熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
15.eラーニング事例分析
ここでは、「eラーニング概論」での学習を総まとめする最後の課題「eラーニング分析書」について説明します。

課題の概要

課題3「eラーニング事例分析書」に求められることは次の通りです。

任意のeラーニング事例を1つ取り上げ、本書で扱った分析の視点(次に掲げる事項)を応用して当該事例を分析し、改善点を複数の視点について提案せよ。取り上げるeラーニング事例の規模や目的、対象者層などは一切問わない。
また、これまでのタスクで取り上げた事例と同じ事例について分析を発展させても構わない。しかし、答案例として示されている分析書と同じ事例を取り上げることはできない。
[分析の視点]
  1.対象者・目的・利用環境
  2.システム設計(構成要素とその妥当性など)
  3.コース設計(構造・系列化と学習制御についてなど)
  4.学習支援設計(学習課題の特徴と学習プロセスの支援状況についてなど)
  5.動機づけ設計(想定される学習者の特徴と動機づけの適切性についてなど)
  6.自己管理学習支援(学習観の変革をサポートしているかどうかについてなど)
  7.その他の視点(その他、分析の視点として適切だと思われる観点について:任意)

[採点の基準]※(4)は配点が4点であることを示す
  本講義で取り上げた定義のいずれかに照らしてeラーニング事例といえるものについて具体的かつ分かり易く述べてあること(4)。分析の視点がすべて網羅され(ただし7は任意)(4)、分析内容が妥当だと判断できる根拠が十分示されていること(12)。取り上げたeラーニング事例改善の提案が2つ以上の視点について言及され(4)、改善提案の有効性と実現可能性が高いと判断されること(8)。参考文献(テキストの該当箇所を含む)が明記されていること(4)。仮提出分析書についての相互コメントをつけること(4)。

回答例

課題3の回答例として、次のものを示します。いずれも「eラーニングファンダメンタル学習支援Webサイト」に公開されているものです。

課題の説明文にもあるように、「答案例として示されている分析書と同じ事例を取り上げることはできない」ため、下記の事例は分析の対象としてはいけません。あまり多くの回答例を掲げると、分析できるものの候補がだんだんなくなるので、それぞれ特徴的なものだけを例示します。

なお、これらの答案は、すべて合格の最低基準を満たしていますが、満点の答案とは断言できない部分もあります。また、それぞれのレポートには4つの課題に対する回答が含まれていますが、そのうち課題3の解答例となる部分は「問1」のみです。

・eラーニングファンダメンタル分析(たけちゃん) [答案]
※eLF2003の受講者が分析の対象として、eLF2003自体を取り上げた危ない例。
  これを例示することで、本科目が分析の対象から除外されます(よね?)。

 
・個人情報保護セミナーセキュリティ対策編(てんてんさん) [答案]
※第2回の事前学習で例示したeラーニング事例の分析例。分析の対象となった
  ものについては、第2回のリンクから参照することができます。

 
・園田学園女子大学のユニット制入門情報教育(寺嶋浩介さん)[答案]・[添付書類]
※大学教育にeラーニングを取り入れた事例の分析。公開されていない事例なので、
  どんな事例かが分かるように説明を既存の文書添付で補ったもの。
  ちなみに、この実践、は鈴木が個人的にとても注目しているものです。