熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第8回】URIとサーバ:SCP,FTP
第1章
第3章
第4章
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Webページの公開

【本節の目的】
Webページを公開するステップについて学びます。

WWWの仕組みとWebページ作成の再確認 (復習)

第6回で勉強しましたように、 WWWは、WWWサーバに置いてあるHTMLファイル等のWebページ用各種ファイルを、 Webブラウザにもって来て、Webブラウザで表示するシステムでしたね。

復習のために、動画を再度置いておきますので確認して下さい。

(公開科目では、動画は非表示にしています。)






ところで、第6回、第7回で簡単なHTMLファイルを作りましたが、 これもれっきとしたWebページ(用ファイル)です。 ただ、このままでは自分のPCで自分だけで楽しむことしかできません。 もちろん、作ったHTMLファイルをUSBフラッシュメモリなどにいれて、 友だちに渡せば、その友だちは見ることができます。が、 その場合もその友だちのみ見ることができるだけで、 他の人は見ることができませんね。
それでは、どうすれば他の人から見えるようになるでしょうか? それには、上のWebの仕組みで見たように、 Webサーバに皆さんの作ったファイルを、 インターネット上のWebブラウザからの要求に応じて、 提供してもらえば良いのです。 そうすることで、 皆さんの作ったWebページ (関連ファイル) が公開されることになるのです。

ここで、また復習です。Webページを作成する方法は、 どうするのだったか覚えていますか? 以下がその概略でした。

  1. Webページに必要なHTMLファイルや、 画像などのデータファイルをPC上で作成する
  2. 完成した各種ファイルをWebサーバの決められたフォルダに格納する

上記 1. のステップは、まだ初歩の初歩の段階ではありますが、 2回に渡り経験してきました。それでは、残りの 2. のステップは、 一体何をしているのでしょう? 実は、このステップで、皆さんのWebページを公開するのです。

すなわち、「Webページ用の各種ファイルを、 Webサーバの決められたフォルダに置く」 だけで、 Webページを公開することになるのです。簡単ですね。


Web公開に関連する技術など

Webサーバに、Webページ用のファイルを格納する前に、 Webサーバについていくつか確認しておきましょう。

Webサーバについて (一部復習)

一般に、インターネットの世界で「サーバ」というと、 「サービスを多くのユーザ(クライアント)に提供するマシン(計算機)」のことです。 ここで、「サービス」というのは、電子メールの配送、各種ファイルの提供、 動画の配信など、 私たちがインターネットを利用する時に享受しているさまざな事項すべてです。

ですから「Webサーバ」というのは、各種サーバの中で、 「Web (WWW) のサービスを提供するマシン(計算機)」のことになります。 Webのサービスというのは、 WebのクライアントであるWebブラウザから要求のあったリソース(ファイル)を、 Webブラウザ(の動いているPC)へ送り出すことでしたね。

それでは、実際のWebサーバってどんな「もの」だと思いますか? すごく大掛かりな機械を想像しているかもしれませんね。

じつは、Webサーバというのは、皆さんの使っているPCと基本的には全く同じ物です。 ただ、多くの人が同時に利用するマシンなので、 処理性能が高く、多くのファイルが保存できるものが、 通常は利用されているというだけです。 ですから、皆さんのPCも Webサーバ にすることが可能なのです。

ということは、Webサーバにも、フォルダ (ディレクトリ) があり、 各種ファイルが保存されているはずですね。 ですから、「WebサーバにWebページ用のファイルを格納する」 というのは、 単に「皆さんのPCで作ったファイルを、Webサーバのあるフォルダにコピーすること」 なのです。

ネットワーク経由でファイルをコピー

それでは、Webサーバにファイルをコピーするには、どうすれば良いでしょうか?

友だちのPCに、自分の写真ファイルのコピーを置いてもらうのであれば、 メールに添付して友だち送ってその友だちに置いてもらうか、 USBフラッシュメモリなどにいれて、 友だちのPCへそのメモリを直接挿してコピーすることができます。

ところが、Webサーバは通常、1台でたくさん人のためのWebページがありますので、 ユーザからメールに添付して送ってもらったファイルを、 Webサーバの管理者が適切なフォルダに置いていくということはできません。
また、Webサーバに、直接触れさせてもらうことはできませんので、 USBフラッシュからコピーすることもできません。

そのため、Webサーバをはじめ各種サーバにファイルを置くときには、 通常、ネットワークを介してファイルを転送するための専用の手続きを使います。 (代表的なものとして、「FTP (File Transfer Protocol)」 があります。 )

ただし、この手続き (機能) を利用するには、 サーバでそのサービスが提供されている必要があります。 ですからWebサーバでは、Webサーバとしてのサービス以外に、 通常、 Webページ関連ファイルをWebサーバへ転送することができるサービスが提供されています。

基盤的情報処理論では、SSHSCPを利用してファイルをWebサーバへ転送します。(多くの場合、telnetやFTPが利用されていますが基盤的情報処理論ではセキュリティへの配慮からSSHやSCPを利用しています。)

(註)イントラネットなどではFTPを利用できる環境もあります。(実際に学部1年生を対象とした「情報基礎A・B」では、FTPクライアントを利用しています。)

アップロード

ファイル転送に関係した用語の確認をしておきます。

PC (「サーバ」に対して「クライアント」と呼ぶ) のファイルを、 ネットワークを介してサーバに転送することを、 一般に「アップロード (upload)」と呼びます。
逆に、サーバにあるファイルをネットワークを介してPCに転送する(持って来る)ことを、「ダウンロード (download)」と呼びます。

「アップロード」に似た言葉に 「アップデート (update)」があります。 こちらは、サーバ/クライアントに関係なく、「ファイルなどを更新する」ことです。 たとえば、 「不具合のあるソフトウェアを修正された新しいソフトウェアに置き換える、」時や、 「最新の情報を含んだWebページに更新する」時などに、使います。

たとえば、これらの用語は以下のように使います。

  • 課題のファイルができたので、 WebCTサーバへアップロードした。
  • フリーウェアソフトをWebページからダウンロードした。
  • OSの不具合が発表されたので、 修正用ソフトウェアをダウンロードし、 PCのOSをアップデートした。
  • 秀丸エディタで作ったHTMLファイルを、 Webサーバへアップロードした。
  • 「最新のHTMLファイルを、 Webサーバへアップロードして、 Webページをアップデートして下さい。」
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