熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第6回】HTMLの基本文法、エディタ、メタ情報
第1章
第3章
第4章
第5章
第6章
現在の場所: ホームページ > [2]HTMLとCSS > 【第6回】HTMLの基本文法、エディタ、メタ情報 > 第5章 > HTMLの基本構造とHTMLファイルの作成

HTMLの基本構造とHTMLファイルの作成

【本節の目的】
Webページの構成要素で一番重要なHTML(HyperText Markup Language)の基本構造と、 HTMLファイルの作成方法の基本を学びます。

HTML中の「タグ」の基本

HTMLは、表現したい(公開したい)文章を、意味あるブロック(塊)に分割し、 それぞれのブロックの位置づけを明らかにします。 そのブロックの範囲を明確にする識別子(記号)を「タグ(tag)」と呼びます。 タグは、 括弧(「<」と「>」)および括弧で囲まれた文字の並びです。

例えば、以下がタグの例です。「熊本大学」という文が、 <strong> 及び </strong>というタグで囲まれています。

<strong>熊本大学</strong>

タグに関する共通の約束を以下に示しますので忘れないようにして下さい。

  • タグの名前は要素名
    タグの名前(識別子)は「要素名」と呼びます。 上の例のタグでは、strong が要素名になります。

  • <要素名>表現したい内容</要素名> という形で記述
    <要素名>を「開始タグ」、 </要素名>を 「終了タグ」と呼び、 表現したい内容を開始タグと終了タグで、きちんと囲む必要があります。 終了タグには、 「/」スラッシュが要素名の前に入っていることに注意して下さい。
  • (註) 要素の多くは開始タグと終了タグの一対が必要ですが、例外的に、終了タグの無い要素ものもあります。 そのようなタグは、説明時に注意します。

  • タグを構成している基本的な文字は、すべて半角文字で記述
    タグを作っている「<」、「>」、要素名、終了タグの「/」は、 すべて半角文字で記述する必要があります。(後述する「属性名」も半角文字です。)
  • (註) 秀丸エディタでHTMLファイルを作るときは、 タグの部分は、本文と色が異るため見ただけで区別できます。もし、 色が本文と同じ(黒)であれば、 間違って全角文字でタグを書いていると思われます。

  • 要素に「属性」を付加することが可能
    タグに、特定の機能を追加するために、属性を付加することができます。 属性を付加するには、 開始タグを <要素名 属性名="属性値"> という形式で記述します。
    その例を次に示します。
    <a href="http://www.el.kumamoto-u.ac.jp/">熊大情報教育ページ</a>
    
    上の例で、開始タグは以下のように構成されていることになります。
    • 要素名:a
    • 属性名:href
    • 属性値:http://www.el.kumamoto-u.ac.jp/

    属性を追加するときは、以下のことに注意して下さい。
    • 要素名と属性名は、半角スペースで区切る
    • 属性名と属性値は、半角文字のイコール「=」でつなぐ
    • 属性値は、半角文字の引用符「"」で囲む
    • 属性名は必ず半角文字で記述するが、 属性値は状況に応じて大文字と小文字を使ったり、 日本語を含めることもできる

    属性は複数指定することも可能です。例えば、
    <a href="http://www.el.kumamoto-u.ac.jp/" target="_blank">
    熊大情報教育ページ(新規ウィンドウで表示)
    </a>
    と hrefに加えて、target (表示場所の指定) を属性として加えることができます。
    target属性は、独自につけた名称をもったフレームやウィンドウに表示することや、次のような登録済の名前を利用することもできます。
    • _top:フレーム表示を解除し、ウィンドウ全体に表示
    • _black:新しいウィンドウを開き、表示
    •  
     
    登録済の名前には、_self, _parentもあります。その動作を調べてみてください。


HTMLファイルの基本構造

HTMLファイルの基本的な構造は、下図のようになっています。

HTMLファイルの構造

まず、html要素 (<html> ? </html>) により全体が囲まれていることで、 文書全体が HTML(のブロック)であることを示しています。

次に全体が、head要素 (<head> ? </head>) と body要素 (<body> ? </body>) で、 2つのブロック(塊)に分けられているのが分ります。
head要素は、その文書の基本情報を指定する部分で、 基本的にここに書いた内容はWebブラウザ画面に表示されません。 ただし、図中のhead要素中にある title要素 (<title> ? </title>) は、 例外で、Webブラウザの最上部やタブ部に表示されるWebページ名を記述します。
body要素は、HTMLファイルをWebブラウザで開いたとき、 実際にWebブラウザに表示される内容を記述する部分です。

ここで示した4つのタグは、HTMLの最も基本的なタグですので、 HTMLファイルを作るときには、必ず書くようにして下さい。

ところで、上の図では、4つのタグが、お互いの包含関係が分かるように、 インデント(行の先頭の字下げ)が行っています。 html要素は、全体を取り囲む最大のものですので、行の先頭から書かれており、 それに含まれる head要素と body要素は、 行頭から少しインデントして書かれています。ただし、 head要素とbody要素は包含関係としては同列(同等)ですので、 同じレベル(行頭からの長さが同じ)のインデントになっています。
最後に、title要素は、head要素に含まれるため、 head要素より更にインデントして書かれています。

また、対応する開始タグと終了タグは、それぞれ同じレベルから書かれているので、 どこから始まって、どこで終っているのかが分りやすいですね。

これらのインデントにより、論理的な包含関係(階層構造)が、 見ただけですぐ分りますから、タグを間違って書くことが少くなります。

実は、HTMLでは、「半角空白」と「改行」は、 区別無く「空白」として取扱われますし、 「複数の空白」は、「1個の空白」として取扱われます。 例えば、下の2つのHTMLファイルは見た目は、随分違いますが、 実際にWebブラウザで読みこむと全く同じ表示をします。 つまり、HTMLの文法上は、どちらも全く同じものと扱われます。

インデントありHTML

インデントなしHTML

論理的な包含関係の把握や開始タグと終了タグの対応の把握等が容易ですので、 皆さんは、上の図の書式を基本にして書くことを強く勧めます。


HTMLファイルの基本的な作成方法と確認方法

[演習2: HTMLファイルの作成並びに確認方法の基本]

説明に従い、自分自身で実際に操作を行って下さい。
本演習で習得するのは以下の事項です。

  1. (秀丸)エディタによるHTMLファイルの作成方法
  2. (作成した)HTMLファイルのWebブラウザでの表示を確認する方法
  3. (作成した)HTMLファイルを修正する方法
  1. 現在、秀丸エディタで開いている 「week06\ex1.html」という空のファイルに、 これから説明する指示に従ってHTML文書を入力して下さい。 (最終形は以下のようになりますが、ここでは良く見なくて結構です。)
  2. htmlサンプル

    1. まず、一番大きな(一番外側の)ブロックである html要素を書きましょう。 その際、開始タグと終了タグは、「/」を除いて同じですので、 コピー&ペーストで書きます。また、 インデントの位置も揃えて書きます (ここでは、一番外側のブロックですから、行頭に揃えて書きます)。
      html要素の開始タグを半角文字で書いたら、 そのタグ全体をマウスで選択した後、 マウスを右クリックして「コピー」を選択します。 続いて、カーソルを次の行の先頭に移動し、 マウスを右クリックして「貼り付け」を選択して、ペーストします。
      (註) 行末にある緑色の「↓」は、改行文字を表わしています。

      htmlタグ(1)

      ↓

      htmlタグ(2)
      ↓

      htmlタグ(3)

    2. ペーストされたタグの先頭に「/」を書き、終了タグにします。 これで、html要素は完成です。
      このような手順でタグを書くと、終了タグを書く手間も楽になりますし、 終了タグを書き忘れる心配もありません。 エディタのコピー&ペースト機能を十分利用して下さい。

      htmlタグ(4)

    3. 次に、head要素を書きましょう。 head要素は、html要素に含まれますので、 インデントを1レベル下げて書きましょう。
      インデントは、TABキーにより行うと簡単です。 秀丸エディタの設定で、TABの大きさを「2」に設定しましたから、 TABキーを一回押すと、「TAB文字」が1つ挿入され、 カーソルは、空白2文字分開けた所に動きます。
      (註) head要素の行頭にある小さな「>」は、TAB文字を表わしています。

      headタグ(1)

    4. html要素のときと同様に、終了タグをコピー&ペーストで書いて下さい。

      headタグ(2)

      ↓

      headタグ(3)

      ↓

      headタグ(4)

    5. 同様に、title要素も書きましょう。title要素は、 head要素に含まれるので、更にインデントが1レベル下がっています。 TABキーを2回押しましょう。続けて、title要素の内容を書きましょう。 ここに書いた文章が、Webブラウザではページのタイトルとして、 Webブラウザ上部に表示されます。 タイトルは適当に書いてみて下さい。 その際、下図のようにインデントは更に1レベル下げた方が、 構造が明らかになります。 (TABキーを3回押して下さい。)

      titleタグ

    6. 最後に、body要素およびこのHTMLファイルの本文を書きます。 本文は、適当に書いて下さい。
      これで最小限のHTMLファイルの完成です。 完成したら、(上書き)保存を忘れないように行って下さい。 (後で修正しますので、秀丸エディタは開いたままにしておいて下さい。)

      bodyタグ

      (註) 空行 (改行文字だけの行) は、 ブロックに分れていることを明確にして、構造を見やすくしているだけです。 空行があっても無くてもWebブラウザ上の表示は同じです。 下図は、上図の空行を無くしたものですが、 Webブラウザ上の表示は同じになります。 その部分の複雑さにより空行を入れた方が分りやすいときに、 入れて下さい。

      空行無し

  3. HTMLファイルができたら (完成していなくてもある程度書いたら)、 まずWebブラウザで、 自分の思っている構造が実現できているか確認しましょう。
    確認の方法は、簡単で、 作ったHTMLファイルのアイコンをダブルクリックするだけです。

    「マイドキュメント」から「week06」に移動し、 今作った「ex1.html」のアイコンをダブルクリックして下さい。

    ブラウザで確認

    すると、ブラウザが開き、 ex1.html が HTMLの言語仕様に従って表示されます。
    先ほど書いたtitle要素の内容が上部の2ヵ所に、また、 body要素の内容が、ブラウザ画面に表示されいるはずです。

    ブラウザで表示

  4. 最後に、作ったHTMLファイルの内容を変更する方法を練習しましょう。 エディタでファイルが開かれている間は、 そのまま修正/保存すれば良いですが、閉じてしまったり、 PCを起動してから修正するには、 HTMLファイルの(秀丸等の)エディタで開くようにします。

    ここでは練習のために、秀丸エディタを開いている場合は、 まず秀丸エディタをすべて閉じて下さい。
    作った「ex1.html」のアイコンを右クリックして、秀丸(エディタ)を選択して下さい。

    ブラウザで確認

    エディタでHTMLファイルを開いたら、必要な修正を行って下さい。 下図はサンプルですので、自由に内容を書き変えて下さい。 ただし、ここでは、 title要素の内容および、body要素の内容の変更だけにして下さい。 それ以外の変更については、次回以降に演習します。

    アイコンを右クリック

    修正が終ったら、まずは(上書き)保存をしてください。
    次に、Webブラウザの「再読み込み」ボタン 再読み込みボタン をクリックし、修正したHTMLファイルを再度読み込み、再描画させましょう。

    reload

    すると、修正したHTMLファイルの内容(ページの表題と本文)が、 Webブラウザに表示されるはずです。

    修正後のブラウザ表示

    うまく表示されましたか? うまく表示できなかったら、 あるいは、もっと変更したかったら、再度、 秀丸エディタで修正・保存して、 Webブラウザで再読み込みボタンをクリックして確認して下さい。
Copyright Kenichi Sugitani 2005, All Rights Reserved