HyperCardを使った教育用スタックの作り方

—大学教員のための実践的教材設計入門—

東北学院大学教養学部 鈴木克明・佐伯啓


あなたも教育用ソフトを自作してみませんか?

 あなたの講義をさらに面白く、わかりやすく、そして魅力的なものとするために、教育用ソフトを自作してみませんか?ここでは、主に高等教育機関の先生方を念頭に置き、それぞれの研究・教育活動をサポートするためのコンピュータ教材を自作する実践的ノウハウを解説します。「思いどおりのアプリケーションを自由に作れたら最高だろうけれど、コンピュータのプログラミングなんて自分にはとうてい無理」とお考えの方も、心配はご無用。家庭用のMacintosh一台と、Macintoshに付属しているソフトウエア作成日曜大工セットHyperCardがあれば、準備はO.K.です。実際にHyperCardを使って開発されたドイツ語学習ソフトの作成プロセスを例に挙げながら、どなたでも気軽に取り組めてかつ着実に教育効果の上がる教材づくりをご紹介しましょう。すでにHyperCardで教材開発を始められている方、あるいは本格的にコンピュータ言語をあやつれる方にも、教材設計論の研究成果を踏まえた本論の開発手法は十分参考にしていただけると思います。


はじめに —コンピュータ教材作成のための4つの要素

1. 教材の中身を考える — 教材のアイディアと素材の吟味

2. プログラミング言語を決定する — HyperTalkのスクリプティング

3. 教材を設計する —教材の位置づけと構成

●教材の位置づけを明らかにする—ガニェの9事象

●教材を構成する

ポイント1. 全体の構造を考えるポイント2. 利用者の制御に配慮するポイント3. 出題方法を工夫するポイント4. 情報提示の仕方を工夫するポイント5. 回答処理とフィードバック

4. 教材を評価し改善する

ポイント1. 専門家による内容のチェックポイント2. 教材利用者によるチェックポイント3. 教材評価のためのテストポイント4. 教材の共有化に向けて

参考文献 — もう少し知りたい方のために —