件名:システム的vs伝統的アプローチ(5)
作成者:教授システム学 アシスタント
[システム的アプローチ]
もし高い学習成果が得られない場合は、研修プログラムが改善される必要があるとみなされる。
[伝統的アプローチ]
もし高い学習成果が得られない場合は、受講者(またはインストラクタ)がより頑張る必要があるとみなされる。
件名:環境教育について
作成者:K さん
内部監査において、環境方針のヒアリングが行われます。
その際、全従業員が環境方針を覚えていくことが必須とされています。
私の部署は、200人余りの従業員で構成されていますが、その中で抜き打ち的に数名が選ばれて、ヒアリングされることとなります。
結果、環境方針をすべて答えられた人はいませんでした。
これは一度でなく、再監査でも同じ状況が発生し、「たまたま言えない人だった」とは言えない状況です。
さて。この燦々たる結果に、会社がとったアクションは。
「毎週行われる課内MTG等で環境方針を繰り返しリマインドさせる」でした。
そもそも環境教育に使われたWBTのコンテンツについて言及されることは一切なく、「受講者が覚えてない」ととらえられたのでしょうか。
そこまでは言わないとしても、WBTではそこまでしかできないから、学習者に直接別の方法で働きかける、という選択肢を取られたとしか思えません。
ここにも「eラーニングはその程度のもの」という隠れた思いが見え隠れし、残念です。
システム的アプローチをとりながら、失敗には伝統的アプローチを採用されているように思えてなりません。
K
件名: Re:環境教育について
作成者:B さん
Kさん こんにちは
大変そうな部内教育をされていますね。
「毎週行われる課内MTG等で環境方針を繰り返しリマインドさせる」
この発想が悲しい限りです。
果たしてその環境方針は覚えやすく、誰もが達成をするために常に
心掛けることできるスローガンなのでしょうか?
最近では環境問題も大きく取り上げられ誰もが関心のあることかと
思います。
その関心を聞き出し、社員自らが環境方針を作り上げるといった方が
各個人には響くかと思いました。
出口を予め設定しておき、入口を考えさせる手法です。
システム的アプローチを社員全体で考え、答えを導かせることは
いかがなのでしょうか。
教育のアプローチ手段として、根本から考えてみました。
件名: Re:環境教育について
作成者:D さん
K様 こんにちはDです。
メッセージを拝読いたしました。
Kさんの部署で行われたeラーニングの事例を興味深く読ませていただきました。
「eラーニングはその程度のもの」という考えは残念ですし、eラーニングを活用する側は効果が上がらなければ利用しなくなってしまいますよね。
IDの大切さを考えさせられました。
件名: Re:環境教育について
作成者: Aさん
Kさん、
こんにちは、Aです。
Kさんの意見を拝読し、ご苦労なされておられることが良く分かります。
当社は抜き打ちテストをすることはありませんが、コンプライアンスコース、環境コースを受講し、何か不都合なことが発生した際の会社側のエクスキューズの証拠として、学習履歴を蓄積しているように感じてしまいます。
>ここにも「eラーニングはその程度のもの」という隠れた思いが見え隠れし、残念です。
そうなんですよね。
文句一つ言わず(多分言っていると思いますが)、素直に受講し続けている社員にとって、学習は罰ゲームと化している状態です。
このような状況を、まず身の回りから変えていこうと小さな活動を進めています。
A
件名: Re:システム的vs伝統的アプローチ(5)
作成者:H さん
企業内教育ではなく学校内で使用したeラーニング事例ですが、典型的な
伝統的(非システム的)アプローチでした。
利用者数が伸びないのは、使い方がわからないからだと考える。
→使用方法についての講義を強制的に実施する
利用時間が短いのは、パソコンに向かう集中力が持たないからだと考える。
→コンテンツの時間を短くする
利用頻度が少ないのは、学生の怠惰だと考える
→教員が利用頻度をチェックし、少ない学生には指導する
以上のように、問題があるのはインストラクタ(教師)か受講生(学生)と考え、
教育プログラム自体の見直しはされなかったため、結局誰も使わないシステムと
なってしまいました。
件名: Re:システム的vs伝統的アプローチ(5)
作成者:J さん
Hさん,こんばんは.
>利用頻度が少ないのは、学生の怠惰だと考える
大学の講義において,(最近は少し変わりつつありますが)
教員の提示する内容が悪いという発想はないように思います.当然先生方は
内容に自信をもっていらっしゃるんでしょうが,教育方法については様々なレベルの先生が存在します.結果として,成績が悪いのを学生の怠惰と捉え
てしまうと,教材を改善するというプロセスが回るはずもないなと考えました.
件名: Re:システム的vs伝統的アプローチ(5)
作成者:L さん
Hさん、こんにちは。
事例分析拝読しました。
「問題があるのはインストラクタ(教師)か受講生(学生)と考え、
教育プログラム自体の見直しはされなかったため、結局誰も使わないシステムとなってしまいました。 」
とありましたが、
まず、問題があるのはインストラクタ(教師)か受講生(学生)と考えていることに問題があると思います。
インストラクタに問題がるのなら研修を行い、受講生に問題があるのであればWEBアンケートなどで調査するのがよいと思います。
それを受けて、教育プログラム自体の見直しを行うべきと考えます。
やはりそのような状態では誰も使わないシステムとなってしまっても仕方のないことだと思います。
(情報ありがとうございました)
件名: Re:システム的vs伝統的アプローチ(5)
作成者:L さん
私の身の回りの事例として企業内教育ではなくて大学で使用したeラーニング事例となりますが、その内容が「システム的アプローチ」であったことを報告します。
まず、高い評価を得られたかどうか、WEBアンケートを用いて満足度を確認します。
その回答の中には、批判的なものや改善を求めるものもあります。
それを受けて、学生の問題とは捉えず、大学側の改善を考えます。
すなわち、インストラクショナルデザイナーを基にした分析を行って、コンテンツの改修、あるいはインストラクタとの話し合いを持ち、授業運営の改善に努めます。
また、定期的にインストラクタ・メンターの研修を行い、問題点を洗い出し、どうしたらよりよい学習環境を構築できるのかを議論します。
コンテンツの改修は比較的難しい分、運営側の改善を行って、学習環境をよりよくしようという試みがなされております。
また、例えばメンターのメンタリング内容は、変えようと思えばすぐに変えることができます。そうした点で柔軟な授業運営がなされているものと考えます。
以上のことから、この大学は「システム的アプローチ」になっていると考えれます。