熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第5回】ペイント系ソフト、画像ファイルの形式とその特色
第1章
第2章
第3章

ペイントとは

【本節の目的】
PCで絵を描く基本的な仕組みの習得

PCで絵を描くソフトウェアは、おおよそ2つの種類に分けられます。 「ペイント(paint)」は、そのうちの一つの総称です。通常、 単に「ペイント」と呼んだり、あるいは、 「ペイント系ソフトウェア」と呼んだりします。 今週は、この「ペイント」について学習します。

PCの画面の構成

PCに絵を描くには、 以下のPCの画面の基本的な仕組みを少し知っておく必要があります。
  • 色は、光の三原色である 赤(Red)、 緑(Green)、 青(Blue)を混ぜ合わせることで表現されます。
    下のバーは、色表現のサンプルです。 バーの下にある三原色のそれぞれの明るさ(強さ)を、 0?255の範囲で変えることで、 いろいろな色を出すことができます。
    最初は、緑色になっていていると思います。これは、 三原色うちの1つである緑(G)をいっぱい明るくして(レベル:255)、 残りの赤(R)と青(B)を全く光らないようにして(レベル:0)あるからです。

    (16進表現)
    赤(R):   緑(G):   青(B):
    (0?255)       (0?255)      (0?255)     
    R、G、Bの明るさを適当に変化させて、 いろいろな色が表現できることを確認して下さい。
    明るさを変化させるには、「▲」や「▼」をクリックしても良いですし、 数字が現われている箱の中に、 半角数字で直接、 数値を0?255の範囲で書いてください。
     例えば、以下のようになるはずです。
    • R、G、Bの明るさが全部「0」であれば、「黒」
    • R、G、Bの明るさが全部「255」であれば、「白」
    • R、Gの明るさが「255」で、Bの明るさが「0」であれば、「黄」

  • PCの画面はピクセル(画素)の集まりです。
    • PCの画面は、小さな粒(ピクセル)で構成されています。
      最近のディジタルカメラには、 「5百万画素」とか「5メガピクセル」とかの宣伝文句がついていますが、 これからも、画面あるいは写真のデータが、 ピクセルからできていることがわかりますね。
    • 1つのピクセルは、更に、 赤(R)、緑(G)、 青(B)の非常に細かな3つの点(素子)で構成されています。
      模式図では、これらの素子は三角形の頂点にあるように描いています。 ブラウン管(CRT)のディスプレイでは、 おおよそこのような配列になっています。


    • 「液晶」のディスプレイは、上の模式図と異なり、 1ピクセル中には、赤、緑、青の素子が縦に並んでいます。 黒白の「まだら模様」を表示したとき、 画面を拡大すると下のようになります。


    • このR、G、Bのそれぞれの強さ(明るさ)を調整することで、 ピクセルの色は設定されます。 (R、G、Bの点は非常に小さいので、我々の目には、 それらを混ぜ合わせた色に見えることになります。)
      例えば、赤色のピクセルは、 Rを一番明るくして、 GとBを一番暗いレベルにする(光らせない)ことで作ることができますし、 黄色のピクセルは、 RとGを一番明るくして、Bを一番暗いレベルにして作ることができます。 RGBを全部一番明るくすると、そのピクセルは、 白色になります。


    • 上の絵では分かりやすいように、一番暗いレベルにしたときは、 白抜きの円で描いていますが、実際は、 真っ黒(暗)で何も見えません。

  • 色を塗ることは、ある範囲を全部同じ色のピクセルにすることです。

  • 直線や曲線を描くことは、同じ色のピクセルを並べることです。



ペイントの特徴

ペイント(系ソフトウェア)の基本的な機能を以下に示します。
  • 絵筆をもって、PCの画面に絵を描くことができます。 もちろん、絵筆の太さや色を変えることができます。
  • 図を拡大して描くと、 ピクセル単位に色をつける(変える)こともできます。
  • 「前景(フォワグラウンド)」の色や、 「背景(バックグラウンド)」の色を指定することができます。
  • 領域を指定して、コピー、切り取り、 貼り付け、移動すること ができます。
  • 「消しゴム」機能があり、不要な所を消すことができます。
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