学習支援設計を支える3つの理論的立場で分析すると (公開用サンプル)


件名:学習支援設計を支える3つの理論的立場で分析すると
作成者:Fさん


第2回で取り上げた以下下のコンテンツを学習支援設計を支える3つの理論的立場について
分析します。

【コンテンツ】
新型インフルエンザへの備え
(グループ全社員一斉研修)

【概要】
「新型インフルエンザ」は、人類のほとんどが免疫を持っていないために、容易に人から人へ感染し、
世界的な大流行となって、大きな健康被害と社会的影響が懸念されています。
このような状況をふまえ、グループ社員が「新型インフルエンザ」の脅威や予防策等について
正しく理解できるよう、本コースでは「新型インフルエンザ」の概要と、予防方法や流行時の注意点に
ついて学習します。

【3つの理論的立場による分析】
 本コースは、「概要」にあるように、予防方法と流行時の注意点を周知徹底するものです。
 そのため、学習のプロセスを踏まえた支援策を提起する認知主義ではなく、また学習者自らが意味を
構成していく構成主義でもありません。”●●になったら、○○する”、というように、ある事象が起こって、
その正しい対応が求められる行動主義そのものであると認識します。
 その意味では、必ず”●●になったら、○○する”という行動が定着するためのドリルが強化されてない
ものであったと評価しています。
 妙な言い方をすれば、コンテンツを提供している側の都合が色濃くあるように感じました。つまり何か誤り
が起こった場合(例えば、新型インフルエンザが発症したが、無理して会社に出勤してしまい、感染拡大に
拍車をかけてしまった。学習コンテンツでは出社してはいけないと通達している)、あれほど言ったにも関わ
らず、誤った行動がされたのは、君の責任、もしくはその所属部署の責任だ、といつでも責任が転嫁できる
ものなのではと少々思えてならないものでした。


以上


件名: Re:学習支援設計を支える3つの理論的立場で分析すると
作成者:B さん

Fさん こんにちは

ご提示されているコンテンツは行動主義と判断して良いと思います。

しかしながら、テキスト中にはドリル形式が掲載されていましたが、
他にも方法が存在していないかと気になりました。

今回の「新型インフル」については社会的にも騒がれており関心は
高いために初期から意欲を持って取り組む方が多いと予測できます。

では、その他の教育でドリル形式を行うと繰り返して問題に正解する
ことが目標になってしまうのではないかと危惧しております。

Fさんがおっしゃられるように、
「コンテンツを提供している側の都合が色濃くあるように感じました。」
この一文がとても重く感じられ、有効な教材を提示することは
本当に難しいと認識できました。


件名: Re:学習支援設計を支える3つの理論的立場で分析すると
作成者:C さん

Fさん、Bさん、こんばんは。Bでございます。

インフルエンザやコンプライアンス等のコンテンツは、
仰る通り実施(会社)側の意図が強く感じられるものがありますね。
このような問題に直面した時、コンテンツで提供できるものと
そうでないものを切り分ける必要性を感じます。

eラーニングや集合研修等における学習の機会で支援できる範囲・
対象者はなにか。
学習の機会以外で支援すべき範囲・対象者はなにか。

「インフルエンザの可能性がある状態になった時、業務をおいても
休養をとる」ということが、行いやすい風土の職場かそうでないか等の
マネジメント・職場風土の問題を、インフルエンザの知識を
学習しただけで解決するのは難しいですよね。
ほかの施策の併用も必要であるように思います。

教育の機会で支援できる範囲・対象者はどこか。
それに対して、学習目標や学習成果を明確化し、それに対して
どの主義が提唱する学習方法がよりベターであるかを検討したいものだと
感じました。