第17期生 谷内祐樹さん

谷内 祐樹さん 第17期生
信州大学教職大学院 実務家教員

現在のお仕事について簡単にご紹介いただけますか

教職大学院で実務家教員として働いています。本学の教職大学院には、これから教員を目指す院生だけではなく、現職教員の院生がバランスよく在籍しています。

私自身の中学校教員や教頭としての実務経験を生かしながら、新しい時代の教育について共に学びを深めています。

本専攻に入学しようと思ったきっかけを教えてください

ある日、購入した『研修設計マニュアル(北大路書房)』がきっかけです。

この時期はコロナ禍でした。教育委員会に勤めていた私は、先生方の対面研修が次々とストップする状況に直面し、研修とはどうあればよいのかと悩んでいました。

そんな時、同書の帯に書かれていた「教えなくても学べる研修とは?」という言葉に惹きつけられました。この本を読み進めながらインストラクショナルデザインの魅力を知り、こういう研修を設計できるようになりたいと考えるようになりました。

実際に入学されて、いかがでしたか

働きながら「学び足し」ができることに幸せを感じています。

先ほどお話ししたように、私の場合、仕事を進める上で悩みに直面し、新しい知識やスキルが必要だと感じていました。もちろん本を読んで学ぶこともできるのですが、インストラクショナルデザインを学ぶためには、私にとっては「ここ」しかないと思っています。

「フルeラーニング」で学ぶことに少し不安がありましたが、「GSIS公開講座インストラクショナルデザイン入門編/応用編」を受講したことで、その不安も軽減されたように感じています。

学んだことは、どのように役立っていますか?

教職大学院の授業づくりや小中学校の先生方対象の研修づくりに役立っています。

例えば、ARCSモデルを援用して設計を試みて関連性を高める工夫をしたり、非同期・遠隔の授業づくりでどのように学習者の自立性を保証すれば良いかを考えたりなど、大いに役立っています。

普段は、どのように学習を進めていましたか?

基本的には、土曜日と日曜日です。ただし、チームで取り組む課題がある場合には、平日の仕事が終わった後も学習を行うことがありました。その勢いで他の課題に取り組むこともありましたが、平日の仕事に支障を来さない程度にしていました。

学生間のコミュニケーションはどのようにとられていましたか?

Moodleのディスカッション機能を用いることが多かったです。

ただし、クラウドツールを用いて作成する場合には、コメント機能を使って非同期でやり取りすることもありました。お互い仕事があるので、非同期で取り組むことが前提になっていたので、コミュニケーションがしやすかったです。

先生とのコミュニケーションはどのようにとられていましたか?

こちらもMoodleを使うことが多かったです。

提出した課題について的確にアドバイスを頂くことができ、疑問点についても親身になって導いてくださるので、コミュニケーションに困ることはありませんでした。

東京の熊大オフィスへ行って対面型で行うこともあり、授業後の夕食会も楽しみの一つになっていました。

専攻を修了して得た収穫はなんですか?

「教えなくても学べる研修とは?」に対する答えが出ていないところが収穫です。

学べば学ぶほど答えが出にくくなります。「学習するプロセスにこそ学びがある」という当たり前のことを教えていただき、視野が広くなったように思っています。

最後に、これから入学を考えている人にメッセージをお願いします

仕事をしながらの学習に対して不安を感じる方がいらっしゃると思います。しかしながら、本専攻は自分のペースで学べるように設定されていますので安心してください。

ただし、「何のために学ぶのか」という動機がはっきりしていないと、途中で挫けてしまうこともあるかもしれません。本専攻で何が学べるのか、どのように学ぶのかということを理解しておくことをお勧めします。

私の場合、「もっと学びたい」と思って本専攻の博士後期課程へ進学しました。皆さんと一緒に学べることを楽しみにしています。

(2025年6月メールインタビュー)

※ 登場している方々のご所属および本専攻のカリキュラムや科目に関する記述は、インタビュー当時のものです。