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アウトライン
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熊本大学eラーニング連続セミナー第4回
 効果的なeラーニング実施のための道標:
インストラクショナル・デザイン
2005年7月15日17:00 - 19:00
@熊本大学工学部百周年記念館
  • 岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授 鈴木 克明
  • ksuzuki@iwate-pu.ac.jp
  • http://www.et.soft.iwate-pu.ac.jp/
  • 株式会社東京海上日動HRA 研究員 北村 士朗
    岩手県立大学大学院博士後期課程 根本 淳子
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「やってガッカリ、eラーニング」問題
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講演概要
  • インストラクショナルデザイン(ID)は、eラーニングの品質向上のための方法論として日本では近年になって注目を集めるようになったが、教育一般の効果・効率・魅力を高めるための研究領域として30年余りの伝統に支えられている。eラーニングを導入する場合にもしない場合にも、何を点検すれば「よりよい講義」への糸口が見つかるかについて、IDの視点から手ほどきする。
  •      IDがどれほどのものかは、この講義を受ければ分かります。
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講演概要
  • インストラクショナルデザイン(ID)は、eラーニングの品質向上のための方法論として日本では近年になって注目を集めるようになったが、教育一般の効果・効率・魅力を高めるための研究領域として30年余りの伝統に支えられている。eラーニングを導入する場合にもしない場合にも、何を点検すれば「よりよい講義」への糸口が見つかるかについて、IDの視点から手ほどきする。
  •      IDがどれほどのものかは、この講義を受ければ分かります。
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eラーニングファンダメンタル
詳説インストラクショナルデザイン
  • テキストの表紙を入れるか?
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これだけは知って帰りたいこと
(何を聞くために参加したのか)
  • レジメの[メモ]欄に書いてください
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これだけは知って帰りたいこと
(何を聞くために参加したのか)
  • グループワーク
  • コーディネート:北村士朗
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これだけは知って帰りたいこと
(何を聞くために参加したのか)
  • 受講生を脱落させない秘策は何か?
    • 提供側のフォローが必要
  • IDとは何か、そもそもの質問
    • ID使用前・使用後にどんな変化があったか
  • よくできましたの花○とIDはどっちが上か?
    • 教室に張られることの効果
    • 小さいときは傷つかないとねぇ。。。。
  • 鈴木はどんなやつか
    • 知ってどうするのか
  • IDは30年の歴史があるのにどうして盛り上がらなかったのか
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IDの巨匠インタビュー
放送大学大学院科目「人間情報科学とeラーニング(‘06)」
 2005年5月31日〜6月11日
  • M.デビッド メリル:CDT(画面構成理論)・ITTの提唱者。
  •                「ID第一原理」を提唱。
  • ドナルド カークパトリック:おなじみ評価の4レベルの提唱者。
  •                息子の方ではなく親父を取材。
  • C.M.ライゲルース:精緻化理論の提唱者。グリーンブック
  •                の編集者。3冊目の編集中とか。
  • J.M.ケラー:ARCS動機づけモデルの提唱者。今回は友
  •                人としてではなく巨匠として取材。
  • W.W.ウェイジャー:ICM(教材構造化技法)の提唱者。ヒゲ
  •                講師の博士論文審査主任教授。
  • R.A.リーサー:ID歴史学者(といえる事情通)。「IDTのトレ
  •                ンドと課題」の編者。
  • R.C.シャンク:ゴールベースシナリオ(GBS)理論の提唱者。
  •                AIからの転身組。
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第2巻に収録されているID理論一覧
  • 理解への多面的アプローチHoward E. Gardner
  • 理解のための教授と学習(TfU)David Perkins & Chris Unger
  • 開放的学習環境(OLE)Michael Hannafinら
  • SOIモデルRichard E. Mayer
  • GBS(Goal-Based Scenario)モデルRoger C. Schankら
  • STAR遺産モデルDaniel Schwarts, John D. Bransfordら
  • CLE(Constructivist Learning Environments)モデルDavid Jonassen
  • CPS (Collaborative Problem Solving)モデルLaurie M. Nelson
  • 学習コミュニティ形成論Allan Collinsら
  • SRL(教師のための自己制御学習設計論):協同的革新(Collaborative Innovation)モデルLyn Corno & Judi Randi
  • 学習障害者支援設計(HOTS)Stanley Pogrow
  • ランダ方式(Landamatics)Lev N. Landa
  • 統合的テーマ学習Susan J. Kovalikら
  • 教授トランザクション理論(ITT)M. David Merrill
  • 精緻化理論(Elaboration Theory)Charles. M. Reigeluth
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IDの巨匠インタビュー
放送大学大学院科目「人間情報科学とeラーニング(‘06)」
 2005年5月31日〜6月11日
  • M.デビッド メリル:CDT(画面構成理論)・ITTの提唱者。
  •                「ID第一原理」を提唱。
  • ドナルド カークパトリック:おなじみ評価の4レベルの提唱者。
  •                息子の方ではなく親父を取材。
  • C.M.ライゲルース:精緻化理論の提唱者。グリーンブック
  •                の編集者。3冊目の編集中とか。
  • J.M.ケラー:ARCS動機づけモデルの提唱者。今回は友
  •                人としてではなく巨匠として取材。
  • W.W.ウェイジャー:ICM(教材構造化技法)の提唱者。ヒゲ
  •                講師の博士論文審査主任教授。
  • R.A.リーサー:ID歴史学者(といえる事情通)。「IDTのトレ
  •                ンドと課題」の編者。
  • R.C.シャンク:ゴールベースシナリオ(GBS)理論の提唱者。
  •                AIからの転身組。
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M.D.メリルのワークショップ
  • 参加報告:根本淳子
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M.D.メリルの
ID第一原理
(5つ星の条件)
  • 1)課題(Task):
    • 現実に起こりそうな課題に挑戦する
  • 2)活性化(Activation):
    • すでに知っている知識を動員する
  • 3)例示(Demonstration):
    • 例示がある(Tell meでなくShow me)
  • 4)応用(Application):
    • 応用するチャンスがある(Let me)
  • 5)統合(Integration):
    • 現場で活用し、振り返るチャンスがある
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1)課題(Task-centered):
現実に起こりそうな問題に挑戦する
  • 現実世界で起こりそうな問題解決に学習者を引き込め
  • 研修コース・モジュールを修了するとどのような問題が解決できるようになるのか、どのような業務ができるようになるのかを示せ
  • 単に操作手順や方法論のレベルよりも深いレベルに学習者を誘え
  • 解決すべき問題を徐々に難しくして何度もチャレンジさせ、問題同士で何が違うのかを明らかに示せ
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2)活性化(Activation):
すでに知っている知識を動員する
  • 学習者の過去の関連する経験を思い起こさせよ
  • 新しく学ぶ知識の基礎になりそうな過去の経験から得た知識を思い出させ、関連づけ、記述させ、応用させるように仕向けよ
  • 新しく学ぶ知識の基礎になるような関連する経験を学習者に与えよ
  • 学習者がすでに知っている知識やスキルを使う機会を与えよ
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3)例示(Demonstration):
例示がある(Tell meでなくShow me)
  • 新しく学ぶことを単に情報として「伝える」のではなく「例示」せよ
  • 学習目的に合致した例示方法を採用せよ
    • (a)概念学習には例になるものと例ではないものを対比させて
    • (b) 手順の学習には「やってみせる」ことを
    • (c) プロセスの学習には可視化を, そして
    • (e) 行動の学習にはモデルを示せ
  • 次のいくつかを含む適切なガイダンス(指針)を学習者に与えよ
    • (a) 関係する情報に学習者を導く
    • (b) 例示には複数の事例・提示方法を用いる
    • (c) 複数の例示を比較して相違点を明らかにする
  • メディアに教授上の意味を持たせて適切に活用せよ
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4)応用(Application):
応用するチャンスがある(Let me)
  • 新しく学んだ知識やスキルを使うような問題解決を学習者にさせよ
  • 応用(練習)と事後テストをあらかじめ記述された(あるいは暗示された)学習目標と合致させよ
    • (a) 「〜についての情報」の練習には、情報の再生(記述式)か再認(選択式)
    • (b) 「〜の部分」の練習には、その部分を指し示す・名前を言わせる・説明させること
    • (c) 「〜の一種」の練習には、その種類の新しい事例を選ばせること
    • (d) 「〜のやり方」の練習には、手順を実演させること
    • (e) 「何が起きたか」の練習には、与えられた条件で何が起きるかを予測させるか、予測できなかった結末の原因は何だったかを発見させること
  • 学習者の問題解決を導くために、誤りを発見して修正したり、徐々に援助の手を少なくしていくことを含めて、適切なフィードバックとコーチングを実施せよ
  • 学習者に異なる問題を連続的に解くことを要求せよ
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5)統合(Integration):
現場で活用し、振り返るチャンスがある
  • 学習者が新しい知識やスキルを日常生活の中に統合(転移)することを奨励せよ
  • 学習者が新しい知識やスキルをみんなの前でデモンストレーションする機会を与えよ
  • 学習者が新しい知識やスキルについて振り返り、話し合い、肩を持つように仕向けよ
  • 学習者が新しい知識やスキルの使い方について自分なりのアイディアを考え、探索し、創出するように仕向けよ
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どう思う、北村さん?
  • IDの第1原理(5つ星)
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課題中心の教授方略
(M.D.メリル)
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多くのe-Learning教材は,
画面上に本を再現したものに過ぎない
  • 学習心理学者として,マルチメディア学習についての多くの実証的研究を重ねてきたMayer (2001)は,次に示す7つの設計原理に研究成果をまとめている.7つの設計原理の応用方法を豊富な事例と「探すべき特徴」のリストで解説した近著「e-Learningと教授科学」(Clark & Mayer 2003)では,今日e-Learningと呼ばれるものの多くは30年前からあるCBT(Computer-based Training)と同じであり,多くのe-Learning教材は,画面上に本を再現したものに過ぎないと酷評している.
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マルチメディア教材設計7原理
(R.Mayerによる)
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Can e-Learning be fun?
It better be or it won‘t be around long.
eラーニングって楽しくなるの?
そうしないとね、
さもないと先は長くないよ
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まずいeラーニング教材の5パターン
(Roger C. Schank)
  • 文章を読む→Enterで次のページに進む。
  • 文章を読む→選択式問題に答える→得点が表示される。
  • 質問を読む→回答を入れる→フィードバックを読む→次の質問に進む。
  • 長い長い文章を読む→最後の最後に質問に答える。
  • 開始早々にテストを受ける→得点とフィードバックを得る。
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IDの巨匠インタビュー
放送大学大学院科目「人間情報科学とeラーニング(‘06)」
 2005年5月31日〜6月11日
  • M.デビッド メリル:CDT(画面構成理論)・ITTの提唱者。
  •                「ID第一原理」を提唱。
  • ドナルド カークパトリック:おなじみ評価の4レベルの提唱者。
  •                息子の方ではなく親父を取材。
  • C.M.ライゲルース:精緻化理論の提唱者。グリーンブック
  •                の編集者。3冊目の編集中とか。
  • J.M.ケラー:ARCS動機づけモデルの提唱者。今回は友
  •                人としてではなく巨匠として取材。
  • W.W.ウェイジャー:ICM(教材構造化技法)の提唱者。ヒゲ
  •                講師の博士論文審査主任教授。
  • R.A.リーサー:ID歴史学者(といえる事情通)。「IDTのトレ
  •                ンドと課題」の編者。
  • R.C.シャンク:ゴールベースシナリオ(GBS)理論の提唱者。
  •                AIからの転身組。
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IDの巨匠インタビュー
放送大学大学院科目「人間情報科学とeラーニング(‘06)」
 2005年5月31日〜6月11日
  • M.デビッド メリル:CDT(画面構成理論)・ITTの提唱者。
  •                「ID第一原理」を提唱。
  • ドナルド カークパトリック:おなじみ評価の4レベルの提唱者。
  •                息子の方ではなく親父を取材。
  • C.M.ライゲルース:精緻化理論の提唱者。グリーンブック
  •                の編集者。3冊目の編集中とか。
  • J.M.ケラー:ARCS動機づけモデルの提唱者。今回は友
  •                人としてではなく巨匠として取材。
  • W.W.ウェイジャー:ICM(教材構造化技法)の提唱者。ヒゲ
  •                講師の博士論文審査主任教授。
  • R.A.リーサー:ID歴史学者(といえる事情通)。「IDTのトレ
  •                ンドと課題」の編者。
  • R.C.シャンク:ゴールベースシナリオ(GBS)理論の提唱者。
  •                AIからの転身組。
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ゴールベースシナリオ(GBS)
に基づいた教材ってどんな感じ?
  • 報告者:根本淳子
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eラーニングを退屈にするためには、
  • □ 画面上で多量の文章を読ませよ
  • □ 会社の上層部による長いスピーチを挿入せよ
  • □ かわいいアニメーションを学習活動の導入とせよ
  • □ 多肢選択式の回答を用意して質問せよ
  • □ 回答が間違っていると告げよ
  • □ ゲームをやらせよ
  • □ ゲームで何点取ったかを告げよ
  • □ 現実的でないシミュレーションをつくれ
  • □ 受講者の人生に何の関係もないシミュレーションをつくれ
  • □ 何の感情も駆り立てないシナリオにせよ
  • □ 受講者にスキルを練習させることを忘れよ
  • □ 受講者が何も向上することがないようにせよ
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eラーニングを楽しく(FUN)させるためには、
  • □ 文章ではなく視覚的な手段で状況を描写せよ
  • □ 受講者がミスを犯したときにジャストインタイムにエキスパートからのストーリーを用いよ
  • □ 受講者が没入できるようなストーリーの一部としてアニメーションを用いよ
  • □ 受講者に学習活動の選択肢を与えよ
  • □ まずい選択をした場合には、受講者にわかりやすい「まずい結末」に導け
  • □ 受講者が職務上に実行する事柄を練習させよ
  • □ 研修での成功を、実務での成功と同じに定義せよ
  • □ 受講者自身が遭遇するだろうと認識できるような職務に類似したシナリオだけを用いよ
  • □ シナリオは「ありえる」と思えるもので、失敗することは良くないと感じられるようにせよ
  • □ 研修の成果が職務上で実感できるように可視化せよ
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どう思う、北村さん?
  • GBS
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事例ベース推論モデル
GBS理論の基盤となる学習モデル
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何に使えそうか、何をもっと知りたいか(質問のためのメモ)
  • レジメの[メモ]欄に書いてください
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何に使えそうか、何をもっと知りたいか(質問のためのメモ)
すっきりともやもやを書く
  • グループワーク
  • コーディネート:北村士朗
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質疑応答のお時間
  • すっきりしたこと:
    • 5つ星は授業でも使える
    • GBSがどういうものかは良く分かった
    • ありません
    • GBSは使えそう
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質疑応答のお時間
  • もやもやが残ったこと
    • 分野によって、レベル、フェーズによって通用しない?
      • 法科大学院、英語:遊んでいては仕方ない
    • 学習目標を隠すのは教育的か?
    • 自分の教材にどう適用させるのか?
      • 情報系の科目:DB,言語系、ネットワーク
    • 時間とコストがかかりそう、誰が作る・誰が作れる?
      • 日米人材バランス差、日本での実現可能性は?
    • IDの本質をひと言で言うと、魚釣りの撒き餌?
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「やってガッカリ、eラーニング」問題
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講演概要
  • インストラクショナルデザイン(ID)は、eラーニングの品質向上のための方法論として日本では近年になって注目を集めるようになったが、教育一般の効果・効率・魅力を高めるための研究領域として30年余りの伝統に支えられている。eラーニングを導入する場合にもしない場合にも、何を点検すれば「よりよい講義」への糸口が見つかるかについて、IDの視点から手ほどきする。
  •      IDがどれほどのものかは、この講義を受ければ分かります。