『現代学校教育大事典』ぎょうせい、分担執筆(項目:コンセプトフィルム) 脱稿:2001.8.19.

■コンセプトフィルム

 一つの概念(コンセプト)についての学習内容を、動きをともなう映像によって提 示する教材および専用映写機のこと。8ミリフィルムの先端と末端を接合してループ 状にし、数分程度の短い内容を繰り返し映写した。1960年代にアメリカで専用映写機 が発売されて商品名となって以来、8ミリでエンドレス方式の短尺映画の一般名称と なった。1970年代には、日本で1,000本以上の教材が市販され体育の実技指導などに 使われていた。

 小型で軽量な専用映写機を用い、操作も簡便なカートリッジ方式のため、一斉視聴 よりも、学習のめあてに即した画像資料を一人ひとりの子どもの求めに応じてその場 で提示する活用方法が模索され、効果をあげた。コンセプトフィルムそのものは歴史 上の存在となった現在でも、デジタル化にともなって、他の視聴覚機器をコンセプト フィルム的に用いる可能性が増えている。 <鈴木克明>