所属組織のラーニングカルチャー (公開用サンプル)


件名:所属組織のラーニングカルチャー
作成者:Hさん

私が所属する組織(IT系の専門学校)のラーニングカルチャーについて、図表6-3に
当てはまるものについて分析してみました。


●失敗するラーニングカルチャー
>3.トレーニングを単なる商品として販売する。IDより販売スタッフを優先。
>→トレーニング拡大路線を歩む。受講者数と受講料収入によるビジネス・モデル
学内の授業で使っていた資格取得用のeラーニング教材を、代理店経由で販売した。
(ほとんど売れなかったらしい)
授業カリキュラムの一貫として開発・導入された教材なので、学内で使用した際には
一定の効果を得られたようである。
しかし、カリキュラムを無視したeラーニング教材を販売しても、需要がないことを
身をもって経験することとなった。
(結果的に「トレーニング拡大路線を歩む」とはならなかったが・・)

>4.トレーニングを無料にした。誰が何を学ぶかの方針がない。不要な研修で時間の無駄。
ある学科で開発したeラーニング教材を、他学科でも使用できるように公開した。
しかし、「もし使えそうならどうぞ」というような位置づけだったため、結局誰にも 使用されていない。


●成功するラーニングカルチャー
>6.誰もが教師となる。他の社員に教えることを義務だと感じる「教える文化」の創造。
IT関連の学校や企業は「教える文化」が根付いているような気がする。
コンピュータシステムを構築するには、ハード、ソフト、ネットワーク、データベースなど
広範囲な技術を集結する必要があるが、一人で全てをカバーすることは不可能である。
そのため、お互いが協力する必要があり、またインターネット上の電子掲示板やメーリング
リストを利用して問題解決するのが一般的である。

>9.アクセスをできるだけ簡単にする。検索不要のリンク完備。PC供与で機会拡大など。
これも、IT関連の学校や企業には根付いている文化である。グループウェアと呼ばれる
システムを導入し、社内システムへのアクセスや情報共有などは容易になっており、PCも
一人一台以上供与されるのが一般的である。


●よりよく変化させるためには何ができるか
eラーニングに対する拒絶反応は薄いと思うが、周りの教員はeラーニングに対して、
「無関心」である。
(やや関心を持っていたとしても、練習問題を電子化しただけのeラーニングを体験して
否定的になることが多い)

まずは教員自身が「優れたeラーニング」を知ることにより、新しい教授法に関心を持つ
ことから始めなければならない。
そのためにも、私がここで学んだことを学内に広める義務があると感じている。


件名: Re:所属組織のラーニングカルチャー
作成者: Eさん

Hさん、コメントさせていただきます。
> >4.トレーニングを無料にした。誰が何を学ぶかの方針がない。不要な研修で時間の無駄。
> ある学科で開発したeラーニング教材を、他学科でも使用できるように公開した。
> しかし、「もし使えそうならどうぞ」というような位置づけだったため、結局誰にも
> 使用されていない。

これは、私の大学でも近い事例がありました。
初級シスアドの試験対策用eラーニングコンテンツがあるのですが、「情報科学センターに
申し出てくれれば誰でも使えます」と告知していても、あまり使われた事例を聞かず…。
資格講座の受講生は利用したみたいですが、「ただ、そこに置くだけ」ではモチベーション
ある人でない限り活用されないでしょうね。

「置いてあるものを、どう使ってもらうか」をデザインする発想が大事、だと感じました。 (早く、この分野での言葉遣いに慣れるように「デザイン」と言ってみましたが、どうにも
違和感がありますね。「デザイン」というと、どうしてもWebデザインとか、あっちのほうを
イメージしてしまうので)

> >9.アクセスをできるだけ簡単にする。検索不要のリンク完備。PC供与で機会拡大など。
> これも、IT関連の学校や企業には根付いている文化である。グループウェアと呼ばれる
> システムを導入し、社内システムへのアクセスや情報共有などは容易になっており、PCも
> 一人一台以上供与されるのが一般的である。

職場でもグループウェアが導入されているのですが、リテラシーのある人以外にとっては、
ほぼWebメール扱いです。掲示板機能があるにもかかわらず、全教職員宛の周知事項を
添付ファイル付eメールで配信しているのを見たときには、システム部門を離れていても、
「添付ファイルのサイズ×送信先」で計算できる、そのあまりに無駄なリソース消費にゾッと
した記憶があります。

今回のテキストを読んで、KMSやPSS(の取っかかり)としてグループウェアもうまく
活用することが大事だよなぁ・・・と感じました。
個人的には入試広報よりも、そっちの分野のほうが職務適性はあると考えているのですが、
なかなか思うようには行きません。

> ●よりよく変化させるためには何ができるか
> eラーニングに対する拒絶反応は薄いと思うが、周りの教員はeラーニングに対して、
> 「無関心」である。(やや関心を持っていたとしても、練習問題を電子化しただけの
> eラーニングを体験して否定的になることが多い)

以前からの書き込みでも拝見していましたが、IT系の専門学校でもeラーニングがこう
した扱いになっている事には驚きました。私のイメージでは、もっとバリバリ利用してい
るのかな、と考えていたものですから。


件名: Re:所属組織のラーニングカルチャー
作成者: Hさん

>以前からの書き込みでも拝見していましたが、IT系の専門学校でもeラーニングがこう
>した扱いになっている事には驚きました。私のイメージでは、もっとバリバリ利用してい
>るのかな、と考えていたものですから。

そうですね。現場でeラーニングが話題にあがることはめったにありません。
ベテランの教師は、自分のスタイルが出来上がってしまっていますし、教育は人間がするものだ、
という意識も強いのかも知れません。
若手の場合、日々の業務に追われて、そこまで余裕がない、というのが現状だと思いますが・・。


件名: Re:所属組織のラーニングカルチャー
作成者: Dさん

Hさん、こんにちはDです。
メッセージを拝読しました。

IT系専門学校での成功するカルチャーに誰もが教師となる点を挙げられていたのが興味深いです。コンピュータのシステムを一人でカバーすることは不可能なのでお互いに協力しメーリングリストや掲示板が活用されるのですね。

本当はどの組織でも一人で業務自体を全部カバーすることはできないのだけど、専門領域や業務領域で組織内で壁を作ってしまうことがあります。周囲の教員がeラーニングに無関心なのは、優れたeラーニングを知らないからなんですね。「教える文化」って大事だなとHさんのメッセージを読みながら考えさせられました。