熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
9.構成主義:正統的周辺参加と足場づくり

◆ジャスパー・プロジェクト ◆

構成主義の考え方を小学校の算数教育に応用したとして注目が集まったものに「ジャスパー冒険物語」シリーズがある。1980年代に最も注目を集めたのが「ミミ号の冒険」であったが、1990年代に最も注目されたプロジェクトはこれだった。筆者は、1995年にこのプロジェクトを詳細に検討し、その結果を日本教育メディア学会の論文誌「教育メディア研究」に投稿・採択された。ここでは、この論文を読んで、これまで述べてきた構成主義の様々な考え方がどのようにこのプロジェクトに反映されていたのか(あるいは反映されていなかったのか)について考察して欲しい。論文の最後の方に「状況論的リアリティと教室学習」という解説を試みた箇所があるが、まずは、どんなプロジェクトだったか、最初から読み進めてください。どんな教材だったのかについては、参考リンクに写真などが出ているので、そこからイメージを膨らませてください。

鈴木克明(1995)「教室学習文脈へのリアリティ付与について―ジャスパープロジェクトを例に―」『教育メディア研究』2(1) 13 - 27

発展:インターネットを使って専門家と協同作業を呼びかけるプロジェクトも最近増えている。「GLOBEプロジェクト」や「ワールド・ウォッチャー・プロジェクト」(三宅・白水、2003、第11章:今井・野島、2003、第9章)は、その一つだ。インターネットによって学びの共同体をつくり、そこに「正統的周辺参加」をしていく仕掛けとして見ると、何が見えてくるだろうか。