「教育情報処理」「教育の方法・技術g」(概要)
2001.4.13.更新
宮城教育大学
2000年版ヘ
担当者:非常勤講師 鈴木克明
連絡先:岩手県立大学ソフトウェア情報学部
住所:〒020-0193岩手県立大学ソフトウェア情報学部(住所不要)
電話:019-694-2670(研究室直通)
E-mail: ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp
URL: http://www.et.soft.iwate-pu.ac.jp/
○テーマ○
コンピュータの教育利用について学ぶ:機械に振り回されないために
○内容○
コンピュータの教育利用について、教師の仕事を援助する活用法と学習指導に生かす活用法の両面を概観する。情報活用能力の育成、教授メディアの活用、システム的アプローチなど現代的な教育の方法及び技術とそれを支える理論についても扱う。講義だけでなく、コンピュータを用いた学習体験やワープロ使用のレポート作成も取り入れる。
○講義をうけるための条件○
楽に単位が取れる科目ではないことを認める広い心と忍耐力。
この講義をうけて無事に単位を取得するために特別要求される前提知識・技能はない。レポート作成などではキーボードからの入力が必要となるので、英文タイプかワープロの経験があればそれに越したことはない。経験がなければこの際多少の時間をかけて慣れてしまう覚悟も必要。
○評価方法について○
この講義での評価は、
1.講義に出席し、コメントを毎週提出すること(電子メール使用)。
2.半期を振り返って、レポートを講義終了時に提出すること(電子メール使用)。
3.コメント以外の任意課題(別紙参照)に取り組むこと。
の3点で行う。単位取得の最低条件は、10回以上の出席(コメント提出)とレポートの期限内提出とする。教育実習等での欠席は、コメント以外の課題で補うことができる。
○講義の進め方について○
- 毎週の講義は、スケジュールにしたがっておこなう。40分から60分程度の話をすることを中心とし、残りはコメントを書く時間等に充てる。週によってはビデオを見たり,コンピュータ学習体験やコンピュータ利用の実演や演習を取り入れる予定。
- 講義を受けてのコメントを、毎週作って電子メールで提出する。必要に応じて,やり方は、初心者であることを前提に指導する。締め切りは翌週木曜日PM9:00とし、鈴木からの返信を印刷して次の講義に持参し,点検を受けること(返信を読んでから次の講義を聞いて欲しいので)。電子メール常用者は自宅などで作業してよい。
- レポートは、7月末日PM11:59を提出期限として、次の2つの点について作成し、提出する(電子メール使用を条件とし、無事ついたことを返信を読むことで確認すること)。
(1)この講義から得た収穫ベスト3(主観的な重要度順,理由付)
(2)「教師になったらコンピュータをこう使う」3種(授業での利用を含むこと)
○参考書○
鈴木克明・井口巌・鷲尾幸雄(1997)『独学を支援する教材設計入門—教えることの奥深さと糸口を知るために—』東北学院大学教育工学研究室(DTP出版)、1,111円[Web版]
東北学院大学の教職専門科目「教育方法」のために自作したテキスト。独学で独学用のプリント教材をつくるプロセスを体験的に学ぶことを支援するもの。あらゆる教材づくりの参考になる(と思う)。
鈴木克明(1995)『放送利用からの授業デザイナー入門—若い先生へのメッセージ—』(放送教育叢書23)日本放送教育協会、1,900円
キャロルの学校学習モデル(1章)、ガニェの9教授事象(2章)と学習成果の分類(3章)、ケラーのARCSモデル(5章・6章)、ブランソンの情報技術型学校モデル(9章)、沼野の成功的教育観(11章)などをカバーしている授業設計入門書。主に小・中学校で学校放送番組を利用している先生を念頭に授業設計論を解説したものであるが、どのメディアを使う場合にも参考になる(と思う)。
赤堀侃司編著(1997)『高度情報社会の中の学校〜最先端の学校づくりを目指す〜』(学校変革実践シリーズ第3巻)ぎょうせい,2,600円。
鈴木がマルチメディアの教育利用について書いた章「3章 マルチメディアと教育」が含まれている。
子安増生・山田冨美男編著『ニューメディア時代の子どもたち』 有斐閣教育選書、1900円
新しいメディアに囲まれた子どもたちの遊びと学びについて、心理学研究の各領域で活躍する研究者が中心になって先生と親に向けて書いた本。鈴木がARCSモデルについて紹介しながらメディア教育への動機づけについて書いた章(第8章)が含まれている。
水越敏行著(1990)『メディアを活かす先生』 図書文化、1,300円
教育方法学、視聴覚・放送教育で日本をリードする関西大学教授(日本教育工学会長)の入門書。教育におけるコンピュータ利用を考えるために,情報活用能力、メディアリテラシーなども扱っている。
佐伯胖著(1997)『新・コンピュータと教育』 岩波新書
認知科学、教育工学の論客、東京大学教授の著作。コンピュータを考えることで教育を考える、教育を考えることでコンピュータを理解するための本。じっくり読むと奥が深い。買って損はない必読書。旧版(黄332)は絶版で手に入りにくいが,あわせて読みたい。
沼野一男(1986)『情報化社会と教師の仕事』 国土社の教育選書8、1,200円
プログラム学習、フローチャート式指導案などの第一人者、神田外語大学(元玉川大学)教授の著作。コンピュータ時代の教育に変わるもの、変わらないものは何かなどを問いかけ、教師はどうあったらよいか、何をしたらよいかを考えさせる本。鈴木が「師匠」として尊敬している人の入門書。
沼野一男・平沢茂編著(1989)『教育の方法・技術』 学文社、2,266円
一問一答式の教職課程用のテキスト。授業の設計を軸に広範囲の話題を扱い鈴木が分担執筆している。
池田 央(1992)『テストの科学』 日本文化科学社、2,000円
日本における教育評価研究の第一人者がテストづくりのイロハを解説する本。キャランドラのたとえ話はこの本からの引用。
文部省(1990)『情報教育に関する手引き』 ぎょうせい、1,400円
情報教育の指針をまとめた本。文部省が「情報教育」という言葉で何を意味しているかを知るための案内。中教審、臨教審などの答申や、新学習指導要領に盛り込まれた情報教育に関する解説付き。
○講義内容(暫定)○
講義の概要説明,個人差はどこから来るのか(キャロルの学校学習の時間モデル),学習意欲を高める作戦(ケラーのARCS動機づけモデル), 学習のプロセスを支援する作戦(ガニェの9教授事象),情報教育の動向(我々はどんな情報教育を受けてきたか), CAIを見る目を養う, 授業の評価とテスト(キャランドラのたとえ話),授業の設計とPDS(システム的アプローチ),リテラシーと情報活用能力,成績処理と表計算,マルチメディア・ハイパーメディア(ミミ号とパレンケは何が異なるか),インターネットとWWW, 授業の形態と未来の学校,助っ人を使いこなす(教育工学への誘い)
○オフィスアワーについて○
受講生が担当の鈴木とコンタクトを取りたい場合(質問など)には、講義の前後の時間を利用のこと。または、メールで上記まで連絡されたし。