国際協力事業団(JICA)トルコ保健省母子健康・家族計画総局コミュニケーションセンター
・個別専門家派遣事業専門家(カリキュラム開発B0044062)総合報告書1/4


総合報告書(1)
IEC関連ワークショップの実施


1. プレゼンテーションワークショップ(アンカラ、ブルサ)


 ワークショップへの導入として実施。専門家の自己紹介とワークショップ参加者の概要を知り合うことと、IECの基本コンセプト「システム的アプローチ」を紹介することを目的に、プレゼンテーションの企画・相互評価・改善をした。専門家の自己紹介(パワーポイントを使用)の後、参加者のこれまでの業績、現在の業務分担、および将来への構想について16項目の質問を提示し、各自がそれぞれプレゼンテーションを準備した。発表では相互評価と自己評価用のチェック用紙を用いた形成的評価を実施し、改善の後、第2回の発表を行った。

 このワークショップの主たる成果としては、専門家がセンターのスタッフ個々の現状(職務状況やプレゼンテーションに関する技能など)を把握できたこと、スタッフ相互の関係を観察できたことに加え、評価の観点をあらかじめ明らかにして改善しながらよりよいものをつくっていく過程をスタッフに体験させられたことが挙げられる(シワスでは、このワークショップは実施しなかったが、下記の「研修プログラム改善ワークショップ」でこの成果が得られた)。

 ※このワークショップに関する資料を、添付資料2に掲載する。


2. Web開発ワークショップ(アンカラ、シワス)

 Web開発への導入としてマルチメディアに関する基礎事項を講義。メディアの変遷(デジタル化・ネットワーク化)の中で、新しいコミュニケーション・ツールとしてWebを位置づけ、Webが今後ますます重要な意味を持ってくることを強調し、Web開発への動機づけとした。Web開発ワークショップでは、発信可能な情報をリスト・整理し、Web開発のコンセプトを明確にし、全体構成を形作っていった。

 アンカラでは、その後、作業を参加者が分担し、Web作成ソフトウェア(Page Mill)を用いて開発作業を行った。シワスでは、独自に作成中のWebの構成を洗い出し、全体構成の整理と付加できる情報の提言を行った。

 ※このワークショップに関する資料を、添付資料3に掲載する。


3. 教材開発モデル応用ワークショップ(ブルサ、シワス)

 教材開発(ISD)モデルとして、John M. KellerのARCS動機づけモデルとRobert M. Gagneの9教授事象について講義した。講義にはWeb形式のプレゼンテーション資料を用い、Web形式の資料が講義にも使えることを示した。また、study questionsを準備してそれに答える演習を実施し、情報提供のみではなく講義に演習を含めるノウハウも例示した。

 ブルサでは、上記の2つのモデルの他に、キャロルの時間モデル及び事前事後テストを用いた研修成果把握方法も講義した。シワスでは、下記の「研修プログラム改善ワークショップ」の後にこのワークショップを実施し、研修プログラムを上記の2つのモデルで解釈し、プログラムの改善を検討した。アンカラでは、このワークショップはスケジュールの関係で実施できなかった。

 ※このワークショップに関する資料を、添付資料4に掲載する。


4. 研修プログラム改善ワークショップ(アンカラ、シワス)

 既存の研修プログラムの実際を記述し、事前事後評価による研修成果の評価計画と併せて研修プログラムを改善するためのノウハウを扱った。ワークショップの目標と15の質問項目をリストしたハンドアウトとワークショップ自身の展開を記述したチャートを準備し、それを例に、グループで過去に担当した研修プログラムの過程を記述する作業を実施した。グループ発表では、展開が明確に記述できていない部分を指摘した。

シワスでは、保健省のスタッフは過去に担当した研修を取り上げ、センターのスタッフは、TCTP2000で担当予定の科目につながる過去の研修を題材として取り上げた。アンカラでは、TCTP1999を題材にワークショップを実施したあとで、TCTP2000について作業を分担し、来月の実施に向けてワークショップを展開した。