第6期生 嶋田 謙一さん

嶋田 謙一さん 第6期生
株式会社富士通ラーニングメディア
eラーニング開発部

– 現在のお仕事について簡単にご紹介ください

富士通ラーニングメディアという企業向け研修会社で、主にeラーニングコンテンツの受託開発を行っています。

– 本専攻に入学しようと思ったきっかけを教えてください

私の業務は、以前はeラーニングコンテンツの画面の制作が中心でしたが、学習効果の高いコンテンツを制作するためには、個々の画面をより良く制作するだけ では不十分であり、コンテンツ全体の構成や内容の設計をしっかり行わなければならないという思いがありました。
そのように思い始めたときに、時を同じくして部署としても対応する業務を画面の制作工程だけでなく、設計などの上流工程へシフトしていこうという話が出て きました。このため、私の業務も自然と設計などの上流工程へシフトしていくようになりましたが、コンテンツの設計をするための知識はほとんど持ち合わせて いなかったため、はじめは上司や同僚に確認しながら見よう見まねで設計などの業務をこなしていました。
しかし、そのような業務を担当すればするほど、自分の業務の進め方に限界を感じるようになり、教育や学習、教材といったものの基本をしっかり学び、お客様を説得できるだけの十分な知識と理論的な裏付けを身に着けたいという思いが大きくなっていきました。

そんな思いを持ち始めた頃、熊大との包括連携が始まって会社から毎年1~2名が熊本大学で学ばせていただくようになったため、私もいつか機会があれば学ばせてもらいたいと思うようになりました。そして今回、ご縁があってお世話になることになりました。

– 実際に入学してみてどうですか?

熱いですね!誰かに無理やり勉強させられる人の集まりではなく、インストラクショナル・デザインについて自ら深く学びたいという人ばかりが集まっています ので、そういう人たちと一緒に自らの意志で学ぶことは、仕事でもあまりない経験ですので、とても新鮮で、いい刺激を受けました。

– 大変だったことはありますか?

課題の提出には時間が想像以上にかかってしまうことが多くあったため、それをこなすために深夜までかかることもありましたが、一番大変だったことはやはり 業務と学習の両立です。業務の管理を自分がもっとしっかりできればそれほど問題なかったのかもしれませんが、業務の性質上、複数の商談の対応が重なるよう な繁忙期にはどうしても学習が後回しになってしまいがちでした。

– どうやって乗り越えたのですか?

うーん、なんとかやるしかないですね(笑)。ある時期は集中して学習をする、ある時期は業務に集中する、ということです。入学当初はスケジュールどおりに やらないとダメだと思い、なんとしてでもスケジュールを守ろうとしていました。そのため、ポータルのタスクの色が赤くなると(注1)とても不安だったので すが、少しずつ赤いタスクが増えてくると、いいのか悪いのかわかりませんが、赤くなっても気にならなくなりました(笑)。ただ、その中で自分の業務や生活 リズムと学習をどのように両立させればよいか、次第に自分のペースがつかめるようになりました。この点におきましては、課題提出の締切に寛大な先生方に感 謝いたします。

– SCC(ストーリー・センタード・カリキュラム)はどうでしたか?

SCCはすごく良かったです。私自身の業務がeラーニング開発ということもあり、同じeラーニング開発を業務とするSCCのストーリーには共感できる部分 が非常に多く、主人公になりきって学習することができました。特に、複数の科目にまたがった学習内容を1つのストーリーの文脈に沿って学習できるという SCCの特長を体験できるように、SCCの中ではストーリーで指示される業務に対して主人公になったつもりで1つずつ課題をこなしていきました。一方、 SCCはあくまで疑似体験であることも認識しているため、どこかになりきっていない自分がいることも認識していましたが、そのことも、1つの学習内容を科 目ごとの体系とSCCの文脈の異なる視点で振り返るきっかけを与えてくれたため、私にとっては非常に有意義でした。このSCCの体験が、私の修論の内容に も大きな影響を与えてくれました。

– 普段、学生間のコミュニケーションはどうされていますか?

同期の間では、Facebookですね。たしか1年目の年末ぐらいに同期がグループを作ってくれました。オフィスアワー(注2)があるとか、飲み会をしよ うとか、そういう話ばっかりですけど。私の同期は、対面では田町(注3)で待ち合わせて会うことが多いですね。

– 教員とのコミュニケーションはどうされていますか?

私はちょっと特殊だと思います。修論の主指導をしていただいた松葉先生ですが、対面で指導していただいたのは昨日(注4)だけです。松葉先生とのやりとり のほとんどはメールとWebCT(注5)でした。私の修論の先行研究をされた鈴木先生と根本先生には、お二人のオフィスアワーに参加させていただき、毎回 アドバイスをいただきました。これが大きかったです。今思えば、もっと早い時期からオフィスアワーを活用すればよかったと思います。私がオフィスアワーに 参加するようになったのは、M2になってからです。この点については、私の同期は皆、同じように言っています。M1のときはオフィスアワーに対して少し遠 慮していました。オフィスアワーの案内にはいつも、誰でも行っていいと書いてあるのですが、M1が行ってもいいのかな、M2の邪魔にならないかな、行って も何を相談すればいいのかな、と思っていました。今思うと本当にもったいなかったです。 でも、そのように思う反面、この専攻ゆえにちょっと悩むところもありました。オフィスアワーや合宿(注6)で先生方にお会いすれば、WebCTだけではわ からなかったことがわかります。先生方の人となりがわかることが一番大きいことだと思いますが、質問にもその場ですぐに答えてもらえますので、非常に有効 です。ただ、その一方で、頻繁にオフィスアワーに行かないとだめなのかとか、WebCTなどの非同期のツールでももっとコミュニケーションできたのではな いだろうかとか、そのように設計されていたのに自分の頑張りが足りなかったのではないか、いや、このGSISの場で、eラーニングで学ぶ苦しさも経験した からこそ、対面の大切さがわかったのかもしれない。そのようなことを何度となく考えるようになりました。解はまだないですね。

– 学んだことは、お仕事に活かせそうですか?

インストラクショナル・デザインIとⅡ、eラーニング概論など、インストラクショナル・デザインを中心とした科目では、その基礎を学べました。今までは、 インストラクショナル・デザインという言葉は知ってはいたものの、お客様と会話していても、論理的で説得力のある説明がなかなかできなかったのですが、学 習を進めていくにつれて、以前よりも自信を持って説明できるようになったように思います。

– 最後に、入学を考えている人にメッセージをお願いします

仕事との両立など、入学前に不安に思われていることはだいたいそのとおりだと思っていただいて間違いないと思います。しかし、これまで述べさせていただい たとおり、私にとってはほかには換え難い、非常に価値のある経験をさせていただきました。本専攻ではインストラクショナル・デザインについて深く学ぶこと ができることはもちろんですが、同じ目的や思いを持った人たちが多く集まっていますので、そういった人たちと出会える機会は貴重だと思います。また、鈴木 先生をはじめ、この道の専門の先生方に直接指導いただけることは何より大きな魅力です。

注1:教授システム学専攻の学習ポータルシステムにログインすると、科目ごとに、課題の締切日が一覧表示されます。締切を過ぎると、「超過」という赤い表示が出ます。
注2:オフィスアワーとは、教員が学生の訪問を受ける待機時間のこと。学生は予約する必要はなく、指定の場所・時間帯ならいつでも教員に会えます。
注3:田町(東京)には、熊本大学のリエゾンオフィスがあります。教授システム学専攻のオフィスアワーのほとんどは、この田町のリエゾンオフィスで行われます(熊本大学で開催されることはほとんどありません)。
注4:インタビューは、学位審査会の日に行いました。
注5:WebCTとは代表的なLMS(Learning Management System)の一つ。様々な教材の提示、スケジュール管理、成績管理などができ、インターネットに接続されているコンピュータからブラウザを用いて利用 する。熊本大学で全学的に採用している。WebCTの現在の名称はBlackboard。
注6:1泊2日の教授システム学専攻ゼミ合宿のこと。半期に1回、熊本県近郊で開催し、学生・教員は自由参加です(必須の集中講義とは異なります)。

(2013年2月インタビュー)

※ 登場している方々のご所属および本専攻のカリキュラムや科目に関する記述は、インタビュー当時のものです。

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