信じてはいけない「おとぎ話」(6) (公開用サンプル)


件名: 信じてはいけない「おとぎ話」(6)
作成者:教授システム学 アシスタント

e-learningは教育コスト削減のための手段である。


件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:C さん

私が所属する企業では、「e-learning=教育コスト削減の手段」 というおとぎ話が信じられているように感じます。

「eラーニングなら低価格でお客様へ提供できるから…」
「eラーニングだから低コストでベンダーさんから導入できるよね…」
といった会話がかわされていたからです。

その会話でさしているeラーニングの質は、紙芝居レベルから キチンと作られていると感じるレベルまでまちまちですが、 とにもかくにも、「eラーニングは、学習目標・品質などにかかわらず、 集合研修よりかなり安価」 という意識が定着していることがうかがえます。

しかし、少し考えてみると、私が講師をつとめる集合研修 をeラーニング化しようとすれば、 イニシャルコストもランニングコストも相当高額ものになると思います。

やはり、「e-learningは教育コスト削減のための手段である。」は おとぎ話であろうと考えます。


件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:D さん

C様
こんにちは、Dです。メッセージを拝読いたしました。
「e-learning=教育コスト削減の手段」というのはいろいろな所で 信じられている「おとぎ話」(神話かも?)と感じました。
イニシャルコストやラーニングコストは忘れられがちなんですね。
eラーニングを推進する側は痛し痒しですね。

現時点でeラーニングが飛躍的な教育コスト削減に繋がらないとしても、今後は導入コストや管理費の低下、教材作成ツールの普及などもみられるのではないのでしょうか。


件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者: Cさん

Dさん、こんにちは。Cでございます。
メッセージ、ありがとうございます。

eラーニングはあまり詳しくないのですが、 たとえば細かい単元に分かれたコンテンツ(モジュール)をイージーオーダー感覚で 学習者が組み合わせていき、学習者の知識などにそったeラーニングがつくれる等、 集合研修ではできないことが多々あるのではないかと思います。

コストでの貢献も重要ですが、eラーニングゆえのメリット・貢献が もっと注視されても良いのに、と思いました。


件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:K さん

Cさん、こんにちは。

興味深く読ませていただきました。

なるほど、対人だからこそ得られるカタルシスをeラーニングのような形で提供するとは、よほど作りこまれたコンテンツが必要なのは、何となく想像できます。

1人1日講師をしてもらい、〇万円。
一度、「紙芝居であっても」eラーニングを作るコスト〇万円。
年に舞▽回すると考えれば、安い投資だ、と考える人もいるのかもしれませんね。

当然、集合研修と同じレベルのeラーニング提供は求められていないからこその発想になりそう。。
ということは、eラーニングは「そんなもの(質は落ちるが低コスト」で、という期待値しか寄せられていなくて、さらに、「質が落ちてもトレーニングした事実重視」と考える経営者が多いとしたら、ちょっぴり悲しくなりますね。




件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:C さん

Kさん、こんにちは。

>eラーニングは「そんなもの(質は落ちるが低コスト」で、という期待値しか寄せられていなくて

そうそう、そうなんです!
「eラーニングはそんなもの(質は落ちるが低コストでいい)」という意識が eラーニングを語る方の言葉の裏に感じられることがありますよね。

ところが、そんな気持ちでeラーニングに相対してはいけない、と 思わせられた話があります。

ひきこもりで人と対面するのをとても嫌がる方がいらしたのですが、 少しずつ「人にキチンと対面できるようにならなくては」と思うように なったのだそうです。
でも、突然人の中に入ってもどうしたらいいかわからない…と困り、 結局、対人関係をテーマとしたeラーニングを受講されたのだそうです。

その方が、そのeラーニングが設定していた対象者層であったかどうかは別として、 「eラーニング=安かろう悪かろうでいいや」というのは提供側視点の話しであり、 実際に受講する学習者にとってはとんでもない話です。
受講者の中には真剣この上ない人もいます。
そしてeラーニングだから選ぶ人がいるのです。

キチンと作るか、看板に「安かろう悪かろう気味です」と明示すればいいのに…
というのは冗談としても、上記のエピソードを忘れないようにしなくては、


件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:H さん

「少子化で学生確保が難しいため、eラーニングを使って新しい入学者層を発掘したい」
という話をよく聞きます。eラーニングなら、コストをかけずに新しい学生を確保できると 考えているようです。


ただ、今はおとぎ話でも、いつか「むかしはおとぎ話だった」と言える日が来て欲しいと 思います。

「ゆとり教育の反省から、新しい学習指導要領では理科の授業時数を増やして実験が 増えたが、公立学校は予算がなくて器具が買えない」というニュースがありました。 企業内教育だけでなく、初等中等教育にもeラーニングを導入することを考えるとコスト 削減は必須です。
複数の学校で共同利用できるような仕組みがあれば、実験器具が購入できないような 学校でも、eラーニングを活用することができるかも知れません。

コンピュータアレルギーの教師がいたとしても、「コスト削減のための手段」ではなく、 「コストをかけない教育を可能にする手段」と認知されれば、公立学校でも eラーニングが普及するのではないでしょうか。



件名: Re:信じてはいけない「おとぎ話」
作成者:M さん

社内eラーニング事例を例にとって分析すると、教育コスト削減のための手段と信じられるにいたるには特に下記判断が考えられる。

1. eラーニングによる社内研修に参加させるための時間の短縮(交通にかかる時間や経費などの縮小)
2. eラーニングは再利用が可能であり、長期にわたって活用できる(コストリカバリーにすぐれている)。
3. 大規模化が可能である。

eラーニングへの初期投資額総計と非eラーニングによる教育にかかる費用との比較が十分に検討された上で、eラーニングが導入されるならば、eラーニングは教育コスト削減のための手段となりえると、非常に大きな期待がされていると感じる。