ご挨拶

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教授システム学専攻は、平成18年度に熊本大学大学院社会文化科学研究科の独立専攻(修士課程)として設置され、15名の第一期生と22名の科目等履修生を迎えてスタートしてから、満8年を迎えました。開設以来、教授システム学に関する体系的な教育研究を行い、教育効果・効率・魅力の高いeラーニングを開発・実施・評価できる高度専門職業人等を養成することを目的として教育研究活動を展開してきました。博士後期課程では、この分野に対する社会的ニーズや学問的要請に応える大学院教育の深化及び学術研究の高度化を推進し、同分野の発展・普及を主導できる教育研究者等を養成しています。

博士前期課程では、修了生に求める職務遂行能力(コンピテンシー)を公表し、その達成を支援する実践的なカリキュラムを整備しました。eラーニング業界の求める人材を輩出するために特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアムと連携し、「eラーニングプロフェッショナル(eLP)資格認定制度」の相互認定機関としての認証を受けました。修了生の多くは複数のeLP資格を取得して、eラーニングの専門家として本専攻を巣立っています。

本専攻での取り組みと将来構想は文部科学省に早くから認められ、平成19年度には「大学院教育改革支援プログラム」に採択されました(355件の応募から126件のみ)。3年間取り組んだ「IT時代の教育イノベーター育成プログラムーグローバル人材育成を主導できるeラーニング専門家の養成―」は、日本学術振興会が行った事後評価で「目的は十分に達成された」(人社系全53件中7件のみ)との最高水準の評価を得ました。その成果の一端は、本専攻の黎明期を紹介した『IT時代の教育プロ養成戦略:日本初のeラーニング専門家養成ネット大学院の挑戦』(大森不二雄編著、2008年東信堂刊)に続く第二弾『ストーリー型カリキュラムの理論と実践:オンライン大学院の挑戦とその舞台裏』(根本淳子・鈴木克明編著、2014年東信堂刊)として公刊しました。

提供科目の刷新も継続的に進めています。平成19-22年度には、国際協力機構(JICA)の協力のもとで途上国からの留学生を迎えました。新科目「国際協力におけるeラーニング」を開設し、必修全科目の英語化も進みました。その成果は、本Webサイトで4科目の全コンテンツが無料閲覧できる「公開科目」において、日本語と英語を切り替えてご覧いただけます。また、平成25年度には、当該分野からのニーズに呼応するために「医療教育におけるeラーニング」を新設しました。この新設科目は、本専攻の修了生が担当しています。本専攻の同窓生の中は、大学で職を得たり、起業したり、関連学会・団体の役員に任命されたり、あるいは自ら財団を設立するなど、各方面で活躍していますが、本専攻の教員として次世代の育成を担うようになったことは、最もうれしい成果の一つです。

平成26年度からは、文部科学省と熊本大学の支援を受けて、「教授システム学の研究普及拠点の形成-学び直しを支援する社会人教育専門家養成パッケージの開発と普及-」に取り組んでいます。これまでに本専攻が培ってきた新しい学びの仕組みを全国の大学院に普及させる横展開への挑戦です。対面講義と最終試験に頼らない教育方法を、未来の大学教員たちに体験・会得してもらうことが主たるターゲットですが、このやり方は高等教育機関のみならず、より広い領域での人材育成にも有効な方法だと確信しています。これまでの教育研修の慣例にとらわれずに、ICTを活用した大人向けの学びを設計・支援できる専門家が増えることで、社会人が学び続ける環境が整うことに貢献できればと願っています。

今後は、これらの実績を生かして、さらに教育研究の取り組みを進めていきます。学位取得を目指す正規生には、前期課程2年分の学費で3年間在学できる長期履修制度や、その逆に2年より短期で修了する在学期間の特例制度があり、柔軟な履修をサポートしています。また正規生の他にも、特定教員の指導のもとで研究を進める研究生や科目ごとの単位を取得できる科目等履修生の制度もあります。eラーニング関連企業や人材育成部門との共同研究や学会・研究会での研究成果報告など、活動の幅を徐々に充実していきます。日本のeラーニングには(そして人材育成を機能させるためには)学問的な基盤と専門家として活躍する人材が必要だ、という私たちと想いを共有してくださる皆様とともに学ぶ日を心から楽しみにしております。

教授システム学専攻長・教授
鈴木克明・都竹茂樹
(前期担当・後期担当)

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