日本教育工学会第48回春季全国大会自主企画セッション実施報告
次世代の学習支援をデザインする
― データ駆動・身体性・社会的文脈をつなぐ教授システム学の挑戦 ―
本企画セッションは、日本教育工学会第48回春季全国大会における企画セッションとして実施されました。本大会は2026年3月7日(土)・8日(日)の2日間にわたり、山梨大学 甲府キャンパスにて開催されました。本セッションは、3月7日(土)12:35〜14:05にY-31会場にて実施され、60名を超える参加者にご参加いただき、活発な議論が行われました。
概要
本企画セッションでは、熊本大学大学院教授システム学専攻において進行中の外部資金研究を横断的に取り上げ、次世代の学習支援を構成する要素について多角的に検討しました。
具体的には、以下のような多様な研究を対象としました。
- 学習者の行動データを用いた先延ばし行動の分析
- 身体性を含む学習過程のマルチモーダル理解
- 生成AIによる併走エージェントや個別最適化学習システムの開発
- 高齢者の主体的行動変容を支援する教育デザイン
- 養護教諭養成におけるカリキュラム設計
これらの研究を通して、データ駆動・身体性・社会的文脈を統合した学習支援の設計について議論を行い、教授システム学が拓く次世代の学習支援の方向性を提示しました。
セッション構成と議論
本セッションでは、企画趣旨および統合的問いの提示の後、各研究のライトニングトークを行い、その後パネルディスカッションおよびフロアとの質疑応答を実施しました。パネルディスカッションでは、以下の統合的問いを中心に議論を行いました。
- データ駆動・身体性・社会的文脈という異なる視点を、
- 学習者の主体的な行動変容を支える学習支援として、
- どのように統合的に設計できるのか。
- 議論を通して、学習支援は単なる補助的な活動ではなく、
- 学習者・支援者・制度の相互作用によって成立する社会的学習環境として設計されるべき対象であることが確認されました。
- また、今後の研究課題として、以下の論点が共有されました。
- 学習支援者育成の評価枠組み
- データ活用と社会的役割の統合
- 学習支援者の専門職養成の再設計
まとめ
本セッションは、個別の研究成果の共有にとどまらず、教授システム学の観点から次世代の学習支援の設計原理を検討する貴重な機会となりました。今後は、理論と実践を往還する形でこれらの知見を統合し、学習支援の高度化と実装に向けた研究の展開が期待されます。
登壇者 (熊本大学大学院教授システム学専攻専任教員)
合田 美子, 中野 裕司, 久保田 真一郎, 戸田 真志, 喜多 敏博, 川越 明日香, マジュンダール リトジット(オンライン参加)
関連資料・動画
本セッションの動画および発表資料は、以下よりご覧いただけます。


