件名:信州大学の事例
作成者:Hさん
第2回で取り上げた、信州大学インターネット大学院 情報工学専攻における「C言語基礎」に
ついて、以下の視点で分析する。
●目標明確化の3要素について
・目標行動
教材の最初のページに、「コンピュータのソフトウェアを作成する能力を身に付けることを
目的としています」記述されている。
加減乗除を行う程度の簡単なソフトウェアなのか、データベースと連携した業務レベルの
ソフトウェアなのか、どこまでの能力を身に付けるかが明確になっていない。
・評価条件
評価条件が明記されていないため、暗記すればよい項目なのか、教材通りに打ち込めれば
よい項目なのか、未知の課題を解決する力が必要なのか、テストを受けるまでわからない。
・合格基準
CAIテストで満点を取ることが条件である。ただし、どのようなテストかは受験するまで
わからない。
目標が「コンピュータのソフトウェアを作成する能力を身に付ける」ではあまりに漠然と
しており、システム的アプローチがされているとは言えない。
●出入口を明確にするために用いる3つのテストについて
・事後テスト
各単元ごとにテストが用意されており、学習成果の確認がされている。
・事前テスト
各単元のテストは、講座を受講しなくても受験可能である。学習する内容を既に習得している
場合は、テストを受験して合格すれば受講の必要がなくなるので、実質的に事前テストを兼ねている。
・前提テスト
準備されていない。しかし、第1回目の教材が前提条件にあたる基礎事項となっているため、
学習者のレベル差が問題になることはないと考えられる。
CAIテストで満点を取ることが条件になっているため、完全習得学習に近い形態であった。
事前テストが受験できることは、学習時間の確保が難しい社会人学生にとって、学習時間短縮
の助けとなるもので、eラーニングのメリットを享受できたと感じる時でもある。
件名: Re:信州大学の事例
作成者: Kさん
Hさん、こんばんは。
なるほど、やはり一見目標行動を提供しているように見えても、具体的な記述がないと、曖昧なまま学習を進めることになりそうですね。
合格基準が、あるテストで満点を取ること、というのも一見明確のようですが、そこで「CAIテストがどんなものか」を記述しないと、これまた「漠然」となってしまいますね。
システム的アプローチには、俗的にいえば、「親切心」がないと難しいのでは、と感じています。受け手側のニーズを先回りして考えて、痒いところに手が届いている感じ、と言いますか。
私も、目標明確化の3つにならって、クラスを再構築したいと思います。
件名: Re:信州大学の事例
作成者: Bさん
Hさん こんにちは
目標行動が明確化されていないとこのことですが、私もこの一文を読んで
だからどうするの?ということを思いました。
この一文をもう少し掘り下げ、課題分析することにより絞ることが可能と
なるのではないでしょうか。
「身に付ける」のではなく、「認知」「運動」「態度」のどの部分を
求めているのかが明確になれば、学習に対する意識が変わると思います。