ARCSモデルを用いた分析:情報セキュリティ(JST:Webラーニングプラザ」) (公開用サンプル)


件名:ARCSモデルを用いた分析:情報セキュリティ(JST:Webラーニングプラザ」)
作成者:Jさん


「課題」ケラーのARCSモデルに基づいて、「第2回」で取り上げたeラーニング事例を分析 以下のeラーニングコンテンツについて分析します.

情報セキュリティ(JST:Webラーニングプラザ」)
http://weblearningplaza.jst.go.jp/

コースの概要:セキュリティ対策の方法とセキュリティ対策の基本技術を理解させるため,以下の7項目で
構成.また,態度面において,ユーザとして情報セキュリティに配慮した行動ができるように具体的な対策
方法やFAQを掲載
 ・セキュリティへの脅威と対策の概要
 ・ウイルスとその対策
 ・不正アクセスとその対策
 ・暗号とディジタル署名
 ・インターネットのセキュリティ技術
 ・セキュリティマネジメント
 ・セキュリティをめぐる社会と文化

【ケラーのARCSモデルとの関連】
※図表10-4 ARCSモデルに基いたWBT教材の工夫をもとに分析

(1)タイトル画面
はじめにと題し,学習目標などは提示(R-1)されているが,無機質な画面であり,注意の喚起について
配慮されていない.

(2)導入画面
学習目標(R-1)および,簡単な目次が提示されており,コースの全体像が掴める(C-1)ようになっている.
これらは,関連性,自信に着目した動機付け設計である.
(3)メニュー構造
メニューから選んで好きな部分から学習する事が出来る.(C-3)

(4)教材の提示と学習ガイダンス
アニメーションを利用して,じょじょに提示する(A-2)ように工夫はされているが,教材の提示には特に
変化がみられず単調である.ナレーションによる解説はテキストでも確認することが出来るようになっている.

(5)演習とフィードバック

決まった問題が,最後にまとめて出題される形式である.
フィードバックは得られるが,「正解です」「不正解です」との提示と簡単な説明が表示されるだけであり,
正解時に学習意欲をそそるようなほめ言葉などは提示されない.

(6)評価と終結
自己診断テストという演習問題が用意されているが,評価についてはなにも記述がない.

【改善案】
 演習問題を各教材の直後に配置し(C-2)(S-1)正解した場合はほめ言葉などを用いて(S-2)学習意欲を喚起するべきでろう.
また,最後にテストを用意し,合格基準を示し,また簡単なランキングなどを表示するとよいと考える.(S-3)


件名: Re:ARCSモデルを用いた分析:情報セキュリティ(JST:Webラーニングプラザ」)
作成者: Fさん

Jさん

 興味深く拝読させていただきました。というのも、セキュリティ研修を
まさに私が行っておりますので。

 さて、コースの概要に、「セキュリティマネジメント」というのがあります
この観点は非常に各社各様のものになってくるのものではないかと
思ってます。つまり絶対の正解が存在しないものではないでしょうか。

「改善点」で「簡単なランキングなどを表示するとよいと考える」とあります
が、自社のマネジメントがどうなんているのか、またはどうあるべきか
など、受講者がオープンに語れ、それを互いにコメントし合うことができ
ると、一層の「S-3」が強化できるのかと思いました。

まさに、この掲示板で双方にコメントし合うように!


件名: Re:ARCSモデルを用いた分析:情報セキュリティ(JST:Webラーニングプラザ」)
作成者: Kさん

Jさんおはようございます。

>教材の提示には特に変化がみられず単調である

確かに、「次を見たい」と思うような教材の提示工夫があると「次に進む」動機になるなと、Jさんの分析を読ませていただき、思いました。

私は技術ドキュメント作成という仕事柄、1つのドキュメントの中であまり驚きや発見を好まないスタイルに則ってライティングをしておりますので、知らず知らず、単調なものを書く傾向にあるな、と反省しています。

変化をつけすぎて、学び手が"今私どこ?"と混乱するのも困り者ですが、うまい具合に次へと続く動機となるような工夫を考えてみるのも面白いな、と思います。

>正解時に学習意欲をそそるようなほめ言葉などは提示されない.

やはり、「褒められる」は万能の薬ですね。
対面授業ですと、私のクラスにいらっしゃる生徒さんは大抵年上の上司なのもあり、「私みたいな小娘に変に褒められても気分悪いよなー」とか思ったりして、「すごいです」と言うことを表現するのにも結構気を使いますが。

eラーニングだとそういう「しがらみ」なく、良いことは良い!といえてしまいますね。これは、eラーニングで独学だと「動機継続が難しい」と思われがちなeラーニングの持つデメリットに対して、eラーニングだからこその「褒めまくれる」利点でカバーできるのかもと思い始めました。