教育研究の進め方(第2章、山本名嘉子著より)
■仮説検証の方法
仮説を設定する段階で、検証計画を立案しておくとよい(!)
cf.<評価の計画>と学習者検証の原理
データの収集
1、授業の記録
- テープ、ビデオ、観察者の記録
- 仮説に関わる部分:指導と学習状態の両方が分かるように
- 抽出児の記録と学級全体の記録
2、学習者の意識調査
- 事前、事中、事後の変容を押さえる
- 評定尺度のアンケート、自由記述作文、観察記録など
3、学習の結果
- 授業における学習目標に基づいた達成度調査
- 学習者の記録・自己評価、授業者の観察、観察者の記録など
■検証計画の例(小学校社会科)
研究仮説
地域で体験学習を行い(1)、視聴覚機器を用いて体験を再構成した地域教材によって課題解決学習を行えば(2)、学習意欲が高まり、理解も深まるだろう(3)。
検証の視点と方法
1、体験学習ができたか
2、視聴覚機器を用いて体験を再構成した地域教材によって課題解決学習を行ったか
- 児童の授業後の感想文の分析
- 発問の構成の分析
- 教師の授業後の感想文の分析
3、学習意欲が高まり、理解が深まったか
- 学習振り返り表の分析
- 事後アンケートの分析
- イメージマップの分析
■データの処理と分析
1、授業記録を整理し直す
- 授業者、観察者、学習者からの情報を整理する
- 研究仮説にしたがって
2、学習結果を比較する
- 授業前と授業後の学習結果を比較する
- テストなどの結果をグラフに表示
個別の正答率の伸びを示すグラフなど
- グラフから意味を読み取る
3、質的なデータを表示する
- 数字に表わせないものは分類(カテゴリー化)する
- 類型化によって全体の傾向を把握する
