熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第1回】はじめに:OSの基本動作とファイルシステム
第1章
第2章
第4章
第5章
第6章
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DNS --ネットワークやサーバに名前を--

【本節の目的】
ネットワークやネットワーク上のコンピュータに名前を付けるDNSについて学習する。

DNS(Domain Name System)の概要

IPアドレスは、ネットワーク上のコンピュータには必須のアドレス(名前)ですが、 数字の並びだけなので覚えにくい上に、現実の世界との対応付けが困難です。

現実の世界で、世界で厳格に統一管理された名前といえば、住所がその代表です。
たとえば、熊大の住所は、下図のように表わすことができます。

上図を、文字だけで表わしてみると、以下のようになります。

39番地.2丁目.黒髪.熊本市.熊本県.日本国

順序は、国名などの大きなカテゴリを後 (右側) に置く、西洋式の表記にしています。

このような住所のルールを真似て、 ネットワークおよびネットワークに接続されたコンピュータに、 人間に分り易い別名を付ける仕組を DNS (Domain Name System)と呼びます。

例えば、以下が、DNSを利用してコンピュータに名前を付けた例です。

mail.st.kumamoto-u.ac.jp

また、下図は、上の名前を図示したものです。

これなら、日本国(jp)にある、 熊本大学(kumamoto-u)というのが、名前を見ただけで想像できますね。 ちなみに、上記のサーバのIPアドレスは、133.95.34.20 で、 こちらが言わば本名で、mail.st.kumamoto-u.ac.jpは、愛称のようなものです。 このように、DNS で付けられた コンピュータの名前を FQDN (Fully Qualified Doman Name) と呼びます。

上で、FQDNは、愛称のようなものと書きましたが、DNSは、 IPアドレスと同様に世界で厳格に管理されており、 勝手に愛称を付けることはできません。なぜならば、 厳格に管理されているIPアドレスの別名を管理するシステムだから、 管理されない勝手な別名がIPアドレスに付けられてしまうと、 IPアドレスを用いた通信ができなくなってしまうからです。


DNSの利用

例えば、皆さんがWEBブラウザで、 http://www.el.kumamoto-u.ac.jp/ というURIを表示させようとしたとします。 ところが、WEBブラウザ(もしくは操作中のPC)は、 www.el.kumamoto-u.ac.jp というFQDN (別名)が表わすコンピュータのIPアドレス (本名)を知りません。更に、コンピュータ(PC)は、 FQDNを使って直接通信することはできず、 必ず通信相手のIPアドレスを知る必要があります。

そのため、一般のコンピュータ(PC)は、 DNSを管理している DNSサーバ と呼ばれる特別なサーバに問い合わせて、 FQDNで表わされたコンピュータの(本名である)IPアドレスを教えてもらいます。 これを行うことではじめて、 本来の通信相手と通信を行うことができるようになります。

以下の図を参考にその動作を理解して下さい。















(註) 上記のシステムが動作するために、PCのネットワーク設定をするときには、 お世話になるDNSサーバを必ず指定しなければなりません。 実は、 DHCPでIPアドレスが自動設定されるときは、DNSサーバも自動的に設定されています。
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