成人学習学からの分析 (公開用サンプル)


件名:成人学習学からの分析
作成者:Bさん


当職場内にて実施されている「交通安全教育」を分析する。

教材の目的;公用車・私用車の事故防止
教材の内容;事故加害者が綴った記録などをスキャナして定められた期間に学習
      ページ数はPDFファイルで1~2ページ程度

成人学習を遂行する上では、その教育がどれくらい社会にフィードバックできるかなどを 考えて学習者が進めている。それぞれの社会的立場や環境においても様々であるために、 全ての学習者へ同じ教育を行うことは大変難しい。いかに有効な学習をさせるかを、テキスト の「成人が効果的に学習を行うための7 つの原理」をもとに考察をする。

1.学習者が自分が受容され尊重されていると感じられ、主体的に参加を誘発するような「雰 囲気」(climate)づくり
→学習の目的が明確であれば、自ずと参加を期待できると考えている。その人が必要性を  感じるような教材作りが肝要である。

2.学習者自身が学習計画の企画立案に参画し、指導者と対等の責任を共有できるような学 習プログラム「相互的計画化」(mutual planning)の導入
→例えば自分で作った食事は美味しく感じるものである。自らが企画に入ることで関わりを  持たせることは、学習の意義を知らせることも可能となるために有効である。

3.学習者自身が自己の学習ニ一ズを「自己診断」(self-diagnosis)し、達成への内発的 動機づけを高めること
→学習教材はそれぞれの学習者向けに改変することは困難である。そこで、何が必要なのか  を判断させて、その目標に向かって進行させることは無駄を省き学習の効率化に結びつく  であろう。

4.学習者自身が学習活動を計画実施し、学習速度をコントロールできること
→学校教育とは異なり、仕事や社会生活といった他のことを行うことも成人は必要である。  その中でいかに学習の時間を作り、効果的な学習をさせるかがポイントとなる。学習の  難易度はそれぞれにより異なるために、自らが学習をコントロールすることは重要である。

5.学習目標を達成するために学習者自身が学習形態や学習資源を見つけること
→学習はゴールに辿り着かなければ意味を成さない。教材の内容を読み取り、効率のよい  学習を進めることで有効な学習といえるだろう。

6.教師は、一人ひとりの学習者が計画を達成するように支持的な役割を果たすこと
→学校教育においても教師の存在は同じと考える。学習を進めていくのは学習者であり、  教師が主導的に教育を行ったとしても学習者の理解度との差異が生じれば混乱を招く  ことがある。教師はファシリテートすることに力を注ぐべきである。

7.学習者自身が、自分自身の学習の結果を評価し、学習目標と学習結果とのギャップを再 診断すること。またこの診断結果を次のステップへつなげること
→学習を進めていく上で、到達度の評価は必須である。その評価により、更なる向上を  求めてステップアップして学習が成り立っていく。評価のための方法論は多種多様にあるが、  明確な判断が出来るツールを使用しなければ、学習の阻害をさせることになるために  評価ツールは重要な選択でもある。


以上のことから、今回の交通安全教育は成人学習用に作成されているが該当する項目が 皆無であると判断できる。改善策としては、学習者のニーズを調査するとともに目標を 明確にして提示することが必要であろう。現状の教材では、効率的な学習は困難であると 分析をした。


件名: Re:成人学習学からの分析
作成者: Hさん

Bさん

コメントさせていただきます。

>成人学習を遂行する上では、その教育がどれくらい社会にフィードバック
>できるかなどを考えて学習者が進めている。
将来何になりたいかも決まっていない子どもと違い、成人の場合は目の前の
課題を解決しなければならないなど、学習の目標が定まっているはずです。
それなのに、教材の学習目標が明確でなければ、効果的に学習ができません。

よって
>学習者のニーズを調査するとともに目標を明確にして提示することが必要であろう。
という指摘はもっともだと思います。


件名: Re:成人学習学からの分析
作成者: Bさん

Hさん コメントありがとうございます。

学校教育と成人教育の違いは、学習者の背景によると理解できそうです。
成人は、自らが必要・不要を判断する能力が身についているので、
要らない学習は全く意味を成さないでしょうね。


件名: Re:成人学習学からの分析
作成者: Jさん

Bさん,こんにちは. コメントいたします.

Hさんも書かれていましたが,成人学習を意識した場合
特に,学習目標の明確化は大事だと感じました.
子どもたちは,学習目標の他にも”楽しい”とか”面白い”といった要素が必要だと思います(ARCSのA)が,
成人は学習目標自体に強い動機付けが働くと考えます.(ARCSのR)

あと,ファシリテーションスキル大事ですね・・・・.


件名: Re:成人学習学からの分析
作成者: Bさん

Jさん コメントありがとうございます。

学習目標の明確化は、教材作成者にはとても難しいことですが、
学習者と作成者の考えが一致すれば有効な学習が成り立つことは
重要ですね。

これは、ファシリテーターの腕にも掛かっていると思います。


件名: Re:成人学習学からの分析
作成者:A さん

Bさん
こんにちは、Aです。

私が主宰しているNPOでも、今年6回のシリーズで「成人学習」を取り扱い勉強をしています。

学習者の内省を促し、建設的な批判によって変容を促進すると書いてしまえば簡単なことですが、如何にそのことが難しいかが良く分かります。

コンテンツ提供側として、参加者同士が自由に意見を語れる安全空間を上手に作るか。

またコメントやフィードバックが雑談や印象表現に終始しないよう。コメントの方法や何が重要情報かを説明し、少しでも建設的な場になるように気を使っています。
でも、本当に難しいですね。

コメントというより、Qが最近感じていることになってしまいました。
申し訳ありません。 以上