◆総合的な学習をデザインする◆ |
「総合的な学習の時間」は、これまでとかく画一的といわれる学校の授業を変えて、
(1)地域や学校、子どもたちの実態に応じ、学校が創意工夫を生かして特色ある教育活動が行える時間
(2)国際理解、情報、環境、福祉・健康など従来の教科をまたがるような課題に関する学習を行える時間
として新しく設けられる。
この時間では、子どもたちが各教科等の学習で得た個々の知識を結び付け、総合的に働かせることができるようにすることを目指し,知識を教え込む授業ではなく、
(1)自ら学び、自ら考える力の育成
(2)学び方や調べ方を身に付けること
をねらいとした授業が展開されるという。教科書がなく,国が一律に内容を示していないこと,時間割上の位置づけも名称も独自に決めることができることなど,規制緩和の原則を強調している。
鈴木克明(2000d)「中学校での総合的な学習の時間を考える(1):情報教育と総合的な学習の時間」『放送教育』2000年4月号(第54巻4号)、 54-55
■情報教育とは情報活用能力を育てること
情報活用能力の3本柱
(1)情報活用の実践力
(2)情報の科学的な理解
(3)情報社会に参画する態度
情報教育=パソコンを使えるようにすること?
情報教育=ホームページで調べたり電子メールを使わせること?
そういう道具を使って情報教育をやってもいい。でも使わなければできない,ということではない。
ある大学生の弁:「今の子どもは情報教育が受けられるから幸せ。私ももう少し遅く生まれてくれば大学生になってからキーボードを初めて触ることにはならなかった。将来,パソコンやインターネットが得意な後輩に囲まれても困らないようにと,焦りを感じています。」
私:「情報とは暗記するものだ,とにかく頭に叩き込め。多く情報を覚えているものが勝つ。先生の言うことに間違いはないから信用して良い。」これが我々が受けてきた情報教育だ。
今の情報教育は違う(はずなのですが)。情報とは絶えず変化するもの。情報とは玉石混交で思惑含みだから用心して必要なものだけを取捨選択しなければならない。いらない情報は捨てろ。偏った情報を見抜け。自分からも積極的に発信せよ。子どもにはそう教えなさい。
授業デザインの課題:何が問題か? |