第1期生 加地 正典さん

加地 正典 さん 第1期生
株式会社ビジネス・ブレークスルー
システム開発マネージャー

-本専攻に入学しようと思ったきっかけを教えてください

遠隔での教育サービスを提供する事業に身を置いていることもあり、eラーニングの専門家育成と聞いたときは、正直あまり関心を持っていませんでした。一方 で自社の提供するサービスのよさを説明することの難しさを感じている面もありました。あるとき鈴木克明先生の講演でIDが教育の質保障を説明可能にすると 聞き、理論と実践を結びつけること探求してみたいと考え出願を決意しました。

-それは、いつごろですか?

鈴木先生の講演を聞いたのが、たしか2005年12月でした。でも、学びたいと強く思ったものの、2006年1月の願書締め切りギリギリまでどうしようか 悩んだんです。仕事が忙しいし、お金もかかるし。悩んでいるうちに、社会人特別選抜に必要な出願資格認定をとる期間が過ぎてしまって、受験するなら一般入 試しかなくなってしまったんです。でもとりあえず出願しなくちゃ何も始まらないと思って、やっと決心して一般入試の前日に願書を送りました。でも受験する ことは職場に言っていなかったので、後になって試験前日に大きな作業が入ってしまったりもしました。サービスを停止するため深夜からの徹夜作業で、トラブ ルがあったら試験に間に合わなくなる作業です。万が一にもそうなったときは、2006年度の受験は諦めるつもりでしたが、無事作業は終え、徹夜のまま急い で試験会場に行きました。一般入試だから、英語の試験もあって、眠くて眠くて仕方ない中がんばりました。出願も、受験も、「入りたい!」の一念でした (笑)。

-実際に入学してみて、何が学べたと思いますか?

IDの考え方はインストラクションを必要とするあらゆる局面で適用可能な懐の深いものであることを知り、日常の中でもものの見方が変わってきました。またIDだけでなく、IM系の科目を中心にプロセスをデザインし実行していくことの重要性を再認識しました。

-入学のきっかけでおっしゃっていましたが、「なぜうまくいっているのか」を説明できるようになりましたか?

自社のeラーニング事業を見つめ直すと、意外にID理論で説明がつくことをやっているなと思いました。また、以前は気付かなかったのですが、たまたま運が よかっただけかもしれないという事象にも気づきました。成功要因だけでなく、課題と改善ポイントを挙げることができるようになったと思います。

-大学院で学ぶことについて、職場の理解は得られましたか?

職場には社会人大学生が何人かいます。教育事業者ということもあり、もともと社員が大学に行ったり、資格をとったりすることを推奨している文化があると思 います。上司に本専攻に入学することを伝えたときは、「仕事には支障がないようにします」と、予防線を張りましたが(笑)。

-仕事と学習の両立はどうやって実現しましたか?

正直なところ、入学当初はうまくスケジュールが立てられず、仕事が忙しいと学習の進捗が遅れがちでした。これではいけないと思い、土日の早朝は必ずeラー ニングをやろうと決めました。無理矢理でも学習を習慣化させることにしたのです。慣れてくると、頭の中で仕事、学習、プライベートの切り替えができるよう になりました。また、1科目につき15回の小課題と、3-5回ぐらいの大きめの課題があるのですが、日にちを開けて出来るところからバラバラにやってもい い課題と、集中的にいくつかまとめて取り組んだ方がいい課題があります。これに気づいてから、どんな課題か内容をよく読んでスケジューリングするようにし ました。この2つの工夫で、だんだんうまくスケジュールできるようになって、仕事が忙しくても、学習が進むようになりましたね。それから、こうやって自分 がeラーニングの学習者として色々と工夫したことからも、研究のテーマが絞り込まれてきたんです。

-研究はどのように進めていったのですか?

修士1年の終わりに、研究テーマと指導教官が決まって、実際の研究は修士2年からでした。私の場合、まずマイルストーンとしていくつか学会発表を設定しま した。自ら追い込まないと、体が動かないというか、研究を進めないと思ったので(笑)。あとは、その日に向かって研究を進めるのですが、最初にどう研究す るかの方針が決まったら、指導教官とは基本的にはメールで進捗報告や質問をしました。まあ、方針が決まれば後は自分がやるだけですからね。でもすぐに返事 が欲しい質問がたまってきたら、先生にインスタントメッセンジャーを用いた同期型の指導をお願いしました。あと、こちらがお願いしなくても、専攻のカリ キュラム上、同期型で指導をいただく機会も設定されています。そして、なんとか学会発表までにまとめて、発表前後に直接指導教官と会います。発表前は、会 わないと伝えにくい細かい点や、プレゼンなどをご指導いただきました。発表後は質疑応答に対するリフレクションをし、次に何をどう進めるかをご相談しまし た。学会発表を軸に、これを何回か回して、修論に至った・・・という感じです。

-学会発表を設定したのがポイントのようですね。学会発表をすることは教員からの指導ですか?

私がやりたいと提案しました。職場の先輩の勧めもあって、本専攻の入学以前から様々な学会に行って、発表を聞くようにしていたんです。自分の仕事に関連し たり、興味がある内容ですから、聞くだけでもすごく勉強になると感じていました。そこで、せっかく修論に取り組むなら、思い切ってたくさん発表してみよう と。実際やってみると、いろんな人が質問をしてくれることで、課題が明確になって、次に何をすればいいのか見えてきましたね。
それから、発表はしなくても学会に行ったとき、興味ある研究をされている先生とお話しするようにしていたんですね。それが、自分が修論を書くときに、関連 研究として思いだして、連絡とったことがあったんです。学会発表するのが一番いいですけど、行って聞くだけでもいいので、学会に参加するのはおすすめです よ。

-学生から見て、本専攻の特徴は何だと感じていますか?

やはり、いろんなバックグラウンドの学習者がいることですね。みなさん何かしらeラーニングに関わっている人ばかりですが、eラーニング事業者でも、私の ようなSEだけでなく、コンテンツ開発者、コンサルタント、営業など職種が様々ですし、学校の先生や、大学の事務職員の方もいらっしゃいます。お互いの経 験を語り合うことが、何より勉強になります。この専攻に入学しないと出会っていない人ばかりだと思うので、貴重なネットワークができました。

– 学生同士のコミュニケーションはどのようにされていましたか?

オンライン上のコミュニケーションは難しいですね。正直、ちょっと不満な点です。もうちょとBBSが盛り上がっても良かったかなと思います。1回のレスポ ンスだけでなく、何度かやりとりして深く掘り下げたかったです。ただ、オンライン上で少し物足りない分、直接会える機会には、何時間も語り合う濃い時間を 過ごせますね(笑)。それでも、学生主導でもっと直接会えばよかったとも思います。たまにやってましたが、忙しくてなかなか集まれなかったですね。修論が 佳境に入ってくると、形成的評価を誰かにお願いする必要が迫ってくるのですが、頼りになるのが他の学習者だったりします(笑)。みんなせっぱつまっていま したから、なんとかして会って、助け合いましたね。

-加地さんは業務に直結とはいえ、学費は自腹ですよね?おカネ出した価値ありましたか?

本当にたくさんのことを学べたので、そういう意味では価値がありました。でも本当に価値があったかどうかは、これから次第だと思っています。

-本専攻へ入学を考えている方へメッセージをお願いします。

様々なバックグラウンドを持つ教授陣やクラスメイトと学びを深めることも大きな魅力のひとつです。IDがもたらす可能性を体感し自身のキャリアデザインにも役立つこと間違いなし。是非挑戦してください。

※ 登場している方々のご所属および本専攻のカリキュラムや科目に関する記述は、インタビュー当時のものです。

 

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