授業プラン、教育用URL集など多彩な実用的ノウハウが収められている。

 学校の情報教育は、州のカリキュラムに基づく形で実践されているようであった。とくに、中学校までは各教科に図書室利用、コンピュータ利用、研究スキルをクロスする形のプロジェクトが位置付けられており、複数の教員がチームを組んで指導する形がとられている。また、高校では、教科単位に独立した形で進められているとのことであった。取り組みの様子の一端は、毎年開催されるテクノロジーフェアーで一般に公開されている(ビデオによる紹介)。

↑top

(4)UNCWの取り組み

 ノースキャロライナ大学ウイルミントン校(UNCW)では、エドモンドソン教授(大学公開プログラムセンター長)による日程調整と、ヨーコ・カノウ女史(UNCW講師;日本語担当)による案内で、短時間に多くの取り組みを紹介いただいた。以下に、要点を述べる。

1)大学図書館の遠隔利用

 大学図書館では、コンピュータ端末が置かれ、蔵書目録と貸し出し状況の情報を提供するサービスを行っている。遠隔地の学習者にも、インターネットを経由して同様のサービスを行うほか、図書貸し出しの予約の便宜もはかっている。各講義では、指定図書・論文をリザーブする慣習があるが、これらの電子化を進めている。著作権処理などを図書館が一括して行うことで、資源の電子化を効率良く進めている。

2)グローバル・バーチャル大学プロジェクト

 これまで進めてきたバーチャル大学の活動の総括をエドモンドソン教授から伺い、関連施設を見学した。これまでの成果に大変満足している様子で、今後も継続・拡充していきたいとの意向であった。

3)WebU

 大学が提供する地域サービスの一環として、遠隔地からの生涯学習の受講を可能にするインターネット講座(WebU)を進めている。開始から1年半の間に、高校生から85歳の幅広い年齢層の受講者が月に20人程度利用するようになった。インターネット基礎、ソフトウェア利用方法などのコースは、カリフォルニア州の会社(EducationToGo.com)が開発したものをUNCWが運営して提供している。他に、各種の資格関連のコースの開発を予定している。これらの生涯学習の背景には、単なる「自己啓発」への欲求に基づくニーズの他に、100を超える専門職で免許を維持するために、毎年継続した研修が義務付けられているという事情があるとのことであった。

4)卓越教授センター(Center for Teaching Excellence)

 大学における授業の質向上を目的として設立された卓越教授センターでは、通常授業におけるインターネットの利用を促進するための活動を行っている。センター長の他に2人のスタッフを雇用し、学生アルバイトを活用しながら、シラバスの公開、参考資料のWeb化、電子メールによる課題提出、Web上でのディスカッションなどを活用することを援助している。1998年度は特定の科目を対象にしてその効果を検証し、1999年度は実用化へ向けての試験段階と位置付けた活動を展開していた。テクノロジー利用のためのワークショップを大学教員向けに開催したり、昼食時にディスカッションタイムを設けて施設を開放するなど、気軽に教員がセンターを利用でき、効果を上げられるよう、工夫がこらされていた。

5)生涯学習センター

 毎年40を超える大学公開講座を実施している生涯学習センターでは、教育工学室を設け、情報教育の基礎講座を提供している。マイクロソフト社のオフィス基礎、Windows98とワード、エクセルとアクセス、パソコン基礎とインターネットの4講座は、いずれも週2回ずつ、夜6:30から8:30の2時間で実施され、1ヶ月の受講料は60ドル(教材費別途)に設定されている。教材としては、市販の入門書を参考書として指定し、近くの本屋で購入させている他、講座の流れを紹介する簡単なハンドアウトを用意している。40人程度収容可能な部屋には、1人1台のパソコンが設置され、説明用にプロジェクタが準備されていた。

↑top

(5)訪問の成果と課題

 今回の訪問は、短期間で強行軍ではあったものの、多彩な訪問先が用意され、多くの貴重な情報を得ることができた。ウイルミントン以外では現地の案内人もなく、土地勘もない初めての地で無事に訪問先にたどり着けるかどうか不安であったが、様々な立場でいろいろな取り組みをしてきた方々に暖かく親切に対応していただき、直接お話をすることによって経験に基づくアドバイスも多く得ることができた。この機会を与えてくださったディジタル・コミュニティーズ推進協議会設立準備事務局に改めて感謝したい。

 多彩な取り組みを見聞した一方で、今回企画するNPOとの連携による地域の情報化という試みは、まったく新しいものであることを再認識した。それぞれの訪問先での事例からヒントを得ることはできても、「この通りにやれば良い」という模範例にできるものは見出せなかった。関係者との協議を密にしながら、教育システムの構築モデルも参照しつつ、慎重に進めていかなければならない。

 今回の訪問では、事例に直接触れることを第一義としたが、同時に、インターネット上に参照可能な事例が多くあることも学んだ。今後は、それらを手がかりにしながら、企画をたてる上でさらに多くの資料を参照していきたい。こちらの試みの主旨をお話したときに、「それは大変有意義な試みだ。ぜひ成果を知らせて欲しい。」との励ましもいただいた。今回の訪問で出会った人たちからは、何かあったら電子メールで遠慮なく問い合わせて欲しいとの言葉を頂戴した。今後もアドバイスをもらいながら、よりよい企画に仕上げていきたいと思う。


 

↑top

入手資料一覧

ローリー

ジェリー・ソロモン女史(教材評価サービス部門次長)

■ 教材評価サービス紹介リーフレット
■ OWL(オンライン学習機会)紹介
■ EvaluTech(教材評価コンソーシアム)紹介
■ InfoTech推薦教材一覧2000年1月号

カレン・クリーチ女史(NC州教育委員会派遣教員)

■ NC州教員テクノロジースキル標準表(基礎・上級)
■ 学校でのテクノロジー利用に関する提言(1996年3月)
■ Webサイト評価基準(1997年)
■ 教員研修用遠隔コース評価基準(1999年)
■ Classroom Connect(Web印刷物)
■ Teachers Connect(Web印刷物)
■ Virtual High School(Web印刷物)

マーサ・キャンベル女史(NC州教育委員会コンサルタント)

■ K-12情報スキル教育課程概要
■ K-12コンピュータ・テクノロジースキル教育課程概要
■ コンピュータスキルテストのためのハンドブック(生徒用)1998年4月発行

ゲリー・バッチェラー女史(NC州教育委員会通信スペシャリスト)

■ 1999-2000年版衛星通信教育促進者用マニュアル
■ NC州教育テレビ番組放映スケジュール(1999-2000年版)
■ NC州衛星利用高校一覧(1999-2000年版)
■ スターネットプログラム・コースガイド(テキサス州より送信)
■ SERC生徒登録用パンフレット(サウスキャロライナより送信)
■ 教室でテクノロジーを活用する(番組案内)
■ 統合教室でのテクノロジー利用(促進者用マニュアル)
■ 教育用ビデオカタログ1999年版(ユタ州にあるLPD社)
■ NC州における遠隔教育レポート(テキサス教育工学センター発行)1999年
■ 衛星とインターネット利用のプログラム一覧表
■ NC州情報ハイウェー概要
■ NC州新しいテクノロジー概要
■ NC州教育者に提供されているリソース一覧
■ スタッフ開発計画用リーフレット(1999-2000年版)
■ スターネット放送番組表(2000-2001年版)

Learn NC

■ Learn NCパンフレット
■ Learn NC機関紙(第1号、1999冬)
■ Learn NCWebサイトクイックレファレンス(2000年春)
■ Learn NCWebサイト発見ガイド(2000年春)

シャーロット:スチーブ・スノウ氏(シャーロットウェブ元代表)

■ AFCN入会申込用リーフレット
■ AFCN Review (機関誌)Vol 2, October 1999
■ Community Technology Review Summer-Fall 1999
■ Community Communication Networks紹介CD-ROM

ウイルミントン:ニューハノーバ学区

■ 2000-2001年度テクノロジーチーム達成目標シート
■ 生徒用評価シート
■ テクノロジーチーム結成シート
■ カリキュラムマトリックス(Web印刷物)
■ NC州要求教員テクノロジー技能(Web印刷物)
■ ニューハノーバ学区1999-2000プロジェクト (プレゼンテーションハンドアウト)
■ 教師のためのテクノロジー生き残りガイド
■ 2000年ニューハノーバ学区テクノロジーフェアー(VTR)

UNCW

■ Woody Suttonプレゼンテーションハンドアウト
■ 「非営利団体の運営」講座案内2000年春学期
■ 生涯学習プログラム案内1999年秋学期
■ 生涯学習プログラム案内2000年春学期
■ UNCW教育工学室開催講座用配付資料「Excel97入門」
■ UNCW教育工学室開催講座用配付資料「Word97入門」
■ UNCW教育工学室開催講座用配付資料「Windows98入門」


↑top

お礼状(電子メール)の写し

> Date: Tue, 2 May 2000 17:13:16 +0900

> To:Karen Creech<kcreech@dpi.state.nc.us>, Gerry Solomon<gsolomon@dpi.state.nc.us>, Martha Campbell <mcampbel@dpi.state.nc.us>, Duff Coburn<dcoburn@email.unc.edu>, Deborah Pederson <deborahp@ email.unc.edu>, Stephen Snow <shsnow@charweb.org>, Barbara Levine <blevine@gov.state.nc.us>, Vonnie Koonce <vkoonce@nhcs.k12.ne.us>, Sharon Kilpatrick <Sharon_Kilpatrick@nhcs.k12.ne.us>, Dawn Brinson <Dawn_Brinson@nhcs.k12.ne.us>, Lizette Day <Liz_Day@nhcs.k12.ne.us>, Patrice Turrisi <turrisip@ uncwil.edu>, Jim Edmundson <edmundsonj@uncwil.edu>, Sue Cody <codys@uncwil.edu>, Yoko Kano <kanoy@uncwil.edu>, Woody Sutton <suttonc@uncwil.edu>

> From: Katsuaki Suzuki <ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp>

> Subject: Digital Thanks Note
> Cc:
松波 <matunami@dcs.gr.jp>
>
> Dear those who took care of Prof. Suzuki during his trip,
>
> I have safely returned home, after the one week trip to North Carolina. It was a quick trip with rather intensive schedule, flying on different sizes of planes all around the State, but a very productive one. I have obtained so many valuable pieces of information from you, which I shall utilize in the project yet to come with DCs.

> I thank you very much that you spared your time with such a short notice, shared your experiences, and give me many materials. I will study them and the Web sites you directed very carefully, and should I have any questions, please allow me to drop a line to you.

> I hope to keep in touch with you and your organization. Looking forward to having an opportunity to see you again, at either end of the world.
>
> Sincerely yours,
> Katsuaki
> --
> Katsuaki Suzuki, Ph.D., Professor
> Faculty of Software and Information Science
> Iwate Prefectural University, 020-0193 JAPAN
> URL: http://www.iwate-pu.ac.jp/home/ksuzuki/