目次:
【第1回】はじめに:OSの基本動作とファイルシステム 第1章
第2章
--パスワード
--キーボード操作
--日本語入力
第4章
第5章
--十進法と二進法
第6章
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PCやインターネットを利用するための二進数
【本節の目的】
二進数についてネットワーク利用を念頭に再度学習します。 二進数の復習PCやネットワークの中は、デジタルの信号、すなわち"ON"か"OFF"か、 別の言い方をすると、"1"か"0"か2通りの値しかとれない信号が流れています。 ところで、"1"か"0"しか値を取らないと言うことは...思いだしませんか? そうです、「二進数」です。つまり、PCやネットワークを知るには、 二進数の知識がある程度必要なのです。 そこでまず、インターネットの基礎を学ぶ前に、二進数について少し復習しましょう。 (毎週、確認テストに問題が出ているので、少しは馴染深くなったでしょうか。)十進数と二進数の関係を表に示します。相互の関係を眺めてみてください。
[演習 10]
上の表の最下段のボタンを利用して、十進数 10、20、40、80 を、 それぞれ二進数に変換して、お互いの関係を確認しなさい。 また、二進数 10000、1000、100、10 を、それぞれ十進数に変換して、 お互いの関係を確認しなさい。 ここで、以下の3つは、まず暗記して下さい。
情報量 (ビットとバイト)一桁の二進数は、"0"か"1"になりますね。 この"0"もしくは"1"は、いわゆる「数」ではなく、 「(コインの) "表"か"裏"」あるいは「(スイッチの) "ON"か"OFF"」 などのように「2つの状態を区別する記号」と考えることもできます。 それでは、「春」「夏」「秋」「冬」の 4つ状態(季節)を、 二進数で対応づけるならどうしたら良いでしょう? それには、以下のように二桁の二進数に対応させることで解決できますね。
このように、二進数の桁を増やすことで、 区別できる状態の数をどれだけでも増やすことができます。
実は、「状態を区別する」ということは、
「情報 (の量)」と関係が深いのです。 あまり良い例ではありませんが、ある大学教員の情報を考えてみます。 例えば、男か女か、年齢が45以上か、眼鏡を掛けているかいないかなどそれぞれが、 その教員に関する「情報」となります。 これらの「情報」は、「色々な属性をもった人間という集団の中から、 限られた個体を限定(特定)する属性を選んで(区別して)いる」ことになります。 これら限定要素それぞれが、いわゆる「情報」なのです。 ここで、「白黒をつける」というように、 「二つの(状態の)うち、一方(の状態)に限定する」ことが、 「情報」の基本単位(最小単位)ということになります。 つまり、色々な事象を「どちらかに決める」ということの組み合わせで、 情報が成り立っていることになります。 この「情報」の最小単位量を、 一般にビット(bit)と呼びます。 前の教員の情報の例でいうと、性別、年齢(45才以上かどうか)、 眼鏡をかけているかどうか、 情報基礎担当かどうかという4つの事象の組み合わせなので、 「4ビットの情報」ということになります。 (註) ビットは、binary digit の略です。この節の最初に述べたように、 二進数一桁で「二つの状態を区別して」表わすことができますので、 通常ビットは、二進数と対応付けて考えられます。 例えば、2ビットというと、二進数二桁と考えれば良いのです。 四季は2ビットで表わすことができましたね。 また、PCやインターネットで文字データは、8ビットで表わされることが多いので、 8ビットのことを1バイト(byte)と呼びます。
◆ 「数」と「状態」
「数」と言うのは、「数という状態」が、 どの状態であるかを表わしていると、考えることができます。 例えば、ものを数えるとき、「無い」、「一つ」、「二つ」と「たくさん」しかない、 未開の国を考えます (実際に、そんな国はありませんが)。 つまりこの国では、「二つ」より多いと、「たくさん」としか数えず、 3個だろうと、1000個だろうと、すべて「たくさん」と数え、 区別しないことになっています。
それで、この国では、数字は多くても、4つしか必要ありません。
その理由がわかりますか? 我々は上で考えた国とは違い、すべての数を区別しますので、 数字をいくつ作ってもきりがありません。そこで、必要な数だけ桁数を増やして、 数(状態)を表わす(区別する)ようにしているわけです。 |