人間像&PLE:全社員向け環境教育 (公開用サンプル)


件名:人間像&PLE:全社員向け環境教育
作成者:Kさん

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全社員向け環境教育について、想定している人間像(理論X・理論Y)及び図表11-3「職場が肯定的学習環境(PLE)かどうか見極めるための30の指標」を用いて分析します。

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【コンテンツ】
全社員向け環境教育
ISO14001のための会社内環境教育を、eラーニングを使用して実施。

【想定している人間像(理論X・理論Y)】
本環境教育eラーニングを採用している企業では、Y論へのシフトが大幅に進んでいる。環境教育はISO14001取得のための必須教育なので受講締切日はある程度の余裕をもった3カ月以上の単位で設定されているが、その他の学習進捗に関しては、受講者のペースに任せられている。その結果、多くの受講者が、締切ギリギリになって駆け込み的に学習を開始し、修了している様子が伺える。また、締切に間に合わない学習者もいる。

環境教育という一見業務に直結しないように思える教育内容の性質上、学習者に必須感や業務に必要だという意識を与えにくいことが原因の1つになっていると思われる。理論Yを採用し学習コンテンツを作成する上では、その学習コンテンツの業務への役立ち感や必須感をいかに与えるかの工夫が求められるであろう。

【PLEについて】
「PLSかどうか見極めるための30の指標」について、以下の3つが当てはまらない。

6.社員が経営部のアイディアに反対できる。
18.すべての社員が会社の概要をプレゼンテーションできる。
24.Job shadowingが奨励される。

30指標のうち、3つ以外は当てはまっているため、PLEが整っていると判断できる。しかし、このような整った環境の中でも、環境教育での成果があまり芳しくない。学ぶ環境が整っていても、「これを学ぶんだ!」という内発的な動機が薄いと、学習成果に繋がりにくいのではないかと推測する。

PLEが達成されたあとの課題として、以下に業務に関係ないと思われがちな学習内容でも「知りたい!」という好奇心を掻き立て、内発的動機に働きかけるかが、課題といえる。たとえば、環境教育の前に「会社が利益を上げるためには」という学習を設け、その中で、「顧客が求める企業になる。その中には、環境に配慮した会社であることも項目としてありますよ」と提示する。

その提示から、学習者が「環境に配慮するとは?」と興味を持つきっかけを与える、という試みはどうだろうか。
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コメント、よろしくお願い致します。


件名: Re:人間像&PLE:全社員向け環境教育
作成者: Fさん

Kさん

 こんにちは、Fです。
拝読させていただきました。ありがとうございます。

PLEに関して以下の3つが当てはまらない、とのことですが、
>6.社員が経営部のアイディアに反対できる。
>18.すべての社員が会社の概要をプレゼンテーションできる。
>24.Job shadowingが奨励される。

18,24は比較的容易に改革ができるのではないかと察しました。
このあたりはリーダーシップを発揮されて、ぜひ御社の変革に
尽力されることを期待しております(勝手な発言をお許しください)

さて、次のコメントに深く共感しました。
>、「顧客が求める企業になる。その中には、環境に配慮した会社で
>あることも項目としてありますよ」

こういったものがコースコンセプトにあるのではないかと思います。
単独で存在するのが学習コンテンツではなく、コンテンツが登場した
背景や思いというのが絶対あるはずです。
実はこの点の濃淡がコンテンツの評価にも現われてくるものなの
かと思ってます。

『教材設計マニュアル 独学を支援するために』の119ページ、下から
3行目に
「せっかく心を込めて作る教材ですから」とあるように、心が込められる
ということは、そういうコンセプトがあってのことなんだと思います。


件名: Re:人間像&PLE:全社員向け環境教育
作成者: Kさん

Kさん、コメントありがとうございます!

>18,24は比較的容易に改革ができるのではないかと察しました。
>このあたりはリーダーシップを発揮されて、ぜひ御社の変革に
>尽力されることを期待しております(勝手な発言をお許しください)

私自身のことを振り返りますと、やはり私の業務を通して知りえた会社を、私なりの言葉で説明できるようになるのには、3年かかったように思います。
「半導体を作るための装置を、作ってるんだよー」と文章にすると簡単にできるんですが、その骨格に肉と血を注ぎ込むのは、この会社への思い入れであったり、経験なのかな、と思うのですが。

だとしたら、やはり経験だったり会社の情報や知識を得るためのサポート体制(研修含め)を整理することで、全世界にいる社員1人1人が自分の言葉で会社をプレゼンテーションできるようになると良いな、と思いました。

>コンテンツが登場した背景や思い

実はつい最近、安全教育に環境をプラスした、趣向を変えたeラーニングコンテンツが必須科目で提供されていまして。
そのコンテンツを学習してみて、まさに「トップマネジャーたち」の思いが詰まっていたな、という感想を持っています。

自分達が作る装置で人が亡くなるという悲しい事故を2度と起こさない、とか、環境は自分達にとってどれだけ重要なミッションであるのか、などですね。

彼らの言葉を直に聴いているようで、印象に残っています。
「印象に残る」コンテンツであるというのは、成功するための1つのキーだなと思いました。