熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
4.学習目標の分類学と適性処遇交互作用

◆ ガニェの学習成果の5分類 ◆

ガニェ(Robert M. Gagne, 1917-2002)はID理論の生みの親、鈴木の師匠である。 ガニェのID理論は「9つの教授事象(学習を支援する働きかけ)」と「学習成果の5分類」の2つの屋台骨から成り立っている。学習成果の5分類を詳細に紹介した鈴木の文章を読んで、理解を深めて欲しい。 おっと、「理解を深める」などという曖昧な表現はよろしくない。この文章を読んだあとは、学習目標を読んだり書いたりしたときに、「その学習目標がどの種類かを分類できるようになることを目指して欲しい(ガニェの分類では、これは知的技能)。さらに、分類することの意味(分類するとどんな良いことがあるのか)がわかることで、学習目標を読んだり書いたりするときに、「この目標は○○に分類される」ということを常に意識するようになって欲しい(これは「態度」の目標)。その程度まで 「理解を深めていただく」ことを願っています。

第3章 授業のねらいを分類する枠組み(鈴木克明)
 『放送利用からの授業デザイナー入門~若い先生へのメッセージ~』日本放送教育協会(1995)


注:この本は、月刊誌「放送教育」(休刊中)に連載した講座をもとに書籍化したもので、現在絶版中であるが、下記に未定稿全文が掲載されている。第10回(前回)の指定論文(キャロルの時間モデル)もこの本の第一章でありました。留学から戻った若き日の鈴木のメッセージが熱く語られている文章だ、という感想を最近頂戴した。「放送教育」という狭い分野のことを念頭に書かれているが、これこそがID入門書だ、という見方もある。「放送教育」を「eラーニング」に置き換えても読めるかもしれません。よろしければ、どうぞご一読ください。
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/ksuzuki/resume/books/1995rtv/rtvcont.html