第15期生 馬塲友子さん

馬塲 友子さん 第15期生
市立岸和田市民病院 看護師
現在のお仕事について簡単にご紹介いただけますか
急性期病院で看護師をしています。GSISに在籍していた時には、救急センター(救急外来・救急病棟)の看護師長でした。現在は副看護局長として、主に看護職員の教育を担当してします。看護実践の中で人材育成を行う際の課題を分析し、新人看護師や看護職員を対象とした教育、院内研修の内容検討を行っています。また、研修の企画・運営に関わる委員会メンバーへの支援も担当しています。さらに、実習調整者として、看護大学や専門学校の教員と連携をとりながら、臨床実習がより学び多いものになるように調整しています。
本専攻に入学しようと思ったきっかけを教えてください
認定看護師という資格取得をきっかけに、院内研修を担当する機会が増えました。研修講師をした時の受講生の反応は良いのに、部署に戻ると研修での学びは活かされずに経過していることが多く、どうしたら臨床現場で学びを活かした看護が実践できるのか考えたいと思っていました。その時に、鈴木教授の「研修設計マニュアル」を読む機会に恵まれました。そこから、熊本大学大学院教授システム学主催の公開講座のインストラクショナルデザイン入門編/応用編へ参加し、もう少し学びを深めたいと思い入学を決意しました。
実際に入学されて、いかがでしたか
コロナもあり、私の時には入学式もオンライン、オフィスアワー(先生と対面で相談できる)もなく、合宿などの対面でのオプションもありませんでした。また、医療従事者として本業もコロナで忙しく、学業との両立は非常に厳しい状況でした。私は、科目履修を先に行なっていなかったので、1からの単位習得は非常に大変でした。ポータルを開くたびに、締め切り間際を示す赤色の表示が目に入り、焦る気持ちが強くなっていきました。しかし、同じ境遇の人も大勢いて、中には私より忙しい方たちが諦めずに学ぶ姿勢や課題を洗練させるために積極的に取り組む姿勢に刺激を受けながら、学びを進めていきました。
大学院在学中に、別の資格を取得したこともあり、学業と仕事、資格取得の3つは難しいと考えて、長期履修制度を利用しました。しかし、1回集中力が途切れたら卒業するまでに時間がかかりそうと思い、3年で絶対に卒業するという思いは絶やさないでおこうと心に決めて、2年目も研究以外の科目は進めるようにしました。
学んだことは、どのように役立っていますか?
自分が担当する研修や講義には、確実に役立っています。今までは、方法論を優先して考えていました。しかしIDⅠ〜Ⅲや教育心理学、基盤的教育論などを学ぶことで、「なぜそれを教えるのか」「学習者にどうなってほしいのか」という目的を、方法よりも先に考えるようになりました。さらに、修士論文で作成した課題分析図を頭に入れておくことで、一つの項目を伝えるにも、前提条件として何が必要かなどを確認しながら研修を組むことができています。
現在は教育担当副看護局長として、院内全体の教育の枠組みや人材育成について考える時に、ナレッジ・マネジメントや職業人教育訓練、経営学特論なども役立っています。
普段は、どのように学習を進めていましたか?
毎回、科目ごとにタスクが細かくあり、仕事終了後に子どもが寝てから取り組んだのと、それでも足りないので土日や祝日にまとめて学習の時間としていました。そのため、多少家族にも無理をさせていたこともあったと思います。入学の際に、鈴木教授に第1は家庭、第2は仕事、第3にGSISとアドバイスをいただきましたが、実際には、課題締め切りの間際には、家庭が第3になっていた時もありました。
研究テーマは、1年目の後半からずっと考えていましたが、なかなか絞りきれずに、3年目の春にようやく決まり、そこからは課題解決のための資料集め、ガイドラインの確認、シナリオ教材の作成と休む間もなく、作成しては何回も修正を行いました。もう少し早くに、研究テーマが決められていれば時間的余裕もあったと思いますが、短期間しかないと思うことで、集中することもできました。
学生間のコミュニケーションはどのようにとられていましたか?
毎回のタスクの際に必須となるディスカッションが中心でした。それ以外には、Facebookのメッセージ機能やZoomで意見交換を行っていました。時々、オンラインで進捗を話したりして刺激を受けていました。また、長期履修の際には、16期生のSlackにも参加させてもらい、意見交換を行う機会を得ることができました。
先生とのコミュニケーションはどのようにとられていましたか?
研究指導の先生とは、メールやZoomでのやり取りを行っていました。悩んでいる時には必ず自分から連絡をして、アドバイスをもらうように心がけていました。学会発表や修士論文の最終仕上げの時などには、頻繁に修正・提出を繰り返して意見をいただいていました。先生からも間を空けずにご指導をいただけたので、感謝しています。
専攻を修了して得た収穫はなんですか?
一つ目は、学習は学習者中心であることを様々な教材作成を通じて実感したことです。
二つ目は、理論を知ることで、職場で実装し修正、改善する力を備えることができました。
三つ目は、学位を得たことです。入学の際に、「学位は掴み取るもの」と鈴木教授から言われました。それを意識することで、自分で探求する力が備わったと思っています。
最後に、同じ志を持つ仲間や先生に巡り会えたことです。完全オンラインの大学院という特徴で、入学したら一人で孤独なのかと思っていましたが、毎回のタスクごとに意見交換をしたり、オンラインでミーティングをしたりと通学しているのと変わらないか、もしくはそれ以上の関わりを持て、GSISで知り合えた仲間は私の財産になりました。
最後に、これから入学を考えている人にメッセージをお願いします
忙しくて難しそうだと感じている方には、まずは科目履修で単位を取得してから入学することをお勧めします。やはり、仕事をしながらの学業は自分の時間を全て使うくらいの覚悟がないとできません。しかし、私みたいに、科目履修していない人が入学しているのも事実です。卒業まで何年もかけてられないと思った方は、本業以外はGSISに時間をかける覚悟があれば大丈夫だと思います。あとは、GSISで何を学びたいのか、自分はどうなりたいのか、修了したらどのように活動したいのかなどの軸を持っている人は、挫けずにやり遂げることができると思います。頑張った先には、達成感や多くの仲間を得ることができます。そして修了生になっても、コンピテンシーの一つである専攻の発展・向上に寄与するという項目を満たすべくGSISとの関わりは続きます。一緒に仲間を増やしませんか?迷っているなら、どうぞ飛び込みましょう!
(2025年12月メールインタビュー)
※ 登場している方々のご所属および本専攻のカリキュラムや科目に関する記述は、インタビュー当時のものです。


