平成13年度 校内研修

◆総合的な学習をデザインする◆

2001.10.31.@秋田和洋女子高等学校

岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授
鈴木 克明face
E-mail: ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp
URL: http://et.soft.iwate-pu.ac.jp /


1.生きる力・総合的な学習の時間・情報教育と
   授業設計(デザイン)

2.授業デザイナーの道具箱
(1)教師とメディアの3つの関係:授業の日常の再点検
(2)学びのプロセスを助ける:ガニェの9教授事象
(3)授業・教材を魅力あるものにする:ケラーのARCSモデル
(4)教師と子どもにとってのマルチメディア:目的の整理

3.授業を設計(デザイン)する目的は何か

4.なんでもQ&A






1.生きる力・総合的な学習の時間・情報教育と
  授業設計(デザイン)

■生きる力とは何か?

これからの教育は[ゆとり]の中で[生きる力]を育成することを大切にします。これからの社会は、変化の激しい、先行き不透明な、厳しい時代と考えられます。そのような社会では、子供たちに[生きる力]をはぐくむことが必要です。

[生きる力]とは?
・自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力
・自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力
中央教育審議会では、これらの力を[生きる力]ととらえました。  


■総合的な学習の時間

「総合的な学習の時間」は、これまでとかく画一的といわれる学校の授業を変えて、

(1)地域や学校、子どもたちの実態に応じ、学校が創意工夫を生かして特色ある教育活動が行える時間

(2)国際理解、情報、環境、福祉・健康など従来の教科をまたがるような課題に関する学習を行える時間

として新しく設けられる。

 この時間では、子どもたちが各教科等の学習で得た個々の知識を結び付け、総合的に働かせることができるようにすることを目指し,知識を教え込む授業ではなく、 

(1)自ら学び、自ら考える力の育成

(2)学び方や調べ方を身に付けること

をねらいとした授業が展開されるという。教科書がなく,国が一律に内容を示していないこと,時間割上の位置づけも名称も独自に決めることができることなど,規制緩和の原則を強調している。

鈴木克明(2000d)「中学校での総合的な学習の時間を考える(1):情報教育と総合的な学習の時間」『放送教育』2000年4月号(第54巻4号)、 54-55



みんなが生き生き総合的な学習:インターネットで一工夫』:
 JAPETの刊行物一覧

■情報教育とは

■情報教育とは情報活用能力を育てること

情報活用能力の3本柱
 (1)情報活用の実践力
 (2)情報の科学的な理解
 (3)情報社会に参画する態度


情報教育=パソコンを使えるようにすること?
情報教育=ホームページで調べたり電子メールを使わせること?

そういう道具を使って情報教育をやってもいい。でも使わなければできない,ということではない。


ある大学生の弁:「今の子どもは情報教育が受けられるから幸せ。私ももう少し遅く生まれてくれば大学生になってからキーボードを初めて触ることにはならなかった。将来,パソコンやインターネットが得意な後輩に囲まれても困らないようにと,焦りを感じています。」

私:「情報とは暗記するものだ,とにかく頭に叩き込め。多く情報を覚えているものが勝つ。先生の言うことに間違いはないから信用して良い。」これが我々が受けてきた情報教育だ。

今の情報教育は違う(はずなのですが)。情報とは絶えず変化するもの。情報とは玉石混交で思惑含みだから用心して必要なものだけを取捨選択しなければならない。いらない情報は捨てろ。偏った情報を見抜け。自分からも積極的に発信せよ。子どもにはそう教えなさい。




2.授業デザイナーの道具箱

授業デザインの課題:何が問題か?

計画倒れの問題:なぜ失敗を次に生かせないのか?
授業形態の問題:教師がしゃべる授業以外に何ができるか?
勉強方法の問題:なぜ聞いただけでは身につかないのか?
学習意欲の問題:なぜやる気は長続きしないのか?
自己管理の問題:卒業までに何を教えるか?


(1)教師とメディアの3つの関係:授業の日常の再点検
(2)学びのプロセスを助ける:ガニェの9教授事象
(3)授業・教材を魅力あるものにする:ケラーのARCSモデル
(4)教師と子どもにとってのマルチメディア:目的の整理


3.何のための授業設計か?



4.なんでもQ&A