熊本大学大学院教授システム学専攻
目次:
【第3回】アプリケーションソフト:Office系Tool
第1章
第3章

計算に関する基本機能

【本節の目的】
StarSuite Calc(表計算ドキュメント)の計算に関する基本的な機能を練習する

数式

[演習 12]
演習 11で使ったex1.sxcに、 簡単な数式を入力して、数式の入力方法並びに動作を確認せよ。

StarSuite Calcにおいて、計算を行うときは、 セルの先頭に半角文字の「=」を入力します。 すると、 そのセルは計算モードになりますので、続けて必要な式を入力し確定します。 それにより式を自動的に計算し、計算結果をそのセル内に表示するようになります。

       

上の左図では、セル「C3(C列3行目)」に、 「=C1+C2」 と入力されていますね。
これは、【セル「C1」とセル「C2」を加算した結果を表示しなさい】と、 指定しているのです。
そのため、上の右図では、「C3」に書いた式の確定後、 セル「C1」とセル「C2」を加算(24+20)した結果の 44 が、「C3」に表示されていることが確認できます。

式の書かれたセルは、上記のように計算結果が表示されており、 式は見えません。しかし、そのセルをアクティブセルにすれば、 下図のように数式入力ボックスに、式が表示されます。 式の修正・変更も通常のデータと同様、アクティブセルにした後、 数式入力ボックスで行います。


このように、セルを参照した式で表現しておくと、 参照しているセルの値が変更されると、 即座に式の値もそれに応じて変わります。
  例えば、下では、 「C1」の 24 を 54 に変更する(数式入力ボックスで値を変え、 Enter キーを押す)ことで、「C3」の合計欄が自動的に 74 に変わっています。

       

式について、注意点を以下に示します。

  • 式には、四則演算の他に後述の各種関数を利用することができます。
  • 乗算演算子(記号)は、 「*」(アスタリスク)を、 除算演算子(記号)は、 「/」(スラッシュ)を使います。
  • 行番号と列記号の組み合わせによるセルの名前(セル番地)を参照して計算式を作ります。
  • 数式内に、数字(数値)を書くこともできます。
      下の例では、セル「C3」の値を2倍して、 10を加算しています。


式の入力方法

[演習 13]
ここをクリックしてサンプルファイルをダウンロードし、 「ex2.sxc」で保存せよ。さらに、このファイルで、 以下の操作手順に従って各種方法それぞれの合計を求める式を入力し、 上書き保存せよ。

先に示しましたように、式はセル番地と演算子(四則演算等)で構成されます。 演算子は、直接入力しますが、セル番地は、 以下で説明するように、セルを選択するだけで入力できます。 (直接「C5」とか入力する必要はありません。)

式を入力するには、一般に以下のようにします。

  1. 式を入力するセルをアクティブセルにします
  2. 「=」を入力します
  3. 計算対象となる(参照する)セルをクリックします
  4. 演算子を入力します
  5. 次の計算対象となる(参照する)セルをクリックします
  6. 必要があれば、上の2ステップを繰り返します
  7. Enter キーを押して確定します
具体的には、次のようになります。次の例は、熊大太郎の5教科の合計を、 セル「G3」に表示させます(表示させる式を入力します)。
  1. 「G3」セルをクリックしアクティブセルにし、「=」を入力します。


  2. 計算対象となるセル「B3」を、クリックします。すると、 セル「B3」は赤色の枠に変わり、セル「G3」には、 今クリックした「B3」が表示されます。


  3. 続けて加算演算子「+」を入力します。これで、 式の第1項目が「B3」に確定されます。


  4. 次の計算対象となるセル「C3」をクリックします。すると、 セル「C3」は赤色の枠に変わり、セル「G3」には、 今クリックした「C3」が表示されます。


  5. 上記動作を繰り返して、セル「F3」まで加算します。


  6. Enter キーを押して確定します。


  7. セル「G3」をアクティブセルにしてみると、 数式入力ボックスに、入力した数式が表示されていることが確認できます。


(註) 数式の修正
数式を修正するときは、文字や数字を修正するときと同じように、 対象となるセルをアクティブセルにして、数式入力ボックスで行います。 修正中にどこかのセルをクリックすると、 式の入力時と同じように、 そのセルの番地が自動的に式中に現われますので、 簡単に式を修正することができます。

関数

「関数」とは、特定の計算を行うために、 あらかじめ定義されている数式のことです。「合計」や「平均値」を求めるような、 四則演算を組み合わせただけのものから、「最大値」や「三角関数値」を求めたり、 条件により計算式を変えるような複雑な処理までさまざまなものが用意されています。

関数は、一般的に下に示したように、 関数名(引数;引数;...) という形をしています。中学の数学で、 f(x,y)と書いていたのと同じです。ただし、StarSuite Calcでは、 引数の区切りが「;」(セミコロン)になっていることに注意して下さい。


ちなみに上の関数「MAX」は、最大値を求める関数です。セル「A2」の値、 セル「A10」の値および数値360の3つの引数のうち、 一番大きい数値を関数の値(出力)とするものです。この式の書かれたセルには、 その計算結果が表示されます。例えば、「A2」の値が100で、 「A10」の値が400であれば、上の式のあるセルの値(表示)は、400になります。

関数について、注意点を以下に示します。

  • 関数名は、大文字と小文字を区別しません。
      ですから、SUM、sum、Sumはみんな同じと認識されます。
  • 関数によって、引数の数が決まっているものと、 任意の数の引数を利用できるものがあります。
  • 数式中の関数名、カッコ、引数の間には余分な空白を入れてはいけません。
  • 関数の引数の中に、更に別の関数を書くこともできます。
  • 四則演算子や複数の関数、数値を組み合わせて、 1つの数式を作成することができます。


関数の入力方法

[演習 14]
演習 13で用いたex2.sxcで、 以下の操作手順に従って、sum関数を用いて合計を求める式を入力し、 上書き保存せよ。また、関数オートパイロットを利用したsum関数の利用についても、 以下のテキストに従い実施せよ。

関数を入力するには、(1)直接関数をキーボードから入力する方法と、 (2)関数オートパイロットを利用する方法があります。

(1)直接キーボードから入力する

 例として、sum()という関数を利用します。この関数は、 引数の合計(summation)を計算する関数です。 引数は、任意の数(何個でも)とることができます。

  1. 式を入力するセルをアクティブセルにし、「=sum(」と入力します。


    (註) 入力した関数名のつづりが、 以前使ったことのある関数のつづりの先頭部分と同じだと、 関数名の候補が表示されますので、 それで良ければ、Enter キーを押します。 下の例では、「=su」と入力した時点で、 「SUM()」が候補として右上に現われていますね。それで良いので、 そこで、Enter キーを押せばOKです。






  2. 計算対象となるセル「B4」をクリックします。


  3. 引数区切りの「;」(セミコロン)を入力します。


  4. 次の計算対象となるセル「C4」をクリックします


  5. 上記操作を繰り返して、最後にセル「F4」をクリックします


  6. 最後にEnter キーを押して確定します。

以上で、sun()関数を使って合計を求めることができました。
ただ、これでは、「+」演算子で計算したのと、手間は同じです。

そこで、通常は、sum()関数を用いて計算するときは、 「:」(コロン)で区切ったセル範囲を引数として用います。 これにより、入力が非常に簡単になります。
使い方は、「=sum(」と入力した後、 合計を求めたい範囲を選択(ドラッグ)します。すると、 ドラッグした範囲の外枠が赤色になると同時に、「sum(」の引数が、 「B5:F5」となります。 (B5からF5の範囲の合計を求める、というように読みます。)


これで、Enter キーを押すことにより式が確定し、 合計が表示されます。

(2)関数オートパイロットを利用して入力する。

関数名が分からなかったり、関数の使い方がはっきり分からないときは、 関数オートパイロットのウィザードを使うと、関数機能を容易に利用できます。

  1. 式を入力するセルをアクティブセルにし、「=」を入力します。
    次に、数式バー内の「関数オートパイロット」をクリックします。


  2. 関数一覧から「sum」を探して、クリックした後、 「次へ」ボタンをクリックします。 (このとき、「sum」をダブルクリックするだけでも可)
  3. オートパイロットでは、 関数名がすべて大文字で記述されていますが、 前述のように大文字小文字は区別されませんので、 オートパイロットを使わず、自分で入力するときは、 小文字でも大丈夫です。


  4. 数値1の空欄に文字カーソルが点滅しているのを確認した後、 シート内の合計すべき領域をドラッグします。






  5. すると、数値1の欄に、ドラッグした領域が表示されます。 「OK」をクリックすると、入力が完了します。






引数を設定するとき、もしシートが見えにくい場合は、 「縮小」ボタンをクリックすると、関数オートパイロットダイアログが縮小され、 見通しが良くなります。


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