熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第3回】アプリケーションソフト:Office系Tool
第1章
第3章

自動計算

【本節の目的】
各種計算が自動的に行われていることを理解し、その利用方法を確認する。

自動計算


[演習 21]
ここをクリックしてファイル(ex3.sxc)をダウンロードし、 保存した後、 StarSuite Calc (表計算ドキュメント)を起動し、 ダウンロードしたファイルを読み込みなさい。
このファイルは、前節に作ったファイルと、ほぼ同じであるが、 説明の都合上、一部変更してある。 以下の手順を実際に実行して、Calcの計算式の自動計算機能及び、 参照セル番地の自動計算機能を実際に体験し理解しなさい。


計算式の自動計算


スプレッドシートでは、どこかのセルの内容が変わると、 セルを参照している計算式は、 (内容の変わったセルを参照しているかどうかに係わらず)自動的に再計算されます。

例えば、「B3」セル(熊本太郎さんの算数の成績)を 「75」点から「80」点に変えると、以下のように「B3」セル以外に、 3箇所のセルが自動的に書き変わります。






これは、「B3」セルの内容が変更されたので、 すべての式が再計算され、 「B3」セルを参照して(利用して)いる上の3箇所のセルの値が変わったのです。
このように、スプレッドシートでは、データや式が変更になると、 計算式を含むセルで自動的に再計算が行なわれますので、 データや式の変更を気軽に行なうことができます。 こんなこと、手書きの表と電卓では、 やる気がしませんよね。

(註) しかし、大きな表を作成するときには、 データを入力するたびに再計算をされては、再計算の間待たされることになり、 逆に使いにくくなります。そのようなときは、 「ツール」メニューの「セルの内容」→「自動計算」のチェックを外すことで、 自動的に再計算をするのを止めることができます。ただしそのときは、 必要な時に再計算を忘れずに手動で行なわないと、 式の結果が間違ったものになってしまいます。(上記「自動計算」の上の 「再計算」を選択することで再計算を実行します。)

参照セル番地の自動計算

まずは、以下に示しますように、空の行を1行挿入してみましょう。
その前に、今、 変更したセル「B3」を、元の「75」に戻しておいて下さい。 (「Ctrl」キーを押しながら「z」キーを押しても戻すことができます。)

行や列の挿入は、 一般的には以下のように行ないます。

  1. 挿入したい場所の次の行番号(もしくは列番号)をクリックして、 行(もしくは列)全体を選択し、
  2. 行(もしくは列)番号欄のどこかでクリックし、
  3. 「行の挿入」(もしくは「列の挿入」)を選択する。

ここでは、熊本太郎さんの行の上に1行挿入してみます。

  1. 「3」の行番号をクリックして3行目を選択した後、


  2. 行番号欄のどこかでクリックし、 「行の挿入」を選択します。


  3. すると、空の行が挿入されます。


これにより、3行目以降は、 行番号が1つづ増えることになります。
例えば、熊本太郎さんの算数の点数(75点)が入っているセル番地は、

  • 挿入前 → 「B3」
  • 挿入後 → 「B
のように変化します。

そこで、困ったことになったとは思いませんか?
確認のために、先週の最後の状態を以下に示します。



上図のように、例えば、算数の合計を式で求めるとき、セル「B7」に、 以下の式を書きましたね。

    =SUM(B3:B6)
  (見やすいように、 全角文字で書いてありますが、 実際はすべて半角文字で書く必要があります。)

これは、「B3」から「B6」までのセル合計を求める式でしたが、 3行目に1行挿入したことによって、 このセル範囲を変更する必要が出て来てしまいました。 すなわち、上の式を、

    =SUM(B4:B7

に、変更しないと、 算数の合計を求めることができなくなってしまいました。 これを、一々書き直すのは大変ですね。

ところが、スプレッドシートでは、 このような行や列の挿入や削除が行なわれると、 式中の参照セルの番地は、自動的に計算されて、 こちらが指定している通りに自動的に変更されるのです。

挿入後のセル「B8」をアクティブセルにしてみると、 以下の図のようにそれが確認できます。



便利でしょう!

今度は、更に、黒髪次郎さんの上に行を挿入してみましょう。



この場合も、算数の合計を表示(計算)するセルである「B9」の式は、 以下のように、挿入した行も含んで正確に変更されていることが分かります。


このように、スプレッドシートは、行や列の挿入を行なっても、 式中で参照しているセルは、我々が指定したものから変わらないように、 セル番号を自動的に調整してくれるという機能をもっていますので、 とても使いやすいということが分かったと思います。


この節の最後に、挿入した2行を消して、元の状態に戻すことにしましょう。

行や列を消去するには、 一般的には以下のように行ないます。

  1. 消去したい行番号(もしくは列番号)をクリックして、 行(もしくは列)全体を選択し、
  2. 行(もしくは列)番号欄のどこかでクリックし、
  3. 「行の消去」(もしくは「列の消去」)を選択する。
もし、今回のように、離れた複数の行を同時に選択して、 同時に消去したいときは、 Ctrlキーを押しながら対象となる行番号(もしくは列番号) をクリックすることで選択することができます。

具体的には、以下のようにします。

  1. Ctrlキーを押しながら、 行番号「3」と「6」をクリックします。
  2. もし、間違って別のセルを選択したら、もう一度その行番号をクリックすると、 選択されなくなります。

  3. 行番号欄のどこかでクリックし、 「行の消去」選択します。


  4. これで、元通りになりました。


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