『現代学校教育大事典』ぎょうせい、分担執筆(項目:活字媒体(メディア)) 脱稿:2001.8.19.

■活字媒体(メディア)

 文字などが紙に印刷されたものを指す。本や雑誌などの出版と新聞がその代表で, 教科書や地図帳,問題集なども活字媒体の一つである。活字媒体は,金属の鋳型に流 し込んだ活字を組んでプレスし,油性インクで紙に印刷する活版印刷術(グーテンベ ルク,1456年)を発端に進化した。以来,人間の思考や世の中の出来事を広く伝達し ,長く蓄積する媒体として用いられてきた。日本では,19 72年に「活字ばなれ」が 指摘され,子どもの読書量の減少が問題視されてきた。

 CD-ROM版の『広辞苑』が1986年に,また,百科事典が1997年に登場して話題を集め た。CD-ROMに代表されるパッケージ系の電子出版は,省スペース性や検索可能性など の長所がある。活字を使わない印刷行程の電子化に加えて,紙を使わない出版物の将 来が展望され,活字メディアへの影響が論議されている。          <鈴 木克明>