宮城県教育研修センター所内研修

講演「今日的課題を踏まえた教育研究の在り方」
1996.8.29.
東北学院大学助教授 鈴木克明
1、私が紹介した研究と紹介の意図(『学校の教育研究』第6章2節より)
・教師による研究が目指すことは「自らの悩みを解決すること」(あらまし)
・実践研究を見る視点(留意点)
・3つの研究事例にみる現代の研究課題
- 川越研究:教材開発研究にはセールスマンシップが必要
- 酒井研究:授業研究には理論的なバックアップが必要
- 館山二中研究:カリキュラム研究にはメリハリが必要
2、『学校の教育研究』(ぎょうせい)に学ぶ研究の方法論
・自分が分担執筆した本の他の執筆者の内容で重要だと思うこと
・自分自身の教育活動に反映されなければ教師の研究は無意味(安彦)
・研究は教育をよりよくするための手段だからこそ全ての教師の必須科目
・仮説を設定する段階で、検証計画を立案しておくとよい(山本)
・「教えた」と「教えたつもり」を区別する成功的教育観(沼野一男)
・やりっぱなしの研究協議会を避ける工夫(黒上)
・高めあう授業づくりのための高めあう研究協議会
3、10/24に仙台市科学館と青年文化センターで公開する授業のこと
・日本教育工学協会主催の教育工学・コンピュータ教育・情報教育全国大会
・10の先進的授業を宮城県から提案
・揃えたこと
- 一本釣りと持ち込みによる授業提供
- 単元レベルでの授業前情報提供
- 授業中の具体的なデータ収集と検討会への即時提供
- 研究仮説に絞り込んだ徹底的・実質的授業検討会
・違えたこと
- 公開授業に必要な授業時間(45分〜90分)
- 何が先進的であるかの捉え方(実験的か、普段どおりか)
- 授業者が何を課題意識としてもっていて、何がやりたいか
4、今後の研究課題に関わること
・中教審「審議のまとめ」を勉強すること
参考:山極隆(編)『キーワードで読む中教審読本』教職研修総合特集No.130
1996年10月25日発売予定(審議のまとめ全文掲載)
参考:河野重男・児玉邦広(企画)『学校変革実践シリーズ全8巻』ぎょうせい
- 第1巻「学校パラダイムの転換〜新しい学校の時代〜」第2巻「新・地域社会学校論〜完全学校週五日制の中で〜」第3巻「高度情報社会の中の学校〜最先端の学校づくりを目指す〜」第4巻「学校知の転換〜カリキュラム開発をどう進めるか〜」第5巻「子ども主体の授業をつくる〜授業改善の方略と技術〜」第6巻「地球規模の環境教育〜環境教育最前線〜」第7巻「国際人を育てる〜世界の中の日本人〜」第8巻「生きる力を育む〜21世紀を生きる子ども〜」
参考文献
・水越敏行・永岡順(編)(1995)『学校の教育研究』ぎょうせい(新学校教育全集第28巻)
・鈴木克明(1995)『放送利用からの授業デザイナー入門』日本放送教育協会(放送教育叢書23)