博士後期課程設置認可にあたってのご挨拶(平成19年12月)

教授システム学専攻は、平成20年4月から博士後期課程を新設し、この分野に対する社会的ニーズや学問的要請に応える大学院教育の深化及び学術研究の高度化を推進し、同分野の発展・普及を主導できる教育研究者等の養成を開始します。

本専攻は、平成18年度に社会文化科学研究科の独立専攻(修士課程)として設置されました。修士課程の完成年度及び第一期生の修了を迎えるにあたり、博士後期課程を新設し、既設の修士課程を博士前期(修士)課程とする設置認可申請を行い、このたびそれが受理されました。

博士後期課程は、博士前期(修士)課程修了者を対象として、この分野の専門家育成や関連研究に携わる教育研究者として、大学等の高等教育機関における教 員・研究者や企業等の研究所等における研究職等として活躍する人材を養成します。博士後期課程においても、修士(博士前期)課程での教育方法を踏襲し、遠 隔・非同期型の指導を主軸とすることで、現役社会人のための大学院となることを目指します。

本専攻では、開設以来、教授シス テム学に関する体系的な教育研究を行い、教育効果・効率・魅力の高いeラーニングを開発・実施・評価できる高度専門職業人等を養成することを目的とし、教 育研究活動を展開してきました。なかでも、eラーニング業界の求める人材を輩出するため、特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアムと連携し、同 コンソシアムの「eラーニングプロフェッショナル資格認定制度(eLP)」の相互認定機関としての認証を受け、修了と同時に複数のeLP資格が取得できる ようになりました。

また、平成19年4月に熊本大学全学組織としてスタートしたeラーニング推進機構と連携し、大学におけるeラーニング推進についてともに研究協力を進めるために、独立行政法人メディア教育開発センターとの間で包括協定を締結しました。

また、本専攻での取り組みと将来構想が認められ、文部科学省の「平成19年度大学院教育改革支援プログラム」 に採択されました。このプログラムは、優れた組織的・体系的な教育取組に対して重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化を推進することを目的と するもので、初年度の今回は、全国の国公私立大学から355件の応募があり、厳正な審査の結果126件が採択されたものです。

創設して間もない本専攻ではありますが、早くも取組の実績と将来性が全国レベルで認められたと言えます。 採択を受けて、本専攻は、平成19年度から21年度にかけて、「IT時代の教育イノベーター育成プログラム(グローバル人材育成を主導できるeラーニング専門家の養成)」に取り組むことになります。その内容は、以下のとおりです。

1)国際産学共同開発によるストーリー型カリキュラムの導入
2)国際連携によるeポートフォリオ活用教育改善システムの開発
3)グローバル化の先端を行く外国大学との戦略的連携による国際遠隔共同授業の開発等
4)高等教育・企業内教育連携による「学びと仕事の融合学習」の開発

今後は、これらの実績を生かして教育研究の取り組みを進めるとともに、博士後期課程での研究指導を通じて、同分野の発展・普及を主導できる教育研究者等の 養成にも取り組んでいきます。私たちと想いを共有してくださる皆様を大学院生としてお迎えし、ともに学ぶ日を心から楽しみにしております。