第2期生 仲道 雅輝さん

仲道 雅輝さん 第2期生
現在
愛媛大学 教育・学生支援機構 教育企画室 兼 総合情報メディアセンター 助教
インタビュー当時
日本福祉大学 教育開発室 主幹 兼 教育デザイン研究室 担当マネージャー

– 本専攻に入学しようと思ったきっかけを教えてください

私が勤務する大学には通信教育課程があるのですが、以前から教材として授業のVOD(※ 1)配信をしていたんですね。そこでVODを通学課程の方にも取り入れて、VODと対面授業のブレンディッドを全学的に推進していこうということになり、 2006年4月に通信教育部事務室から情報ネットワーク課に異動となり、学習支援システムの開発や2007年4月に向けてeラーニングを推進する教育デザ イン研究室という部署を発足させるべく、私が責任者となりました。
そして、情報収集のために2006年夏のe-Learning Worldに参加し、鈴木先生の講演を聞いたんです。私は本などですでに「ID」という言葉は知っていましたが、「ID=ADDIEモデル(※2)」だと思っていました(本当は違いますよ)。今では、恥ずかしい限りです。(笑)
ところが鈴木先生の講演では様々なID理論に基づくeラーニングが紹介され、「VODだけがeラーニングではない」ということに気付かされました。もうこ の先生しかいないとファンになってしまいました。このとき、熊本大学で学びたいと出願を決心して、その場で願書が配られていたので、もらって帰りました。

– 普段はどのように学習を進めていますか?仕事と学習の両立は大変ではないですか?

最初のうちは、とにかく課題をこなすだけでした。
2~3か月たった頃に、自分なりにスケージュールを立てて学習できるようになりました。まず課題の締切日を手帳に書いて、毎日手帳を確認しました。
そして職場に朝早く行って、Blackboard(※3)上の教材を印刷するんです。配布資料も、課題の説明もとにかく全部。そして印刷したものをカバン に入れておき、移動中や休憩中など、仕事の空き時間に常に取り出して読みました。本当にいつでもどこでもです。それから毎日仕事が終わってから2~3時間 ぐらい、職場に残って課題のレポートなどを作成して、そのまま職場からBlackboardにアクセスして課題を提出する、という感じです。いつの間にか 習慣化されていました。ただ、家では全くやりませんでしたね(笑)。土日は基本的に休みました。
参考までに、1年前期は6科目、1年後期は8科目(そのうちスクーリングがある集中講義が2科目)、2年前期は4科目、2年後期は1科目履修しました。1 年後期は調子に乗って8科目履修し、苦しみました(笑)。しかし、2年の修士論文を作成する段階で少し余裕が持てました。

– 職場で勉強されていたんですね。それでは大学院で学ぶことについて、職場の理解があったのでしょうか?

私が大学院で学ぶことは、本学でe-Learningを推進する上で有益だと説得しました。これまで本学独自のやり方でe-Learningを進めていま したが、専門スキルやインストラクショナルデザインの手法を取り入れた方が効果的だと、大学院で学んだことは必ず業務に還元できるという話をして、理解を 得られました。逆に大学の人材開発・研修の一環として学習させてくれました。仕事の免除はないけれども、職場の環境で勉強することは了承してもらいまし た。大変恵まれていたと思います。

– 教材や課題はどんなものですか?

ビデオ教材はほとんどなく、書籍や参考文献、資料などが提示されます。それを読んで、自分の考えをまとめてレポートとして提出するのが課題です。ほとんど の科目で、レポートを掲示板上にアップロードして、他の学生さんがアップしたものに意見や質問をコメントすることも課題に含まれています。他の方から色々 な視点で意見をもらうことで、自分が気付かないことに気付かされます。またIT系の科目では、オンラインテストに合格することが課題となっていることも多 いですね。

– 普段、直接会えない時はどうしましたか?

掲示板やメールが中心になるのですが、私の場合、けっこう電話もしました。アナログな人間なんで(笑)。グループ課題の時、メンバーみんなでスカイプを使 いつつも特定の人に電話しちゃったり、修論の指導をいただく時、方向性などどうしても確認したいことは指導教官に直接お電話しましたね。

– 研究はどのように進めていったのですか?

まず、鈴木先生から学会発表を行うように指導を受けました。
そして先生方には、投稿にあたっては論文作成など細かく指導していただきましたし、発表前日には宿泊先の旅館で発表練習を見てもらいました。大変心強く、勉強になりました。
当日は大変緊張したのですが、いろんな方から質疑を受け、これから研究を進めるにあたり何を明らかにしていくことが必要なのか、ポイントが明確になりました。そして学会発表を何回かすることで、修論が出来上がっていきました。
学会以外では、指導教官と一度も直接会わなかったですね。掲示板とメールと電話で、何とかなりました。

– 入学してからこれまでに、何が学べたと思いますか?

やはりID理論です。現状とゴールのギャップをどうやって埋めるのかが明確になってきました。また、ゴール設定が大事であるという考え方を知って、私の業 務スタイルや勉強方法もだいぶ変わりました。必ず最終目標を立てて、そこから詳細に落とし込むようになりました。
入学して3か月で、IDの基礎は学習できるんですよ。eラーニング概論、インストラクショナル・デザインⅠという必修科目の中で。だから私は、せっかく学んだIDを使って、自分で自分の学習を効果的にしようと考えました。
この専攻は課題が多くて大変だとイメージされているかもしれないですが、気合いとIDを使えば、2年間でいけちゃいますよ(笑)。

– 学んだことは、今後お仕事にどう活かせそうですか?

IDは、大学でのあらゆる業務に活かせそうです。
それは自分が直接関わっているeラーニング教材開発だけでなく、FD(※4)だったり、大学全体の教育改革であったり、あらゆることに活かしたいです。

– 本専攻へ入学を考えている方へメッセージをお願いします

入学前は、自分が学習についていけるだろうかと、不安で仕方なかったです。しかし、入学して、「100%後悔はしない」大学院です。入学した価値は大いに ありました。業務上で成果を出せたものもたくさんありますし、何より自分にとって「師」を見つけることが出来たのが本当にラッキーでした。同期生や先輩方 からも、学生同士で話している時、後悔とか、マイナスの話は聞いたことがないです。私は、熊本大学大学院、教授システム学専攻を誇りに思っています。むし ろ、厳しいと思う部分もありますが、自分を次のステージに引き上げてくれる先生方がいて、社会人学生のことを考えた教育設計をしている大学院だからだと思 います。
ぜひ一緒に学びましょう!

※1 VOD(Video On Demand):利用者が見たいときにいつでも映像が見られるシステム。
※2 ADDIEモデル(アディーモデル):インストラクショナル・デザインにおいて提案されてい る、教材開発や教育システムの開発工程モデル。分析(Analysis)、設計(Design)、開発(Development)、実施 (Implementation)、評価(Evaluation)の頭文字を取っている。
※3 Blackboard:代表的なLMS(Learning Management System)の一つ。様々な教材の提示、スケジュール管理、成績管理などができ、インターネットに接続されているコンピュータからブラウザを用いて利用 する。熊本大学で全学的に採用している。
※4 FD(Faculty Development):大学教員の資質向上のための組織的な取り組み。


※ 登場している方々のご所属および本専攻のカリキュラムや科目に関する記述は、インタビュー当時のものです。

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