熊本大学大学院教授システム学専攻
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6.教育メディア研究の知見とメディア選択
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◆ 世界初のマルチメディア教材「ミミ号の航海」と「パレンケ」への冒険 ◆

「ミミ号の航海」(The Voyage of Mime)は、米国バンクストリート教育大学によって制作された鯨の生態調査の冒険物語を軸にしたマルチメディア教材である。1981年アメリカ教育省の公募による理科・数学教育用のマルチメディア教材開発で選ばれ、開発に40ヶ月、約7億円の補助を受けて1984年に完成した。対象は小学校4年生から中学校2年生で、学校での使用を前提に開発され、今日でも広く活用されている。単に知識を教え込むのではなく、科学的探求の過程や科学的方法を用いることを重視し、「科学する」ことに力点をおいた。「ミミ号の航海」は、様々な教育メディアを有効に組み合わせてパッケージ化した教材であり「世界初の本物のマルチメディア教材」との宣伝文句が用いられた。パッケージは、主幹メディアのテレビドラマシリーズを中心に、テレビドキュメンタリー、教科書、掛け図、コンピュータソフトなどの教材群からなっていた(鈴木、1997)。

マルチメディア教材がアナログからデジタルに進展した経緯を「ミミ号の航海」と「パレンケ」を比較することで検討してみよう。鈴木が1997年にまとめた論文に下記からアクセスして読んでください。その他の2本は参考論文として興味がある方向けの発展資料です。

◆ 指定論文 ◆
  • マルチメディア教材の変遷 (鈴木、1997:第2節)
    赤堀侃司編著(1997)『高度情報社会の中の学校~最先端の学校づくりを目指す~』ぎょうせいに所収(第3章)
◇参考文献◇ ◇参考サイト◇
  • IMBbユーザコメント「ミミ号の航海」(1984)(リンク切れ)
    当時の小中学生が「あれはひどかった」などとのコメントを寄せている一方で、 教育的にこんな意味があったんだ、という反論などもあり、なかなか興味深い。
  • バンクストリート大学の製品紹介(1ページのみ)(リンク切れ)