件名:研修会社の悲哀?!(M)
作成者:Mさん
こんばんは、Mです。
地道にコツコツやってきた夏休みの宿題も佳境?!となってきました。
もう少し、がんばります!
教育工学の考え方について、当社の現状や自分の経験から生かされていないと思われる
シチュエーションを明記してみます。なかなか研修会社も悩み多き組織体です・・・
1.教育現象をシステムとして捉える~システム的思考
当社のIT技術分野の教育においてシステム的思考が生かされないケースがある。
ある分野の教育体系を修了した結果として、受講生が「どういう人に
なっているはずである」という人材像の設計が抜け落ちることが多い。
これはそもそも、ある技術を教えることイコール技術の言語情報の伝達のみであると
教育者側が勘違いしてしまうことに端を発する。
IT技術を教えるという点では、ある仕事をできるようにさせるという視点が重要であり
資格受験のように、問題を解くための知識だけ与えても意味がないのである。
2.慣習にとらわれた思考を排除する~柔軟な思考
当社では「慣習」はかなり高いハードルである。
特に、コンピュータシステムの慣習はかなり幅を効かせている。
「うちのWebシステムだと、○○といった日程は提示はできないよ」
「うちの受講管理システムだと、△△のシラバスは表示できないよ」
うーん。いっそ、手作業でやっちまうか、自分でやるか・・・と
思わせられるほどである。
コンピュータ研修会社が、大規模な古い研修管理システムのせいで、
新しい研修を提供できない・・・というのは、何とも情けないシチュエーションである。
規模と柔軟性の両立というのは実は難しいと感じる日々である。
3.研究の「現実離れ」を防ぐ~問題解決志向
私が本学で学習し研究した結果が、現場にフィードバックされるか否かが
実は一番のキーかもしれない。
今はインプットで正直精一杯で、発信に至っていないのではあるが・・・
4.名人芸の秘密を万人に共有する~一般化への志向
講義というものを一般化するのは難しいというのが当社の多くの従業員の認識であり、
私も以前はそう思っていた。講義はライブであり、同じモノは二度とできないという
固定観念から生まれているのだろうと考えていたと顧みる。
また、ドキュメント化は大変であり、また、作っても読まれないだろうとも考えている。
とはいえ、今改めて考えてみると、一般化する対象を何にするのか、
どこまでにするのか、ということを考慮した上で、一般化するのは可能と思われる。
また、一般化のための選択メディアとしてVTRやeラーニングを
適用するというのも良い取り組みだと思う。
生の講義であっても、骨格と肉付けをうまくばらすことができれば、
一般化のための手がかりが得られるものと、
半年の成果として考えられるようになってきている。
5.データを持って理論化する~実証的、帰納的思考
研修会社であれば、カークパトリックの四段階評価の2段階くらいまでは、
講習会の場で実現したいものだが、残念ながら1段階止まりである。
受講生の「テスト」という響きを嫌う傾向から、いつのまにか事前はもとより
事後テストを行わなくなってしまった。
はて、これで、教育内容の善し悪しをどのように判断するというのか・・・
受講生の満足度を履き違え、数値をとらない理由を作ってしまった例といえる。
1段階の満足度評価だけでは、正しい改善にならないというのも、
前期の学習を通して、今となっては良くわかる。
以上です。鈴木先生(1995)の資料の
「どんなに真似してもすっかり同じ授業にはならないので心配はいらない」
「データを集めない理由にはならない」「調べる努力を怠る理由にはならない」
というメッセージはストレートで、心に響きました。
件名: Re:研修会社の悲哀?!(M)
作成者: Aさん
Mさん
こんにちは。Aです。
>>IT技術を教えるという点では、ある仕事をできるようにさせるという視点が重要であり資格受験のように、問題を解くための知識だけ与えても意味がないのである。
おっしゃるとおりだと思います。知識だけを詰め込んだ頭でっかちでは、仕事(実践)には通用しないということは言えますね。
知識には、(仕事などの)経験を通して獲得する場合と、本を読んだり講義を聞いたりといった勉強を通して獲得する場合があると思いますが、前者の方が使える(役立つ)知識といえるかもしれません。
社員が仕事(実践)で使える知識や現場対応力を身に付けるために教育工学ができることは? というのも興味がありますね。
件名:Re:研修会社の悲哀?!(M)
作成者: Nさん
Mさん
こんにちは、Nです。
夏休み、今日で終わりですね。私はまだあわただしくこの基盤的教育論に追われています。
>コンピュータ研修会社が、大規模な古い研修管理システムのせいで、新しい研修を
>提供できない・・・というのは、何とも情けないシチュエーションである。
>規模と柔軟性の両立というのは実は難しいと感じる日々である。
“柔軟”過ぎても、システムを提供している側、また時には利用する側にも問題が
生じてくる可能性があります。
もしも、これが個人によってシステム内容を微調整し、その後提供するといった形態の場合だと、
最適なのかもしれません。(これはこれで柔軟だと思いますが。)
しかし、そうなるとコスト面にも問題が発生してきますが、何よりも大多数向けのシステムを
提供することができなくなるといった問題が生じます。
どこまで“柔軟性”を求めるのかが難しい点ですね。
件名:Re:研修会社の悲哀?!(M)
作成者:Bさん
Bです。
<研修会社であれば、カークパトリックの四段階評価の2段階くらいまでは、 講習会の場で実現したいものだが、残念ながら1段階止まりである。>
<1段階の満足度評価だけでは、正しい改善にならないというのも、
前期の学習を通して、今となっては良くわかる。>
まことに同感です。しかし、あらためて見るとアンケートの類はほとんどが1段階目の評価で終わっていて、「好評だった」イコールやった価値があったと結論づけられていることが多く、これで会社は納得しているのかな?と不思議に思います。
実行者側としては利点を上げたい。受講者の感想がよいほうが受けがよくていいからこうなっている。
受け手側がアンケートを作成すると少しは違ってくるのかもしれません。
自分自身、学生教育のアンケートがカークパトリックのレベルIの評価に終わってしまっているので、今後改善したいです。