手紙は、一度出してしまうと、そのコピーを残しておかない限り、
自分の手元には何も残りません。
電子メールも、基本的には手紙と同じで、相手に送信してしまうと、
手元には何も残りません。
そのため、電子メールソフトの多くには、
送信したメールを自動的に蓄える「送信簿」機能が備わっています。
この機能をONにしておくと、何も意識せずに、送信したメールはすべて、
送信簿の中に残ることになります。
ただ、この機能を使うと、
すべての送信メールが添付ファイルも含めて溜っていくため、
ディスク容量を圧迫するだけでなく、
後で本当に必要な送信メールを見つけるのに苦労することになります。
そのため、「送信簿」機能があっても利用しないユーザが多いのもの事実です。
それでは、「送信簿」機能を利用しない人は、どうしているかといいますと、
Cc:(カーボンコピー)に、いつも自分のメールアドレスを書いておき、
メールを送信したら、必ず自分にもそのメールのコピーが届くようにしておくのです。
そうして、届いたコピーメールを確認して、保存すべきメールか、
すぐに破棄して良いメールかを判断して、必要に応じた処理をしているのです。
これなら、過去の不要な送信メールをいつまでも溜めなくてすみますね。
ところで、Seemitには、
「送信簿」機能はありません。これは、初心者向けに、
できる限りシンプルな仕様にしたかったからであるのと同時に、
「送信簿」に上記のような弊害があるからです。
それでは、Seemitで送信メールを残すためには、どうすればよいのでしょう。
毎回、Cc:欄に自分のメールアドレスを書いても良いのですが、
自動的に自分宛てにメールを送る仕組みも用意しています。
それでは、実際に設定してみましょう。
Seemitを起動し、「編集」メニューから「設定」を選びます。
現われたダイアログで、「メールの作成ウィンドウにBcc表示する」と
「Bccにいつも自分のアドレスを挿入する」の2箇所にチェックして下さい。
(註) 「サーバにメールを残さない」には、
既にチェックが入っていますよね? 入っていない人は、
チェックして下さい。
(註) 「Bcc」という語が出て来ましたが、これについての説明は、
もうしばらく待って下さい。
(註)SMTPとはメールクライアントの送信時やメールサーバ間で利用するプロトコルで、POP3とは接続時にメールサーバからメールを取得するプロトコルです。
これで、送信時に自分宛てにも自動的にコピーメールを送る準備ができました。
試しに、以前テスト用に利用した、「神光六王」宛てにメールを出してみましょう。
jidou@st.kumamoto-u.ac.jp 宛てにメールを送ると、神光六王さんが、
すぐに返事メールを書いてくれます。
「作成」ボタンをクリックして、適当に何か書いて下さい。
(神光六王さんは、心を持っていませんので、一言で結構です。)
ここで、Cc:の欄の下に、
Bcc:欄ができていることを確認して下さい。
またそこに、
自分のメールアドレスが書き込まれていることも確認して下さい。
これで、「送信」ボタンをクリックすると、送信されます。
早速、「受信」ボタンをクリックして受信してみましょう。
以前の設定であれば、
神光六王さんからの返事メールが届いているだけのはずですが、
先程、設定を変更したので、送信したメールも自分宛てに届いているはずです。
下図の1通目が送信したメールのコピーで、2通目が返事メールです。
上図には、1通目のコピーメールの内容が表示されています。
これで、
「送信簿」機能が無くても送信メールが保存できることがわかりますね。
ところで、上記メールの1行目には「To:」があり、
神光六王さんのメールアドレスが書かれていますが、
メール作成時にあった「Bcc:」の欄が無くなっていることに気づきましたか?
試しに、「Bcc:」の欄に書かれていた自分のメールアドレスを、
下図のように今度は「Cc:」の欄に書いて、
もう一度神光六王さんにメールを出してみましょう。
先のメールのと区別するために、Subject:は変えて下さい。
送信後、すぐに受信してみると、先程と同じように、
2通届いていることがわかります。1通は、Cc:に書いたコピーメール、
もう1通は、神光六王さんからの返事メールです。
これらは、先のBcc:に自分のメールアドレスを書いたときと全く同じ動作ですね。
つまり、Cc:欄やBcc:欄にメールアドレスを書くと、
To:欄に書いたときと同じように、そのアドレス宛てにメールが送信されるのです。
ところが、コピーメールの内容が、一部違うことに気づいたと思います。
Cc:に自分のメールアドレスを書いた今回のコピーメールには、
自分のメールアドレスを含んだ Cc:欄が、ちゃんと表示されていますね。
これが、先のBcc:欄にメールアドレスを書いたときの違いです。
Bccは、ブラインドカーボンコピー(Blind Carbon-Copy)の略で、上記のように、
To:やCc:の欄に書かれた本来の受信者に知られずに(知らせずに)、
コピーメールを送る(ことのできる)機能です。
今回のように、単に送信メールの控えを取るために、
自分のメールアドレス書くときには、Cc:欄でも、Bcc:でも、
どちらでもあまり関係ありませんが、
To:欄に書かれている本来の送信相手には、Ccしていることを知られたくない時には、
Bccを利用するようにしましょう。
例えば、以下のような場合は、Bccを使いたくなるでしょう。
あるサークルのWeb管理者宛てに届いたメールに返事を書くとき、
サークルのリーダにも、その返事の内容を知ってもらう方が良いので、
リーダにもカーボンコピーでメールを送ろうと考えた。
返事を書く相手には、リーダ個人のメールアドレスを教えたくないし、
返事を書いている人以外が同じメールを受信していることも知られたく無いので、
Bcc:欄にリーダのメールアドレスを書くことにした。
(註) メールアドレスを公開したくない複数の人にまとめてメールを送りたいときや、
メーリングリスト名を公開したくないメーリングリストにメールを送りたいときには、
To:の欄に何も書かずに、
Bcc:欄だけにメールアドレスを書くことで実現することができます。
電子メールの文末には、通常、署名を書きます。
これは、そこがメールの終わりであることを示すためであると同時に、
誰からのメールかを明らかにするためです。
そのため、Seemitでは、自動的に署名が入るようになっています。
(註) とはいえ、以前にも書きましたが、メールのはじめの方で、
名乗るのが常識です。文末まで誰からのメールか分からないのでは失礼です。
Seemitでは、Seemitが自動的に作った署名を変更することもできます。
(註) 一度だけ変更するのであれば、メールを作成する時に修正することができます。
Seemitで利用する署名を変更するには、Seemitのフォルダ中にある
「signature.txt」ファイルを修正します。
上記ファイルのアイコンをダブルクリックすると、
「signature.txt」ファイルが読み込まれます。
好きな書式を作り(上書き)保存して下さい。
次からメールを作成するときは、新しい署名が挿入されます。
(註)
メール本文と署名部分の区切り文字列(セパレータ)は、伝統的には、
--
(2つのハイフンと1つのスペース)
を使うことになっています。そのため、Seemitは、
その伝統(正確にはインターネットに関する正式文書であるRFC)に則った署名を、
初期設定として利用できるようにしています。
(註) 署名部分が無駄に大きいと、
作成者の品位が疑われます。 程度を考えて作って下さい。