目次:
7.行動主義:代理強化とティーチングマシン --1 トップページ
--2 はじめに
--5 代理強化
|
◆ プログラム学習とティーチングマシン ◆スキナーは、当時の行動主義心理学の研究成果を直接生かす方法として、「プログラム学習」を再発見した。スキナーは「父の日」の授業参観で末娘の授業(4年の算数)を見て、延々と続く教師の説明とそれをただ受け身的に聞いているだけの娘の姿にあぜんとしたという。1953年11月11日の出来事であった。「これでは効果的な学習が成立しない。心理学研究の成果が何一つ生かされていない。もっと学習者が積極的に反応し、それに対する即時フィードバックを与える学習環境を実現したい」との思いから、プログラム学習やティーチングマシンの教育利用推進に影響を与えた。当時の行動心理学の研究成果を反映する学習環境をつくるには、もっと積極的に学習者が反応する環境をつくらなければならない、と主張した。 プログラム学習とは、教育目標の到達に向かって学習者に解かせる問題を段階的に配置して(プログラムして)提示する教材を用いた学習のことである。ティーチングマシンとは、プログラム学習教材を装備する機械仕掛けの装置を指し、学習者が答えを記入する前に正解を見ないように制御したり、回答結果に応じて次に違う問題を与えるなどの分岐を行ったりするために用いられた。これが、コンピュータ化されることでCAIの原型となった。プログラム学習とそれに続くコンピュータ支援学習教材(CAI[Computer-assisted Instruction]:企業内教育の文脈ではCBT[Computer-based Training]とも呼ばれた)の研究は、教育工学を誕生させることとなる。当時は、教育工学といえば、プログラム学習の研究が連想されるほどの主流であった。 *** *** *** *** *** ***
|