熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
11.教育学の2大潮流(1)

【第11回】教育学の2大潮流(1)系統主義と経験主義
~デューイは系統主義者か、それとも経験主義者か(テキスト3章まで)~

タスク11の説明

テキスト「経験と教育」の第3章までを読んで、デューイの言葉を味わいつつ、系統主義と経験主義についての理解を深めましょう(第4章からは次回で扱います)。ところで、この時代に書かれた文章(しかもその翻訳)は決して読みやすくはありません。時間をかけてゆっくり読むことを勧めますが、あまり時間をかけ過ぎると読み進む前に「眠っていた自分に気づく」ことになりかねません。

まずは、タスク11-1で、「この箇所は、系統主義のことを言っているらしい」「この箇所は、経験主義のことを言っているらしい」というところをみんなで拾い集めて、およそのイメージを作ってみましょう。タスク11-1掲示板には、スレッドが「系統主義:伝統的なカリキュラム」、「経験主義:進歩的なカリキュラム」、「その他:どちらかに収まりきれないが気になるところ」の3つ用意してあります。それぞれに該当する箇所に書き込んでください。

それが終わったら、タスク11-2に移って、「で、どうなのよ」という意見を自由に述べてください。お題は、「あなたは系統主義・経験主義のどちらを支持しますか?」です。自分の教育経験(教える側・学ぶ側)を振り返って立場を明確にしてみましょう。この掲示板では、自分で書き込んだら、他の書き込みにコメントすることもお忘れなく。盛り上がってみましょう!


タスク11-1:書込みの例

○系統主義:伝統的なカリキュラム
 「固定した統制と訓練が必然的に伴なわれている。」(p.13)
 →どのあたりが「必然的」なのかは読み取れませんでした・・・
 「統制と訓練は、子どもの本性である能力と興味を無視することになる。」(p.13)


○経験主義:進歩的なカリキュラム
「学校教育に対する反動」(p.13)>
「他方の極端ーー不完全なカリキュラム、行き過ぎた個人主義、はきちがえた自由を標榜する自発性ーーをしばしば助長している」(p.13)
 →あれ、デューイって進歩的な学校を目指した人じゃぁなかったんでしたっけ?


○その他:どちらかに収まりきれないが気になるところ
 「伝統的なカリキュラムには、固定した統制と訓練が必然的に伴なわれている。(中略)それら統制と訓練は、子どもの本性である能力と興味を無視することになる。しかしながら、今日、この型の学校教育に対する反動が、他方の極端ーー不完全なカリキュラム、行き過ぎた個人主義、はきちがえた自由を標榜する自発性ーーをしばしば助長しているのである。」(p.13)
 →編集者のはしがきの引用です。デューイは、その両方とも教育的にみて誤りであると主張している、と編集者は述べているのだが・・・

注記: 「 」の中が直接的な引用部分(句読点も含めてそっくりそのまま:略す場合は(中略)などと明記、該当ページも書く)で、→以降は、引用者の補足・付記

参考リンク:デューイ「経験と教育」英文(1-3章、7,8章のみ)by Molloy College’s Sofia Project(リンク切れ)